9月25日、第19回 アジア競技大会(野球競技は10月1日から7日/中国・杭州)に出場する侍ジャパン社会人代表の直前合宿が埼玉県の浦和ボールパークで始まった。
まずは練習を前に選手・スタッフ全員でミーティングが行われた。その際に加藤徹コーチは「石井章夫監督が就任して以降“日本の野球の変化”を目指しています。力負けすることなくガチンコで、細かい野球では無く世界に通用する野球をやっていきたいと考えています。皆さんもぜひそこにチャレンジして欲しいです」と理念をあらためて確認。また、投手陣を担当する甲元訓コーチは「コミュニケーションを取りながら理解しあって、個々のパフォーマンスを最大限に発揮してもらえればと思います」と選手たちに求めた。
これまで代表合宿を多く重ねてきた選手や、同じスタッフ陣と昨年の「第4回 WBSC U-23ワールドカップ」を戦い優勝した若手選手による構成のため、練習では今回も選手各々に調整が任される中で、各自が目的意識を持った集中力の高い練習が2時間ほど行われた。
石井監督は選手たちの姿を見て「選手たちの元気な姿を見られて安心しています。日本選手権の予選も先日まであったので疲労感やコンディションを確認しました」と初日を振り返った。アジア競技大会に向けては「もちろん金メダルが目標ですが、野球というスポーツを通しての交流やチャレンジをしていきたいです」と抱負を語った。
また、この日はMLBで通算388試合に登板した田澤純一(ENEOS)もブルペン入りし捕手を座らせて投球。右肩の違和感を長らく抱えていたため「本当に久々だったので、傾斜を確認しながら、投げたいところに投げられるようにと投げました。まだまだでしたが、良い状態に持っていけるよう準備をして一球一球一生懸命に投げて勝利に貢献したいです」と意気込んだ。
石井監督も田澤については「彼のアスリートとして積み上げたものがありますので、コンディションを見ながらになりますが、間に合えば彼の役割を果たしてくれるのではないかと思います」と期待。豊富な経験の持ち主ではあるが「年長者だからということは関係なく、投手として期待しています」と、あくまでプレー以外の役割については過度に求めていないことを明かし、田澤も「邪魔をしないように、聞かれたことに対して、しっかり答えるようにしています」と、自然体で選手たちとコミュニケーションを取っているようだ。
直前合宿2日目となる26日は正午から日本通運との対戦が浦和ボールパークで予定されており、石井監督は「投手も野手もコンディションや各々の課題を確認して、明日もまたチャレンジする1日にしたいです」と語った。
金メダル獲得と新たな日本野球のスタイルを見せようとする大きな挑戦に向けて、チームは日々進化を目指す。
選手コメント
田澤純一(ENEOS)
「(社会人代表は)見たことのない自由な環境だと思っています。自由だからこそ各々で合わせていくことが大切です。石井監督にお誘いをいただいたことに感謝していますし、やったことの無い野球観が、アメリカの野球観ともまた違って面白そうだと思っているので、そこに貢献していきたいです。(アジア競技大会は初出場)中国に行くのも初めてでもありますし、楽しみでもあり不安でもあります」
丸山壮史(ENEOS)
「攻守ともに良い感覚でできています。良い緊張感の中で侍ジャパンのユニホームを着て戦えることを幸せに感じながら頑張りたいです。(昨年U-23ワールドカップを経験し)スタッフが一緒なのでやりやすいですし、求められていることが分かりやすいので、自分の強みを出していこうと思います」
第19回 アジア競技大会
大会期間
2023年10月1日~10月7日
セカンドステージ(グループA)
10月1日(日)13:00 フィリピン 0 - 6 日本
10月2日(月)19:30 日本 18 - 0 ラオス
10月3日(火)19:30 日本 0 - 1 中国
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
スーパーラウンド
10月5日(木)13:00 韓国 2 - 0 日本
10月6日(金)19:30 チャイニーズ・タイペイ 0 - 2 日本
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
3位決定戦
10月7日(土)13:00 中国 3 - 4 日本
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
開催地
中国(杭州)
出場する国と地域
日本、韓国、チャイニーズ・タイペイ、中国、フィリピン、
香港、タイ、シンガポール、ラオス