8月24日、「第11回 BFA U15アジア選手権」(中国・山東省威海市/8月26日まで)のスーパーラウンド第1戦が威海野球場のメインスタジアムで行われた。オープニングラウンドを3戦全勝の1位で通過した侍ジャパンU-15代表は、グループBを1位通過したチャイニーズ・タイペイと対戦。終盤までもつれる激戦を制し5対6で勝利した。
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
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
昨年のU-15ワールドカップで日本を上回る3位の成績を残したチャイニーズ・タイペイと、両者譲らぬ熱戦を繰り広げた。
初回、大棒琉雅(東北楽天リトルシニア)の内野ゴロがエラーとなり1死二塁のチャンスを作ると、扇大和(東北楽天リトルシニア)がセンターへタイムリーを放ち幸先良く先制。しかしその裏、先発の大城諄來(浦添ボーイズ)が先頭打者に四球を与えると、犠打と暴投で1死三塁となり、内野ゴロの間にホーム生還を許し同点に追いつかれる。さらに2回には2本のヒットと犠打で1死二、三塁のピンチを招くと、暴投と犠飛で2点の勝ち越しを許した。
2点を追いかける侍ジャパンU-15代表は3回、先頭の松本悠嗣(東北楽天リトルシニア)がヒットで出塁し、池田聖摩(熊本中央ボーイズ)の四球と大棒琉雅(東北楽天リトルシニア)の内野安打で無死満塁のチャンスを作ると、扇の内野ゴロをショートが悪送球し二塁走者も還り同点に。さらに辻竜乃介(ヤング神戸須磨クラブ)のヒット、市村心(狭山西武ボーイズ)の犠牲フライで1点を勝ち越した。
ところがこの回からマウンドに上がった2番手の東濱成和(沖縄県宜野湾ポニーズ)の制球が定まらず、2者連続の四球と死球で無死満塁のピンチを背負う。ここで侍ジャパンU-15代表は3番手のマウンドに萩野瑠海(ヤンキース岡山young)を送るもヒットを浴び今度はチャイニーズ・タイペイが逆転する展開となった。なおもピンチが続く中、1死二、三塁から村雲脩吾(京都嵯峨野ボーイズ)がキャッチャー前のゴロを素早い送球で刺し、さらに一塁もアウトに仕留め見事に流れを渡さなかった。
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
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

その後は両チーム得点できない時間が続く中、6回に2死から藤田蒼海(関メディベースボール学院ポニー)がヒットで出塁し、相手暴投と村雲の内野安打で一、三塁のチャンスを作ると、松本が「前の打者がチャンスを作ってくれたので走者を還したい一心でした」と右中間を破るタイムリー二塁打を放ち再び逆転に成功。ベンチ内もこの日一番の盛り上がりを見せ、逆転打を放った松本を称えた。
このまま逃げ切りたい侍ジャパンU-15代表は、6回のマウンドに吾郷優真(橿原ボーイズ)を送ると、危なげない投球で無失点に抑える。ところが最終回に先頭打者に死球を与えると、内野安打を許し無死一、二塁に。このピンチで逆転打を放った松本がマウンドに上がると、キャッチャー前のゴロを「1つでも多くアウトが欲しかったし、攻めるプレーも大切かなと思います。投げられる自信があったのでしっかりと送球できました」と再び村雲が素早い送球で刺し併殺打に。最後の打者もゴロに仕留め、侍ジャパンU-15代表が接戦を制した。
オープニングラウンド同組だった中国との対戦成績が持ち越されるため、この日の勝利で日本はスーパーラウンドの成績を2勝0敗にした。次戦は日本時間25日15時から韓国と対戦。今山和之監督は韓国について「走者も動いてくるし、積極的にエンドランも仕掛けるイメージ」と警戒するも、「今まで通り攻めの一手で決勝に進みたい」と4連勝中の勢いそのままに攻めの姿勢を貫く構えだ。
監督・選手コメント
今山和之監督
「勝ち方に関してはこだわらず何が何でも勝利するということが大前提なので、よかったです。三者凡退が無く走者を背負う状況が続いた中で、流れは良くなかったのですがそれも想定内でした。(萩野の投球に関して)最少失点であの場面を凌いでもらったのでナイスリリーフですね。(キャッチャーゴロは)グラウンドの特性上、打球が転がりにくいということは事前に捕手にも伝えていましたので、一歩早く動き出せて併殺に繋がりました」
松本悠嗣(東北楽天リトルシニア)
「(逆転打は)捉えられていたので、越えてくれと願っていました。うれしかったです、最高でした。(7回の登板は)伊藤翔大コーチから"もしピンチになったら行くぞ"と言われていたので心の準備はしていました。かなり緊張しましたが、厳しい展開だったのでここで終わらせたいと思っていました。(明日の韓国戦は)今日のように厳しい試合になると思いますが、またチーム一丸となってしっかり勝って決勝に行きたいと思います」
萩野瑠海(ヤンキース岡山young)
「満塁のピンチはあまり緊張せず、最少失点で抑えようという気持ちでマウンドに上がりました。チャイニーズ・タイペイの打線は空振りを全く取れなくて、三振を奪えない中でどう対戦していくのかが難しかったです。バックを信頼していて、打たせれば勝ちだと思っているのでそういった面でもリラックスして投げられました。今日の投球は自分の中でも高得点で、ピンチの中でも気負うことなく悪い部分も出なかったのでかなりいい投球だったと思います。(次回登板は)3連覇が懸かっているのでしっかり抑えたいです」
第11回 BFA U15アジア選手権
大会期間
2023年8月20日~8月26日
オープニングラウンド
8月20日(日)15:00 香港 1 - 21 日本
8月21日(月)19:00 日本(雨天中止)中国
8月22日(火)15:00 日本 15 - 0 パキスタン
8月23日(水)19:00 日本 3 - 0 中国
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
スーパーラウンド
8月24日(木)15:00 チャイニーズ・タイペイ 5 - 6 日本
8月25日(金)15:00 日本 5 - 1 韓国
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
決勝
8月26日(土)19:00 日本 4 - 6 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
開催地
中国(威海市)