12月3日、「第30回 BFA アジア選手権」(12月10日まで台湾・台北、台中)が開幕。初戦を翌日に控えた侍ジャパン社会人代表は会場となる台北ドームで公式練習を行い、開会式にも参加した。
3日夜のチャイニーズ・タイペイ対韓国の開幕戦がこけら落としとなった台北ドーム。野球開催時の最大収容人数が4万71人となる台湾最大の野球場となり、両翼102メートル中堅・120メートルというフィールドの大きさや天井の高さもさることながら、ロッカールームなども豪華な作りで、選手たちは士気をより上げて、新球場のグラウンドコンディションを確認した。
練習前にコーチや選手たちは、席の配色(白を中心としながらもグレーの席も混ざる)が白球と同化して打球が見えにくくなるのではないかの懸念していた。外野手の逢澤崚介(トヨタ自動車)や平野友都(西部ガス)によると「打った瞬間が少し見えにくいです」と率直に話したが、大きな問題は無いようで、それよりも芝が新しいため立っていて、深いので打球の勢いが止まりやすいと両選手とも指摘。そのため、川口朋保監督は「外野手にはゴロで飛んだ場合には(前に出て)しっかりチャージすることや、内野手は一歩目で前に出ていくように伝えました」と話した。
加えて逢澤はバウンドによる送球の勢いも削がれるため「(社会人野球で使用する)東京ドームや京セラドーム大阪よりも深く投げることを意識したいです」と対策を語った。
投手陣は各自で調整。初戦となる4日のパキスタン戦(日本時間19時30分試合開始予定)に先発登板する加藤三範(ENEOS)は「新しくて綺麗なすごく良い球場でやるので感謝の気持ちを持ってプレーしたいです」と謙虚に語った。マウンドについては「硬いと思っていたのですが日本より柔らかいですね。投げにくさは感じなかったので大丈夫だと思います」と印象を語り、「川口監督から“勢いをつけてくれ”と言われているので、与えられた役割をしっかり全うしたいです」と意気込んだ。
地元のチャイニーズ・タイペイは国内トップ選手やマイナーリーガーらプロ19選手を擁する強力布陣、韓国は若手プロ選手と大学生の混成チームと、特にこの両国との対戦は激戦が予想される。そこを勝ち抜き2017年の第28回大会以来となる20回目の優勝を果たすためにも、まずはオープニングラウンドを良い試合内容で戦い、終盤に向けて弾みをつけたいところだ。
監督・選手コメント
川口朋保監督
「天井が高くて非常に良い球場だなと思いました。選手たちも芝の長さや土の硬さを確認できて良い時間を過ごせました。(開幕投手を加藤にした理由)前向きにアグレッシブに投げる投手ですので気持ちのこもった投球ができますし、経験値もある投手なので決めました。(開幕戦は)対戦相手がどこであれ緊張すると思いますが、自分の力を信じて戦って欲しいです」
矢野幸耶(三菱重工East)
「ロッカールームを見たり球場の中に入ったりして気持ちが上がったので、落ち着かせながら試合の想像をするようにしました。打球の勢いが結構死ぬので、みんなと共有しながら良い方法を考えていきたいです。最年長ですが体もまだまだ動くので盛り上げていきたいですし、高い出塁率でかき回していきたいです」
第30回 BFA アジア選手権
大会期間
2023年12月3日~12月10日
オープニングラウンド(グループB)
12月4日(月)19:30 日本 14 - 0 パキスタン
12月5日(火)19:30 タイ 0 - 16 日本
12月6日(水)19:30 日本 9 - 1 フィリピン
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
12月8日(金)19:30 チャイニーズ・タイペイ 0 - 1 日本
12月9日(土)13:30 日本 5 - 2 韓国
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
決勝
12月10日(日)19:30 日本 1 - 0 チャイニーズ・タイペイ
開催地
台湾(台北・台中)
出場する国と地域
グループA
チャイニーズ・タイペイ、韓国、香港、パレスチナ
グループB
日本、フィリピン、パキスタン、タイ