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試合レポート

坂本慎太郎の6者連続三振やチーム全体の高い走塁意識で開幕2連勝を飾る

2022年8月29日

 8月29日、「第5回 WBSC U-15 ワールドカップ」(9月4日まで/メキシコ・エルモシージョ)のオープニングラウンドが行われ、侍ジャパンU-15代表は第2戦でフランスと対戦。10対0の6回コールド勝ちを決めた。

 定刻よりも約1時間遅れでプレイボールがかかった第2戦は、前日のパナマ戦以上に投打がかみ合う展開となった。

 初回に先発の坂本慎太郎(取手リトルシニア)が、三者凡退の好スタートを切り、その裏、藤田一波(取手リトルシニア)が内野安打で出塁。2つのバッテリーミスで三塁を陥れると、2死後、渡邉颯人(世田谷西リトルシニア)が放った三塁ゴロが相手の失策を誘い、先制に成功した。

 3回には、先頭の藤田の安打、坂本の四球でチャンスメイク。土屋璃空(春日部ボーイズ)の打席で、藤田が三盗を敢行すると、相手捕手の送球が大きく逸れ、一気に生還。首尾よく追加点を奪った。

 4回には、2死から1安打4四球を集めて3得点。5回には、先頭の小原健跳(高松庵治ヤングストーンズ)の両チーム通じて初の長打となるライトオーバーの三塁打を放つなど、4安打1四球で3点を追加し、フランスを大きく突き放した。

 守っては、先発の坂本が初回の2奪三振に続き、2回1死から登板ラストイニングとなった3回終了まで、6者連続三振を記録。無安打無四死球8奪三振の圧巻の投球を披露した。※3回の2つ目の三振は振り逃げとなったため、「1イニング4奪三振」を記録。

 4回から登板した柏崎陽斗(宇都宮ポニーベースボールクラブ)は、1安打こそ許したものの、2イニングを打者6人で片付ける好投。6回にマウンドを引き継いだ矢野塁(高松庵治ヤングストーンズ)も、2者連続三振を奪っての三者凡退で、坂本、柏崎に続いてスコアボードに0を刻んだ。

 投手陣の無失点リレーに応えるように、6回裏も日本打線の攻撃の手は緩まなかった。
 2安打1失策で無死満塁のチャンスを作ると、辻琉沙(滋賀野洲ボーイズ)がしぶとくセンター前に運び、1点を追加。6回表にイレギュラー気味のバウンドを軽々とさばいた守備職人が、バットでも存在感を発揮した。
 さらに、1死から宮口龍斗(伊丹ボーイズ)がレフトに犠牲フライを放ち、小原が10点目のホームイン。10対0の6回コールドが成立し、日本は前日のパナマ戦に続いて2連勝となった。

 10安打10得点の快勝となったが、強打と並んで目を引いたのが、日本の高い走塁意識だった。
 2回の辻の盗塁を皮切りに、計4盗塁。その内2つは三盗で、果敢に次の塁を狙う姿勢が目立った。3回の藤田の三盗、5回の菊池伊眞(青森山田リトルシニア)の二盗が相手捕手の悪送球を誘い、得点、チャンス拡大を生む場面もあった。それだけでなく、4回に佐藤龍月(東京城南ボーイズ)が三盗を成功させると、その後のバッテリーミスで生還するシーンもあり、足を絡めて突破口を開ける“強み”を感じさせる一戦だった。

 次戦は31日11時半(日本時間)から、オープニングラウンド第3戦をコロンビアと対戦する。

監督・選手コメント

鹿取義隆監督

「相手先発投手が186cmで腕が長くて、スライダーにちょっと手こずりましたが、投手が変わったので良かったです。ナイターで打撃練習をしていないので、対応が難しかったのかなという感じです。(投手陣は)コントロールが良く四球を心配しなくて良いところが見ていても安心できるところで、打たれても内野の守備が上手いので、そういう部分でもチームがまとまってきたなと思います」

坂本慎太郎(取手リトルシニア)

「変化球もストレートもしっかりコントロールできてベストピッチングができました。テンポを悪くするとチームにも悪い影響を与えてしまうので、テンポを意識しつつしっかり三振を取りにいけたらと思っていました。高めにボールが浮かないように、変化球で三振が取れるようにしていきたいです」

藤田一波(取手リトルシニア)

「ヒットは出ていますが、まだいい当たりのヒットが無いので満足のいくヒットを打ちたいと思います。少しポイントが前になっていると思うので、引きつけてボールの見極めをしっかりやっていきたいです。(盗塁は)モーションが日本の投手と違って大きいので積極的に次の塁を狙っていくことができました」

柏崎陽斗(宇都宮ポニーベースボールクラブ)

「ブルペンで投げたときにストレートが少し抜けていたのでどうかなと思ったのですが、なんとか修正できて抑えられたので良かったです。2イニング目は、いい打者から見逃し三振を取れて嬉しかったです。(タイムリーは)左投手なので苦手だったんですが、身体を残して打てたので良かったです」

第5回 WBSC U-15 ワールドカップ

大会概要 出場選手

大会期間

2022年8月26日~9月4日

オープニングラウンド
8月28日(日)11:30 日本 4 - 0 パナマ
8月29日(月)11:30 日本 10 - 0 フランス
8月31日(水)11:30 コロンビア 4 - 7 日本

スーパーラウンド
9月1日(木)11:30 日本 12 - 6 アメリカ
9月2日(金)11:30 日本 4 - 6 チャイニーズ・タイペイ
9月3日(土)11:30 日本 0 - 7 キューバ
9月4日(日)7:00 日本 9 - 1 プエルトリコ

3位決定戦
9月5日(月)3:00 チャイニーズ・タイペイ 7 - 0 日本

※開始時刻は日本時間(メキシコ:時差-16時間)

開催地

メキシコ(エルモシージョ)

出場する国と地域

グループA
メキシコ、チャイニーズ・タイペイ、キューバ、チェコ
グループB
パナマ、日本、コロンビア、フランス
グループC
アメリカ、南アフリカ、ベネズエラ、プエルトリコ、グアム

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