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「第5回 WBSC U-12 ワールドカップ」初制覇へ 直前合宿がスタート

2019年7月21日

「第5回 WBSC U-12 ワールドカップ」(7月26日~8月4日 台湾・台南市)で初制覇を目指す侍ジャパンU-12代表。前日に各地から集結し、直前合宿2日目となる7月21日、神奈川県内のグラウンドで初練習を行った。

 気温は30度近くまで上がる中だったが、選手たちの動きの良さにチームを指揮する仁志敏久監督の顔も自然とほころんだ。
「選手たちのことはトライアウトで見ていましたが、もっと細かく力量を知るために今日は基本的なメニューで行いました。全体的に本当に能力が高いです。バッティングなども今日、改めて見て、こんなに良かったかなという子が多くいました。良い意味で驚かされましたね」

 練習初日のため、まずはウォーミングアップを入念に行うことから始まった。「スキップ」「サイドステップ」「股関節を回す動き」など、普段は何気なくやってしまっているような種目でも、川島浩史トレーナーが丁寧に目的やポイントを説明。例えばサイドステップで両手を頭上に上げるときには肩甲骨まわりを意識する、股関節なら大きく動かし、背中が丸まらないようにするなどの指示が飛ぶ。続いて行われたストレッチでは不慣れな動きもあり、戸惑う選手もいたが、「ストレッチをしたときの動きの違いで自分の体の状態を確認することもできる」「手首まわりの筋肉が疲れてくると肘に負担がくるよ」といった、川島トレーナーの言葉に選手たちの表情も引き締まっていく。さらにチューブを使った肩甲骨まわりのインナーマッスルの強化運動へ。
「チューブを使ったトレーニングは、このくらいの年代もやった方が良いです。特に軟式野球から硬式野球に移る選手などもそうです。肩をスムーズに動かすためでなく、障害防止にも繋がりますからね。小学生のときに肘を故障すると、中高生になってからの再発率も高くなります」

 選手たちはさらにダッシュ系のアジリティトレーニングを7種類。1時間ほどみっちり体に刺激を入れた。最初からうまくできる選手の方が少なかったが、仁志監督は選手たちを集め、こう諭した。
「できないことをできないままにしてしまう選手は大人になってもできるようにはならない。今日できなくても、明日はできるようになろう」

 トレーニングでは不安な顔を覗かせていた選手たちも、キャッチボールが始まると、一転して、その姿が大きく見える。スナップスロー、ショートバウンドのやりとりに移ってもボディバランスの良さ、ハンドリングの巧さを感じさせる選手が多かった。セカンド、ショート、外野の3か所でのノックを20分ほどやった後はフリーバッティング。ピッチャー陣は合間にブルペンでピッチングを披露。江尻慎太郎投手コーチも目を細めて話す。
「かなり球威のあるメンバーが揃ったと感じています」
 また、フリーバッティング後、昼食を挟んで午後にじっくり45分ほど取り組んだピッチャーのけん制、クイックの練習についてはこう説明した。
「前回大会で相手チームは結構、盗塁をしてきました。盗塁を防ぐにはいろいろな要素がありますが、ピッチャーがクイックを持っていると見せることで相手に走るのを自重させられます。子供たちが、自分はクイックを武器として持っていると思えることで投球の幅やマウンドでの余裕にも繋がると思っています。そのため自分のクイックモーションの限界値をまず知ってもらうために、極力、早いフォームで投げてもらいました。クイックでランナーを抑えることができる。考えながらピッチングしようということも伝えました。短かい期間で、体の動かし方などを学んでもらうというのは、なかなか難しいですが、そういった知識は絶対に無駄になりません。」

 選手たちもすでに胸を躍らせている。林京乃佑選手は練習を終えて次のように話してくれた。
「トレーナーの川島さんもすごく考えられたメニューを作ってくださっていると思います。体は疲れていますが、プラスになっていると思います。慣れない部分はありますが、ほかの選手ができていると自分もできるようにならないといけないと思えます。みんな、僕にないものというか、プレーの上手さもありますし、積極性などを持っているので、このチームでプレーし、大会が終わったときに、自分は進化していると思います。」

 明日21日には初の練習試合が予定されている。ポジションの適性や打順の組み合わせなど、仁志監督も期待を抱きながらチーム作りを進めて行く。

第5回 WBSC U-12 ワールドカップ

大会概要 出場選手 放送予定

大会期間

2019年7月26日~8月4日

オープニングラウンド
7月26日(金)11:00 チェコ 0 - 21 日本
7月27日(土)15:00 日本 6 - 0 キューバ
7月28日(日)19:30 チャイニーズ・タイペイ 4 - 7 日本
7月29日(月)11:00 日本 30 - 0 フィジー
7月30日(火)15:00 日本 15 - 0 南アフリカ
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)

スーパーラウンド
8月1日(木)11:00 日本 4 - 1 ベネズエラ
8月3日(土)13:00 日本 8 - 7 韓国
8月3日(土)15:00 日本 3 - 8 メキシコ

決勝
8月4日(日)19:30 日本 0 - 4 チャイニーズ・タイペイ

開催地

台湾 台南市

参加国

グループA
日本、チャイニーズ・タイペイ、キューバ、チェコ、南アフリカ、フィジー

グループB
アメリカ、韓国、メキシコ、オーストラリア、ベネズエラ、イタリア

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