7月2日、「第43回 プラハベースボールウィーク」(チェコ・プラハで7月6日から9日)と「第31回 ハーレムベースボールウィーク」(オランダ・ハーレムで7月12日から19日)に出場する侍ジャパン大学代表の直前合宿4日目が神奈川県平塚市のバッティングパレス相石スタジアムひらつかで行われた。
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練習試合の前に、侍ジャパントップチームを率いる井端弘和監督が視察に訪れ、大学代表の堀井哲也監督ら首脳陣や、3月の強化試合に招集した中村優斗(愛知工業大)、西川史礁(青山学院大)と会話を交わし、選手全員には「侍ジャパンである以上は勝ち続けないといけない」「大学代表にとどまらずトップチームを目指して欲しい」などとエールを送った。
前日に続いて行われた侍ジャパンU-23代表候補との9イニング制の練習試合(加えて延長タイブレーク練習1イニング)では、井端監督から「野球をよく分かっている」と高く評価された勝田成(近畿大)が攻守において大きな存在感を放った。
第1打席でレフト前安打を放つと、第2打席にはライト前にタイムリーを放った。4回には二遊間を抜けようとする打球に反応してダイビングキャッチすると、グラブトスで遊撃手に送球する好守を見せて、スタンドとベンチを沸かせた。
打撃は前日に高橋由伸臨時コーチにコンタクトや重心の置き方を教わり、さっそく実践し結果を出した。守備は「目の前の打者だけでなく、次の打者のスイングやタイミングの取り方も観て打球をイメージしている」といい、その準備と反応の良さが生んだ好守だったと振り返った。
今回の代表で最小兵の身長163センチだが「“小さいから侍ジャパンに入れない、プロになれない”と言うのは言い訳。小さい選手に夢を与える存在になりたい。ここはスタートライン」と、きっぱり言い切るように、その飽くなき向上心と躍動はチームに好影響を与えそうだ。
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
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
投手陣は、先発の寺西成騎(日本体育大)が村上裕一郎(ENEOS)に2ラン本塁打を浴びて先制を許したが、2回は持ち直して無失点に抑えると、伊藤樹(早稲田大)も3回を無安打で抑えた。4回には外丸東眞(慶應義塾大)が2点を失うも5回は無失点に抑えると、6回から9回は市川祐(日本大)と渡邉一生(仙台大)が2イニングずつを無失点に抑えた。無死一、二塁から再開する延長タイブレーク練習では中村優斗(愛知工業大)がリードを守れず。打線も9安打を放ちながらも、10イニングで勝田のタイムリーと相手野選のみの2点に終わった(9回まで1対4、延長タイブレークを含めて2対6)。
一方で堀井監督が試合後の出場記者会見で「いろんな局面が出て、お互いを知る良い4日間になっている」と話すように、貴重な実戦機会で収穫と課題の双方を得た。また、攻守で大きな存在を放った勝田については「当初のイメージよりも評価の上がっている選手。なんでもやってくれて、プレーの安定感もある」と称賛した。
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選考合宿最終日となる7月3日は、9時からバッティングパレス相石スタジアムひらつかで練習を行い、午前中で打ち上げる予定となっている。この日も西川が堀井監督からの個別指導や最後まで居残り練習を行うなどしており、各選手が自覚を持って、大会本番に向けて調整を進めている。
選手コメント
印出太一(早稲田大)※主将
「様々な形や場面でコミュニケーションが取れています。組織として強いチームにしていくのが自分の役割だと思います。(高橋由伸臨時コーチからは)一流選手の考え方を学ぶことができました。(欧州遠征に向けて)ハーレムの準決勝・決勝にピークを持っていけるようにしていきたいです」
中村優斗(愛知工業大)
「(欧州代表と3月の強化試合で対戦し)欧州の選手たちは個性があって元気なイメージなので、そこに負けないように投げていきたいです。自覚と責任を持って任された役割を思いきりまっとうしたいです。(井端監督には)“ずっとスピードが出続けていて凄い”と言ってくださって嬉しかったです」
西川史礁(青山学院大)
「(欧州遠征では)どこが相手でも1試合ずつ大切に戦っていきたいです。自分の役割を果たせるよう準備していきたいです。(井端監督との会話では)打撃について、いろいろと聞かせていただきました」
第31回 ハーレムベースボールウィーク
大会期間
2024年7月12日~7月19日
オープニングラウンド
2024年7月12日(金)22:30 チャイニーズ・タイペイ(雨天順延)日本
2024年7月13日(土)23:15 アメリカ 5 - 9 日本
2024年7月15日(月)2:30 日本 5 - 4 スペイン
2024年7月15日(月)18:30 チャイニーズ・タイペイ 0 - 2 日本
2024年7月16日(火)22:30 イタリア 2 - 8 日本
2024年7月18日(木)2:30 日本 5 - 1 オランダ
※開始時刻は日本時間(オランダ:時差-7時間)
準決勝
2024年7月18日(木)22:30 日本 8 - 0 チャイニーズ・タイペイ
2024年7月19日(金)2:30 オランダ 1 - 2 アメリカ
※開始時刻は日本時間(オランダ:時差-7時間)
決勝
2024年7月20日(土)2:30 日本 10 - 4 アメリカ
※開始時刻は日本時間(オランダ:時差-7時間)
開催地
オランダ(ハーレム)
出場する国と地域
日本、アメリカ、チャイニーズ・タイペイ、オランダ、イタリア、スペイン
第43回 プラハベースボールウィーク
大会期間
2024年7月6日~7月9日
グループA
2024年7月6日(土)21:30 ドイツ 3 - 7 日本
2024年7月7日(日)21:30 日本 3 - 2 チャイニーズ・タイペイ
2024年7月9日(火)2:00 日本 9 - 3 チェコ
※開始時刻は日本時間(チェコ:時差-7時間)
決勝
2024年7月10日(水)2:00 日本 5 - 3 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(チェコ:時差-7時間)
開催地
チェコ(プラハ)
出場する国と地域
グループA
日本、チャイニーズ・タイペイ、チェコ、ドイツ
グループB
オーストリア、ギリシャ、ハンガリー、スロバキア、リトアニア