9月6日、韓国・釜山広域市機張(キジャン)郡で行われている第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップはスーパーラウンド第2戦が行われた。侍ジャパンU-18代表は延長10回タイブレークの末、韓国に4対5と逆転サヨナラ負けを喫した。
オープニングラウンドで戦ったアメリカ(勝利)、チャイニーズ・タイペイ(敗戦)との成績が持ち越されるため、これで2勝2敗。7日のスーパーラウンド最終戦を残し、アメリカとチャイニーズ・タイペイが3勝1敗で首位のため、決勝進出ができる2位以上が難しくなる結果となった。
試合の最初から最後まで流れを掴みきれないまま、各カテゴリーの国際大会で熾烈な戦いを繰り広げてきた宿敵・韓国との一戦を落とした。
最初に歯車が狂ったのは今大会初登板で先発した佐々木朗希(大船渡)の1回のみでの降板だった。前日に中継ぎ待機をして、何度も肩を作ったことで球数多くなったこともあり、26日の壮行試合で潰れた右手中指のマメが、この試合前のブルペンで悪化。初回のマウンドで出血してしまったのだという。1回はなんとか無失点に抑えたが、本来の制球や球の回転からはほど遠く、2回からは指名打者制を解除して5番・右翼手で先発出場していた西純矢(創志学園)が今大会7試合目で4度目のマウンドに上がった。
西は5回に3本の安打を浴びたが、右翼手・宮城大弥(興南)の好返球で先制を許さなかった。
6回は好投続く飯塚脩人(習志野)が三者凡退で抑えると、直後の7回表。韮澤雄也(花咲徳栄)と宮城の安打でチャンスを作ると、飯塚のところで代打・熊田任洋(東邦)が一、二塁間を破る先制タイムリーを放つ。続く水上桂(明石商)にもタイムリーが飛び出して2点目を追加した。
これで逃げ切りたかったが、今大会投手・野手双方でフル回転の4番手投手・宮城がピンチを招くと、三塁手・石川昂弥(東邦)の送球がやや中途半端なショートバウンドとなって一塁手の韮澤が捕れず。二者が返り、同点に追いつかれた。さらに9回にもサヨナラのピンチを招くが、ベンチは宮城を続投させ、左翼手に回っていた西の好返球でなんとかサヨナラ負けを回避した。
10回からは無死一、二塁から始まる延長タイブレーク。表の攻撃で武岡龍世(八戸学院光星)が長打を放って2点を奪うが、三塁を狙ってタッチアウト。2点止まりで終わると、その裏にはこの回からマウンドに上がった林優樹(近江)のバント処理での悪送球、回途中からマウンドに上がった池田陽佑(智辯和歌山)の押し出しで同点とされる。そして最後は犠牲フライを左中間深くに打たれれて試合終了。
守備のミスなどチグハグな試合展開となって優勝が遠のくこととなり、永田裕治監督は「監督の責任です。以上です」と繰り返して肩を落とした。
選手コメント
坂下翔馬(智辯学園)
「石川の活躍で勝てた試合もあるので、“まだ終わってないぞ”と伝えました。スタッフの方が夜遅くまでデータを取ってくださっているのですが、打線が繋がらない結果になってしまっています。まだ決勝に行ける可能性もありますし、日の丸を背負ってやっているので、日本らしい野球をしたいです」
武岡龍世(八戸学院光星)
「(10回のタイムリーについて)その前のセーフティースクイズを失敗しましたが気持ちを切り替えて、なんとかボールに食らいついていこうと思いました。最後の一球までどうなるか分からない試合をできたことを、今後の戦いや野球人生に生かさないといけません」
第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ
大会期間
2019年8月30日~9月8日
オープニングラウンド
2019年8月30日(金)12:00 日本 4 - 2 スペイン
2019年8月31日(土)12:00 南アフリカ 0 - 19 日本
2019年9月1日(日)18:00 日本 16 - 7 アメリカ
2019年9月2日(月)18:00 チャイニーズ・タイペイ 3 - 1 日本
2019年9月3日(火)19:30 日本 5 - 1 パナマ
スーパーラウンド
2019年9月5日(木)18:00 日本 5 - 1 カナダ
2019年9月6日(金)18:00 韓国 5 - 4 日本
2019年9月7日(土)12:30 日本 1 - 4 オーストラリア
決勝・3位決定戦
2019年9月8日
開催地
韓国(機張郡)
出場する国と地域
グループA
韓国、オーストラリア、オランダ、カナダ、ニカラグア、中国
グループB
日本、アメリカ、チャイニーズ・タイペイ、パナマ、南アフリカ、スペイン