8月30日から韓国・機張(キジャン)で開催される「第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」に出場する野球日本代表「侍ジャパン」U-18代表の国内合宿最終日が27日、都内のグラウンドで行われ、練習開始前には侍ジャパントップチームの稲葉篤紀監督が激励訪問。永田裕治監督は「一戦必勝で頑張りたい」と初の世界一へ向けて「結束」を強調した。
前日にナイターで行われた大学代表との壮行試合(5対5、神宮)から一夜明けたこの日は、昼食後にバスで移動して午後から練習を開始。グラウンドに到着するや否や、稲葉監督の訪問を受け、「非常に良いチームに仕上がっている」と評価された上で、「ジャパンというチームはコミュニケーションが大事。みんなでいろんなことを話し合って、遠慮なくやることが大事になる」と代表チームの心得をアドバイスされた。
さらに稲葉監督は、U-18代表メンバー全員を前に「“1”というものを大事にしてもらいたい。ピッチャーなら1球目、バッターなら1スイング目、野手なら1歩目。この1を大事にすれば、2、3につながる。そのためには準備が大事になる」と力説。「独特の緊張感と雰囲気がある」という初戦の重要性を訴えるとともに、「全世代がみなさんのことを応援している。とにかく一番強いものを目指して、永田監督を胴上げできるように、悔いの残らないような戦いをしてもらいたい」とエールを送り、選手たち一人一人と固い握手を交わした。
選手たちはその後、リラックスした表情の中でウォーミングアップ、キャッチボールを経てフリー打撃など、軽めのメニューながら約2時間半に渡って充実した汗を流した。前日の壮行試合で先発した佐々木朗希(大船渡)は、奥川恭伸(星稜)ら他の多くの投手陣と同じくノースロー調整。前日の試合前の投球練習中に右手中指に血マメができたため、当初の2イニング予定から大事をとって1イニングで降板したことが明らかとなったが、「大したことはないと思います。無理をしないで万全の状態に持っていきたい」と話した。
この日で国内合宿は打ち上げ。22日の集合から6日が経ったのみだが、「チームの中ですごく良いコミュニケーションが取れている。日を追うごとにアップの時の声も変わってきて、元気が出てきた」と主将の坂下翔馬(智辯学園)。宿舎では選手たちが自発的にミーティングを実施するなど、練習、試合だけでなく、食事、睡眠を含めた生活を全員がともにすることでチームワークは日に日に向上し、永田裕治監督も「実りのある合宿だった。収穫はコミュニケーションを取れたこと」と手応え十分の表情。大学生相手に互角の戦いを演じたことでチームとしての戦い方にも自信が生まれた。
明日28日には決戦の地・韓国入りする予定。「20人が結束して頑張りたい。体調を整えて一戦必勝で頑張りたい」と指揮官。オープニングラウンドは、30日の初戦・スペイン戦から5試合を戦ったのち、スーパーラウンド3試合を経て、決勝戦は9月8日に行われる。狙うは世界一。侍ジャパンの誇りをかけた戦いが、いよいよ始まる。
監督・選手 コメント
永田裕治監督
「(国内合宿が)22日から始まって、期間的には非常に短いのですが、実りのある合宿だったと思います。収穫はコミュニケーションを取れたこと。20人が結束して頑張りたい。体調を整えて一戦必勝で頑張りたい」
トップチーム稲葉篤紀監督
「非常に良い体をしているなという印象を持ちました。みなさん良い顔をしていましたし、やってくれるのではないかなと感じました。(前日の壮行試合を振り返って)大学生相手にあれだけの戦いができるというのは非常にレベルの高さを感じましたし、コミュニケーションも取れていた。良いチームに仕上がっているなと感じました。当然、勝負の世界なので勝つということは第一の目標なのですが、その中で自分のレベルを知るということも非常に大事。素晴らしい選手の集まりですけど、世界と戦う上ではものすごい選手というのは必ずいる。そういう選手と対戦して、レベルアップ、成長につなげていく大会にしてもらいたい。とにかく侍ジャパンの誇りを胸に、代表選手だというものをしっかりと胸に刻んで、世界一を奪ってもらいたいと思います」
佐々木朗希(大船渡)
「最初はあまりチームワークも良くなくバラバラだったと思いますけど、チームとして徐々に一丸となってきて、良い試合ができるかなと思います。レベルの高い打者を相手に投げられたのが一番の収穫だったと思います。これから慣れないところに行くのですが、そこで自分たちの力を出し切って、必ず世界一になりたい」
奥川恭伸(星稜)
「すごく充実していた合宿でした。もちろん世界一を取るという事は難しい事は分かっているのですが、このチームで力を合わせて戦うことができれば世界一は見えてくると思う。これからもっともっとチームワークを高めて、世界一を獲りたいと思います。
第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ
大会期間
2019年8月30日~9月8日
オープニングラウンド
2019年8月30日(金)12:00 日本 4 - 2 スペイン
2019年8月31日(土)12:00 南アフリカ 0 - 19 日本
2019年9月1日(日)18:00 日本 16 - 7 アメリカ
2019年9月2日(月)18:00 チャイニーズ・タイペイ 3 - 1 日本
2019年9月3日(火)19:30 日本 5 - 1 パナマ
スーパーラウンド
2019年9月5日(木)18:00 日本 5 - 1 カナダ
2019年9月6日(金)18:00 韓国 5 - 4 日本
2019年9月7日(土)12:30 日本 1 - 4 オーストラリア
決勝・3位決定戦
2019年9月8日
開催地
韓国(機張郡)
出場する国と地域
グループA
韓国、オーストラリア、オランダ、カナダ、ニカラグア、中国
グループB
日本、アメリカ、チャイニーズ・タイペイ、パナマ、南アフリカ、スペイン