20日、台湾・台中氏にて第29回 BFA アジア選手権の決勝戦が行われた。開幕から5戦全勝で決勝を迎えた日本は、激戦の末4対5でチャイニーズ・タイペイに敗戦。2大会連続20回目の優勝は叶わず、準優勝で幕を閉じた。
台中インターコンチネンタル野球場で行われた地元チャイニーズ・タイペイとの試合は、決勝戦にふさわしい両者譲らぬシーソーゲームとなった。
まずは初回、一死から小深田大翔(大阪ガス)がレフト前へのヒットで出塁すると、森下翔平(日立製作所)の打席ですかさず盗塁。送球が逸れ3塁まで進み、森下が犠牲フライを放ち幸先よく1点を先制した。
決勝のマウンドを託された先発の山田義貴(西部ガス)は先制点をもらった直後の2回、先頭打者に長打を浴びると、四球とヒットで一死満塁のピンチを迎える。ここで8番JHANG J.Dの打球はセンターの頭上を越え、3点を奪われ逆転を許してしまう。
今大会初めて追う展開となった日本は2回に佐藤旭(東芝)のタイムリーで1点差に迫ると、3回には無死1塁から森下が変化球を振り抜き、レフトフェンス最上部に当たるタイムリーツーベースとなり同点に追いつく。そして4回、四球と下川知弥(NTT東日本)のヒットで一死1、2塁のチャンスを作ると、小深田がライト前へ運びついに1点を勝ち越した。
3回からは前日の韓国戦で好投した阿部翔太(日本生命)がマウンドに上がり、2イニングを無失点。チャイニーズ・タイペイチームに送られる大声援の中で、堂々としたピッチングをみせる。ところが、再びリードした5回から登板した堀 誠(NTT東日本)は制球が定まらず、味方エラーと四球で二死1、2塁のピンチを背負う。ここで4番CHIANG C.Mに内角直球を痛打され、レフト線への2点タイムリーツーベースとなり再び逆転を許した。
1点を追いかける日本は6回、7回にそれぞれ得点圏に走者を進めるも、あと一本が出ない。7回途中からは2017年のU-18ワールドカップや2018年のFISU世界大学野球選手権などにも出場した最速158km/h右腕・LIU C.Jがマウンドにあがり、この日も155km/hの直球にスライダーやカーブを織り交ぜ、日本はチャンスを作れず。最後はショートゴロに打ち取られ、連覇の夢は潰えた。
なお、個人表彰では、小島康明(きらやか銀行)が最優秀防御率と最優秀投手、ベストナイン(投手)に、佐藤竜彦(Honda)が打点王とベストナイン(指名打者)に、下川知弥(NTT東日本)が最多得点にそれぞれ選出されている。
監督・選手コメント
石井章夫監督
「うまく先制ができて、追加点も狙いましたが相手左腕にうまくかわされました。試合を壊さず、最後まで戦えた。非常に内容のある試合だったと思います。台湾に来るのは1日遅れましたが、スーパーラウンドにコンディションを合わせるという目的は果たせたと思います。この決勝戦も含めて選手は躍動していましたし、コンディション面では思うようにできた大会でした」
佐藤旭(東芝)
「追いついて逆転して、粘り強さはみせられたと思います。ただこの舞台で勝てなかったというのは、まだ足りない部分があるのかなと思えた決勝でした。今回負けた悔しさをしっかりと糧にして、社会人代表が強くなれるようにしていければと思います。みなさんの応援が力になりましたし、感謝の気持ちを伝えたいです」
小島康明(きらやか銀行)
「チームの勝利に貢献できるようにやってきた結果、3つのタイトルをいただけましたのでそこはすごく嬉しく思いますが、やはり金メダルが欲しかったというのはあります。金メダルは獲れませんでしたが、みなさんの応援のおかげで頑張れました」
佐藤竜彦(Honda)
「打点王とベストナインをいただくことができて、そこは嬉しく思います。(決勝戦は)チャンスを活かせなかったのも、相手に流れを与えてしまった要因だと思います。今回は準優勝という結果に終わってしまいましたが、次こそは金メダルを獲れるように頑張りたいと思います」
下川知弥(NTT東日本)
「いい選手ばかり揃っているチームでしたので、とにかく少しでもチームに貢献しようと思い、自分のできることを精一杯頑張りました。チームでは直前合宿のときから、決勝に向けて仕上げていこうと言っていたので、チームの結束力も強くなりましたし、決勝を迎えるいい準備はできていました。準優勝という結果に終わりましたが、この結果を次につなげられるように、また日本代表として集まったときには金メダルが獲れるように頑張りたいと思います」
第29回 BFA アジア選手権
大会期間
2019年10月14日~20日
オープニングラウンド
2019年10月15日(火)19:30 チャイニーズ・タイペイ 0 - 2 日本
2019年10月16日(水)19:30 日本 15 - 0 香港
2019年10月17日(木)13:00 日本 15 - 0 スリランカ
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
2019年10月18日(金)13:00 日本 11 - 1 中国
2019年10月19日(土)13:00 日本 11 - 3 韓国
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
決勝戦
2019年10月20日(日)19:30 日本 4 - 5 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
開催地
台湾(台中)
出場国
グループA
チャイニーズ・タイペイ、日本、香港、スリランカ
グループB
韓国、中国、フィリピン、パキスタン