7月9日、メキシコ・エルモシージョで開催される「第5回 WBSC U-15 ワールドカップ」(8月26日から9月4日)へ出場する侍ジャパンU-15代表の最終トライアウトが神奈川県横浜市の三菱重工金沢総合グランドで行われた。
合計2回にわたって行われる最終トライアウトの1回目となったこの日は、北は北海道、南は沖縄から16選手が参加して行われた(2回目の16日は24選手が参加予定となっている)。
動画によるデジタルトライアウトには300人以上の応募があった。それを鹿取義隆監督ら指導陣がすべて目を通した第1次審査・選考。それをくぐり抜けた選手たちによる力試しなだけに、どの選手も自らの持ち味を遺憾なく発揮した。
まずアップやキャッチボールの後に行われたピッチングでは各投手が中学生とは思えない力強い球を投げ、中には球速140キロ・2400回転の球を投じる左腕までいた。
続いて行われた守備では各自が足取り軽く捕球しスムーズに送球に入る選手が多くレベルの高さを見せつけた。
そして最後のバッティングでも、国際大会規格の反発係数が低いバットでフェンス超えの打球や強いライナー性の打球が放たれる場面が何度もあり、俊足の選手はダイヤモンドを駆け回った。
また、大きな声を出し、積極的にコミュニケーションを図る選手も複数いるなど、個性豊かな選手たちが、20人の大会登録枠に滑り込もうと必死にアピールした。
鹿取監督は参加選手たちの動きに「緊張感ある中で高いパフォーマンスを見せてくれました」と満足し「レベルが高くて(選考に)迷っています」と嬉しい悲鳴をあげた。初めて生で観る選手も多く「(デジタルトライアウトで映像を観ていて)ピッチングはある程度想像通りでしたが、守備やバッティングでは想像を超える選手がいました」と振り返った。
2回目のトライアウトに向けては「今日を参考・基準にして来週も観ていきたいと思います」と展望を語った鹿取監督。コロナ禍の中で中断していたU-15代表の活動が3年ぶりに再開したことにも触れ「光栄ですし責任がありますね。まだこの年代の世界大会では優勝していないので、優勝目指してやっていきたいと思います」と抱負を語った。
全国から選りすぐりの中学硬式球児たちによる躍動を来週も楽しみにしたい。