8月12日、東京都内のグラウンドで侍ジャパン社会人代表の強化合宿3日目が行われ、10日から続いた合宿を打ち上げた。
この日は一部投手陣の筋力測定が行われたほかは、主に自主練習となり9時頃から12時すぎまで選手たちは汗を流した。
代表合宿の自主練習ということで目立ったのは、所属先の異なる選手同士の交流だ。それぞれが技術論などを交わすなど、ともにより高いレベルを目指そうという意欲に溢れる姿が多く見られた。
最大目標はアジア大会(2022年9月に中国・杭州市で開催予定)での金メダル獲得。プロ選手が参加しパワーやスピードに優れる韓国や台湾に勝つための、個々の能力向上ときっかけ作りを目指す合宿が狙い通りに進んだことは、3日間の練習の様子や選手たちのコメントからも顕著に感じられた。
これから所属チームに戻るが、ここでの収穫を各自で生かし伸ばしていくことが、金メダル獲得への大きな鍵になることは間違いないだろう。
監督・選手コメント
石井章夫監督
「天候も良く3日間、予定通りのことが消化できました。それぞれが課題を持って取り組み、選手同士の考えの共有や刺激も受け合えたと思います。これからも集まれる機会は少ないですが、リモートでできることはしてコミュニケーションを取っていくとともに、都市対抗予選や本選で彼らのパフォーマンスを観ることを重視していきます」
堀誠(NTT東日本)
「いろんな選手と話せて、各選手の取り組みを聞けた3日間でした。前回のアジア大会はレベルの違いを感じました。(プロ選手が参加する韓国や台湾の中でも)韓国のパワーは桁違いでした。そうした相手に対して、甲元訓コーチとも“落ちる球や決め球の精度を上げないといけない”という話になったので、重点を置いてレベルアップさせていきたいです」
佐藤竜彦(Honda)
「今回もいろんなことを学べる合宿でした。メンタルトレーニング研修では、これまで深く考えていなかったことを考えるきっかけになりましたし、内川義久コーチには力みなくスイングできるよう指導してもらいました。これからも成長と失敗を繰り返しながら、自分の目指す打球に近づいていけるようにしていきたいです。前回のアジア大会はメンバー外でしたので、金メダルのメンバーの1人になれるよう頑張ります」
金子聖史(東芝)
「(昨年は代表活動ができず)顔見知りの選手でも久しぶりな感じがあり、一方でまた身が引き締まる思いでした。測定など最新のことを取り入れてくださっているので、とても勉強になりました。自分としては思ったより上半身の筋力が弱いと感じました。今日は北村祥治に守備についていろいろと教えてもらいました。アジア大会ではどんな環境でも力を発揮できるよう対策と準備をしていきたいです」
北村祥治(トヨタ自動車)
「社会人野球を代表する選手たちが集まる中で切磋琢磨して、意識の高さにいつも刺激を受けます。金子さんには送球の意識や練習方法を先輩ながら偉そうに伝えました(笑)。また、いろんな測定をすることで改善点が明確になりました。僕はフィジカルが弱点なので、体をもっとコントロールできるようになればパフォーマンスが上がるのではないかと感じました。アジア大会までの1年でしっかり作り上げていきたいです」