7月17日、第43回 日米大学野球選手権大会の第2戦が愛媛県の今治市営球場で行われ、侍ジャパン大学代表はアメリカ大学代表に2対3のサヨナラ負け。対戦成績は1勝1敗となった。
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
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試合は今日も終盤まで勝敗の読めない投手戦となった。
先発のマウンドに上がった早川隆久(早稲田大)は初回に味方の失策からピンチを招き、犠牲フライで先制を許した。だが、生田勉監督が「淡々と持ち味を出してくれました」と話すように、球速以上の伸びを感じるストレートやキレの良い変化球で強打線に立ち向かっていき以降は得点を許さず。
一方、アメリカ大学代表の先発左腕のアイサ・レーシー(テキサス工科大)は、ダン・マクドネル監督が「私が見てきた中で1番の才能」と話すほどの逸材。193cmの長身から投げ下ろす150キロを超えるストレートと切れ味鋭いスライダーなどの変化球を織り交ぜ、4回73球を投げ3安打無失点5奪三振に抑えた。
それでも5回、この回から登板したクリス・ミックマン(マイアミ大)に対して四球から二死二塁のチャンスを作る。ここで打席には、左ひざを負傷した小川龍成(國學院大)に代わって先発出場した児玉亮涼(九州産業大)。165cmの小柄な体格ながら振り負けることなく、しぶとくライト前に運ぶと、ダイビングキャッチを試みた相手が後逸するのを見て俊足を飛ばし三塁へ。同点打となるとともに、勝ち越しの走者となる。さらにミックマンが暴投し生還。逆転に成功した。
その後は6回から必勝リレーで逃げ切りを図ったが、8回の判定で大きく流れが変わる。この回からマウンドに上がった吉田大喜(日本体育大)が前日に続く力強い投球で2アウトを難なく取ったかに思えた。しかし、球審の判定は打撃妨害。捕手・海野隆司(東海大)のミットに打者のバットが当たったという判定だった。納得のいかない生田監督は抗議するも判定は覆らず。
するとアメリカ大学代表がこのチャンスを逃さず、スペンサー・トルケルソン(アリゾナ州立大)とヘストン・キースタッド(アーカンソー大)の連打で同点に追いついた。
そして9回。柳町達(慶應義塾大)の二塁打で無死二塁のチャンスを作るが、スリーバント失敗などで無得点。その裏に抑えの伊藤大海(苫小牧駒澤大)がアレク・バーレソン(イースト・カロライナ大)にサヨナラ本塁打を打たれ、悔しい逆転負けとなった。
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監督・選手コメント
生田勉監督
「接戦は想定していましたし、ストライクゾーンやジャッジも含めて、これが日米大学野球。打ち崩せるかというより細かいことができるかどうか。今日は失策を含めてミスが目立ちました。(サヨナラ弾は)表の攻撃のバント失敗で悪くなった流れからの必然。伊藤への信頼は変わりません」
早川隆久(早稲田大)
「アメリカの打者は力もあって、上手くかわそうと思ったところを外野まで飛ばされました。強気な投球が必要だと感じました。どういう打線かは分かったので、復習をしてしっかり次の登板に向けて準備していきたいです」
ダン・マクドネル監督
「先発を含めて投手陣が頑張ってくれましたし、チーム全員で戦うことができました。最高の気分です。残り3試合も挑戦の気持ちを持って戦い、準備をしっかりしていきたいです」
アイサ・レーシー(テキサス工科大)
「ストライク先行の投球ができましたし、スライダーのキレも良かったです。マウンドは確かにアメリカと違ってかなり柔らかかったが、言い訳にはならない。試合に勝つためにベストを尽くしました」
アレク・バーレソン(イースト・カロライナ大)
「打ったのは狙っていたストレート。ホームランは狙っていなかったが、飛距離は十分だったので、ファウルにならないでくれと思いながら走りました。日本の投手は球種が多いので、球を絞って打たねばならない。この2試合、投手に迷惑をかけた分、明日はもっと打ちたいです」