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世界野球WBSCプレミア12特集 「侍ジャパンを迎え撃つ強者たち~チャイニーズ タイペイ」

2015年10月15日

 昨年まで福岡ソフトバンクの投手コーチで、今季はCPBL(中華職棒)統一セブンイレブンでヘッド兼投手コーチを務める郭泰源が率いるチームは、投打にバランスがよく、安定感のある戦いを見せてくれそうな陣容だ。

 投手陣では、日本で活躍する陳冠宇(千葉ロッテ)と郭俊麟(埼玉西武)が先発として左右の両輪になるか。2010年以降は2ケタ勝利がないとはいえ、台湾を代表する右腕の潘威倫(統一セブンイレブン)、2009年からデトロイト・タイガースなどでプレーし、今夏に義大へ復帰した左腕・倪福德と二枚のベテランも先発候補だ。
 重量感あるストレートが魅力の王鏡銘(統一セブンイレブン)は、先発に加えてロングリリーフもこなせる。また、国際大会では先発が7回以上を投げる展開は少ないため、羅國華(ミネソタ・ツインズA級)をはじめ、Lamigoの中継ぎコンビ陳禹勲と林柏佑、ストッパー候補の陳鴻文(中信兄弟)や羅嘉仁(義大)と、あらゆる局面に対応できるリリーバーを揃えている。
 ただし、全員が右腕ゆえ、サウスポーは若手の成長株を抜擢した。昨年の21Uワールドカップ、今夏のユニバーシアードで世界一に輝き、6月のドラフトで統一セブンイレブンから1位指名された林子崴、強豪・台湾体育運動大の19歳で、9月のアジア野球選手権でも好投した呂彦青だ。統一セブンイレブンから2位指名されたものの、入団を拒否して東北楽天と育成契約したパワー・ピッチャーの宋家豪が、どんな場面で起用されるかにも注目したい。

 バラエティに富んだ投手陣をリードするのは、パンチ力あふれるバッティングでも実績を残す林泓育(Lamigo)。守り勝ちたい場面では、国際大会の経験が豊富な高志綱(統一セブンイレブン)がマスクを被るだろう。また、ピッツバーグ・パイレーツA級でスキルアップしている左打者の張進徳は、代打での起用もありそうだ。
 7名の内野手は全員CPBLに所属しているが、シアトル・マリナーズ傘下を振り出しに7年間プレーした陳鏞基(統一セブンイレブン)ら4名はアメリカで鍛えられており、国際大会への対応力も抜群である。7月に通算1000安打をクリアした左のスラッガー・林益全(義大)、昨年のアジア競技大会や小久保裕紀監督の船出となったBASEBALL CHALLENGE 2013でも四番に座った右の大砲・陳俊秀(Lamigo)が打線の軸。昨秋、千葉ロッテのキャンプに参加した林智勝(Lamigo)はショートを中心にオールラウンダーで守りの要となる。昨年のアジア競技大会準決勝でレフトへ3ラン本塁打を放った郭嚴文(Lamigo)は粘り強い打撃、林志祥(統一)は鉄壁の二塁守備が持ち味。今季は高知ファイティングドックスでプレーし、6月にドラフト1位指名で中信兄弟へ入団した蔣智賢は外野もこなす。

 陽岱鋼(北海道日本ハム)がリーダーシップをとる外野手は、シアトル・マリナーズ傘下でもプレーした高國輝(義大)がCPBL新記録のシーズン34本塁打をマークし、記録を39本まで伸ばした。張建銘(義大)は左右に打ち分けるバットコントロールで魅せる。張志豪(中信兄弟)は打球判断に優れており、守備固めや代走でも存在感を発揮するはずだ。6月のドラフトでLamigoから1位指名された王柏融は、文化大時代から何度も国際大会を経験している。たとえ劣勢の展開でも、ホームの大声援を受けて猛反撃に転じるのがチャイニーズ・タイペイの大きな特長。多くのファンとともに東京ドームへ乗り込みたい。

 ちなみに、日本が本格的に国際大会へ出場した1972年以降、チャイニーズ・タイペイとの対戦成績は通算55勝33敗2引き分け。日本がプロ選手を含んだ場合は10勝3敗である。

世界野球WBSCプレミア12特集 侍ジャパンを迎え撃つ強者たち

※カッコ内の順位はWBSC世界野球ランキング

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世界野球WBSCプレミア12

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