「アジア版オリンピック」とも言われるアジア競技大会(アジア大会)、19回目となる今回は中国・杭州で開催。野球競技は杭州の南東約50kmにある紹興市・紹興野球ソフトボールスポーツ文化センター内の2球場で行われている。
前回大会(2018年ジャカルタ)銀メダルの侍ジャパン社会人代表。セカンドステージから参加の日本は初陣となるフィリピン戦を迎えた。前日の雨雲が姿を消し心地よい風が吹く秋晴れの空の下、試合は日本時間13時開始のデーゲームで行われた。
10安打6得点 無失点リレーで快勝
試合は1回表に3点を挙げた日本が、そのままリードを守って6対0で勝利。初陣を飾った。
先制点は相手先発投手の4四球による押し出しでの1点。さらに2死満塁で7番下川知弥(NTT東日本)の二遊間を抜くヒットで二者が還った。
日本打線は5、7、8回に1点ずつを追加。5回は6番笹川晃平(東京ガス)のセンターへのヒット、7回は5番丸山壮史(ENEOS)のファースト強襲の内野安打。いずれも2死からのタイムリーで得点を重ねていった。
8回の1点はヒット2本と四球で作った無死満塁のチャンスで、1番中川拓紀(Honda鈴鹿)が四球を選び、押し出しで6点目の走者を迎え入れた。
投げては先発・堀誠(NTT東日本)が立ち上がりから安定感抜群の投球を見せた。1、2回とフィリピン打線を三者凡退に抑え、3回を投げて1安打無失点。3連続を含む6つの三振を奪った。
2番手の加藤三範(ENEOS)は2回を投げ、2奪三振。二者を出すも併殺でイニングを締めた。3番手の嘉陽宗一郎(トヨタ自動車)は1回を投げて無安打2三振。7~9回の3イニングは片山雄貴(Honda熊本)が打者9人をパーフェクトに抑えてゲームを締めくくった。
試合後、石井章夫監督は「初戦ということで選手に硬さがあったけど勝って良かったです。みんなテーマを持っている中で練習通りのプレーができていました。フィリピンはいい投手が多く、みんな考えて投げてきていたので刺激になりました」と振り返った。
投打ともに対応力の高さを発揮
球場は昨年完成の新しい施設。優れた環境だがマウンドが高く、土が硬いことが日本の球場とは違っていた。しかし先発投手の堀は「練習の時は(マウンドが)高いと感じて、ボールが上ずるかなと思いましたが、試合では普通に投げられました」と振り返った。堀は投球全体について「初戦の先発として3回まででしたが、しっかりゲームメイクできて良かったです」と話した。
打線では7番の下川がチーム唯一の3安打。笹川と並んで2打点を挙げた。下川はフィリピンの投手に対し、1打席目の途中から打席内の立ち位置を若干前に変えた。「普段対戦している投手より、少し(球速が)遅めで緩急が強めだったので、少し前に立ちました。国際大会ではいつもと同じ戦い方とは違う対応が必要になります」と話した。
フィリピンの4番は日本生まれ日本育ち
敗れたフィリピンの4番は武相高校出身でBCリーグ・神奈川所属のカレオン・ジョニル・マラリ。対戦した堀は「事前に注意するバッターだと聞いていたので、配球の面でインコースをしっかり使ってマークしていきました」と振り返った。
一方のカレオンは「やっぱり日本は強いです。社会人のピッチャーは切れが違います」と話した。
初戦を勝利で飾った侍ジャパン社会人代表。次の試合はファーストステージを2位で勝ち上がったラオスと対戦する。2日19時30分(現地時間18時30分)から行われる。
第19回 アジア競技大会
大会期間
2023年10月1日~10月7日
セカンドステージ(グループA)
10月1日(日)13:00 フィリピン 0 - 6 日本
10月2日(月)19:30 日本 18 - 0 ラオス
10月3日(火)19:30 日本 0 - 1 中国
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
スーパーラウンド
10月5日(木)13:00 韓国 2 - 0 日本
10月6日(金)19:30 チャイニーズ・タイペイ 0 - 2 日本
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
3位決定戦
10月7日(土)13:00 中国 3 - 4 日本
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
開催地
中国(杭州)
出場する国と地域
日本、韓国、チャイニーズ・タイペイ、中国、フィリピン、
香港、タイ、シンガポール、ラオス