10月21日、「第4回 WBSC U-23ワールドカップ」(開催地・台湾)のスーパーラウンド第2戦が台北市の天母野球場で行われ、侍ジャパンU-23代表は韓国に2対1で勝利し、決勝進出に向けて大きな白星を勝ち取った。






この日の対戦相手である韓国は今大会無敗の6連勝を果たしていた相手だったが、要所でことごとく踏ん張った。
先発のマウンドに上がったのはコロンビア戦に続く先発となった藤村哲之(東芝)。「今日は、決勝進出に向けて負けられないという気合いが良い結果に繋がりました」と、3回まで無安打という完璧な投球を見せる。
打線は3回まで走塁死やチャンスでの凡退で先制の機会を逸していたが、4回に嫌な展開を打破した。
2死から9番でスタメンに起用された平野友都(西部ガス)が二塁打を放ってチャンスを作ると、1番に帰り中川拓紀(Honda鈴鹿)。過去2打席はともにセカンドゴロに倒れていただけに「ボールの内側を叩く意識で打ちました」とライト前に運び、平野が生還。石井章夫監督が試合後「修正力が素晴らしい」と称賛した一打で先制に成功した。
4回裏に藤村は同じように2死から二塁打でピンチを招くが「(緊張感の凄まじい)都市対抗予選をイメージして投げたので焦りませんでした」とキャッチャーフライに抑えてピンチを脱した。
そして続く5回表に4番・猪原隆雅(ミキハウス)、5番・大西蓮(JR東日本東北)の連打でチャンスを作ると、過去2打席で凡退していた主将の中村迅(NTT東日本)がライト線へ二塁打を放って追加点を挙げた。







5回と6回は今大会安定した投球を見せている柳橋巧人(JR東海)と澤柳亮太郎(ロキテクノ富山)がともに1イニングを三者凡退に抑えて最終回に繋いだ。
最終回のマウンドはこの日も守護神の権田琉成(TDK)。これで勝利は安泰かと思われたが今大会6試合目の登板となる権田がこの日は乱調。連続四死球やボークでピンチを招いた。
しかしここからが権田の真骨頂だった。怯むことなく持ち味であるキレの良いストレートを中心とした投球で真っ向勝負を続け、外野に打球を飛ばさせず。内野安打で1点こそ返されたものの、三振とショートフライに後続を抑えて試合終了。決勝進出に向けて負けられない一戦を見事にモノにした。
これでスーパーラウンドの成績を3勝1敗(オープニングラウンドの1勝1敗を持ち越し)とした。複数チームが1敗で並ぶ可能性があり、その際は得失点率で順位を決めることになり、まだまだ予断は許さないが、第1回大会以来の優勝に向けて大きな1勝となったことは間違いない。次戦は日本時間22日14時からメキシコと対戦する。
監督・選手コメント
石井章夫監督
「得点は2点でしたが内容は良かったですし、積極性が生まれていると思います。藤村はすごく落ち着いていましたね。4回までよく投げてくれました。権田もこういう緊迫した場面で勝ちきることが成長に繋がります。力でねじ伏せて、見応えのある試合をしてくれました」
藤村哲之(東芝)
「石井監督から“後ろのことは考えなくていい”と言われていたので、3回をメドに一人ひとり全力で投げました。まずは明日やるべきことをやりたいです。投げるなら悔いのないように、投げないなら良いサポートをしていきたいです」
中川拓紀(Honda鈴鹿)
「2アウトから平野さんがチャンスを作ってくれたので、なんとしてでも平野さんを還そうと思い打席に入りました。初めての国際大会で試合を重ねて、これまでよりも修正力が出てきました。明日の試合に勝って決勝に行けるように頑張ります」
中村迅(NTT東日本)
「世界一に向けて負けられない試合だったので勝てて良かったです。スタメン起用に結果で恩返しができるようにと思っていました。ずっとチャンスで回してもらっていたので、自分を信じて打ちました。今日の一戦を勝てたことで、さらに結束は強まったと思います。まずは明日勝てるように準備していきます」
第4回 WBSC U-23ワールドカップ
大会期間
2022年10月13日~10月23日
オープニングラウンド
10月14日(金)18:00 ドイツ 0 - 6 日本
10月15日(土)15:30 ベネズエラ 2 - 5 日本
10月16日(日)20:00 日本 1 - 3 チャイニーズ・タイペイ
10月17日(月)15:30 日本 4 - 1 コロンビア
10月18日(火)15:30 南アフリカ 0 - 9 日本
スーパーラウンド
10月20日(木)15:30 日本 2 - 1 オーストラリア
10月21日(金)15:30 韓国 1 - 2 日本
10月22日(土)14:00 日本 4 - 2 メキシコ
決勝
10月23日(日)20:00 日本 3 - 0 韓国
※開始時刻は日本時間(台北:時差-1時間)
開催地
台湾(台北)
出場する国と地域
グループA
日本、チャイニーズ・タイペイ、コロンビア、ドイツ、南アフリカ、ベネズエラ
グループB
オーストラリア、キューバ、メキシコ、オランダ、プエルトリコ、韓国