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侍ジャパントップチーム小久保代表監督、今後のチーム作りを見据えたキャンプ視察もいよいよ終盤

2016年2月8日

 3月5日(土)にナゴヤドーム、6日(日)に京セラドーム大阪でチャイニーズ・タイペイ代表との強化試合を控える侍ジャパントップチーム。2月1日から小久保裕紀代表監督は強化試合選手招集を前に各球団の選手の状態を確認するため、今季はアメリカ・アリゾナ州でのキャンプインとなった北海道日本ハムファイターズを除く、NPB11球団の国内キャンプを視察している。
 初日の福岡ソフトバンクホークス、オリックス・バファローズを皮切りに、これまで10球団を訪問した小久保監督。2月6日には、沖縄県内でキャンプを張る阪神タイガースと横浜DeNAベイスターズを訪問、7日には沖縄県久米島でキャンプを張る東北楽天ゴールデンイーグルスを訪問した。

 6日午前中は阪神タイガースのキャンプ地・宜野座村野球場を訪問。金本知憲新監督の熱烈な歓迎を受けた後、さっそく打撃練習が行われているメイン球場へ。WBC出場経験を持つ西岡剛選手、鳥谷敬選手を激励しつつ、チェックポイントの1つとしている右打ちの外野手である若手有望株・江越大賀選手の打撃練習もじっくりと視察し、「レギュラーを取ることが侍ジャパン入りの前提にはなるが、取れるチャンスだと思うし、飛距離はいいものを持っている」と期待を寄せた。
 続いてのブルペンでは、チェックポイントの1つとしている左投手を中心に視察。実績十分の能見篤史投手、岩田稔投手に注目しつつ、MLBから四国アイランドリーグplusを経由して今季、4年ぶりに復帰した藤川球児投手の好調ぶりにも高い関心を示した。
 なお、昨年の「世界野球WBSCプレミア12」をケガで辞退した藤浪晋太郎投手はこの日ブルペン登板の予定がなく投球を見ることはできなかったものの、面談を実施。「あわてないで調整しろ」と先を気遣う言葉を小久保監督から贈っている。

 6日午後から小久保監督は、横浜DeNAベイスターズのキャンプが開催されている宜野湾市立野球場へ移動。世界野球WBSCプレミア12代表組では、山﨑康晃投手は午前中にブルペン投球を終えていたため挨拶のみに留まったが、同大会で中軸を張った筒香嘉智選手については打撃練習をじっくりと観察。「中田翔(北海道日本ハムファイターズ)もいるが、筒香も候補」と4番指名のリストに入っていることを明かした。

 さらに今回の視察で特筆すべきは未来を見据えた選手たちへの激励を行ったこと。阪神キャンプでは「フリーバッティングを見たかった」と当初の滞在予定を延長し、鹿児島実業高卒2年目の大型外野手・横田慎太郎選手の打撃練習を観察。「荒削りだが、スケールは大きい」とコメント。
 また横浜DeNAでも、「2013年のチャイニーズ・タイペイ戦以来招集はしていないが、常に代表入りギリギリの位置にいる。今年はトリプル3を狙ってほしい」と梶谷隆幸選手への期待を言葉に表し、日本新薬時代に2014年に第17回アジア競技大会で侍ジャパン日本代表に選ばれた倉本寿彦選手に対しては隣に立って会話を交わすシーンも。
 さらに宜野湾野球場でフリーバッティングに登板した世界野球WBSCプレミア12の1次候補選手の一人・井納翔一投手についても「猛アピールしていることは伝わった」とその心意気を評価している。筒香選手が小久保監督のコメントを受け「期待されているのは光栄」と話したように、トップチーム監督の激励を受けて意気に感じない選手はいない。

 翌7日には、10時前に久米島野球場へ到着した小久保監督は早速ブルペンへ向かい「世界野球WBSCプレミア12」で参加メンバー28名中最年少のリリーバーとして奮闘した松井裕樹投手をはじめ、「力のある投手が多いと感じた」塩見貴洋投手、辛島航投手といった左腕を中心に視察。「塩見は自分が対戦していた時と同じくらいのボールの勢いを感じた」と先発左腕の一候補に名前を挙げた。
 また、投球を終えた松井投手には、ブルペン捕手を1メートル前に出してフォーム固めをしている意図について確認。「世界野球WBSCプレミア12」で正捕手を務めた嶋基宏捕手とも、現状についての話を聞き、梨田昌孝新監督も交えながら笑顔で会話を交わした。

 ブルペンの次は室内練習場「ホタルドーム」へと赴き、投手陣のフィールディング練習を通じ多角的な状態チェックにも努めた小久保監督。その後行われた会見では改めて3選手への想いをこのように語っている。
 「則本(昂大)は僕が最も信頼している投手。世界野球WBSCプレミア12では勝ちゲームのリリーフで行ってもらう構想で招集したので、先発ではないところを務めてもらったのは非常に心苦しく思っている。今季は開幕投手とも聞いているし先発としてぜひ頑張ってほしい。
 松井(裕樹)に関しては世界野球WBSCプレミア12ではストレートとチェンジアップ中心の投球だったが、今季はスライダーや新球も使うと聞いた。40セーブぐらいあげるように期待している。(来年の)WBC本番の時は彼が先発に転向する時なのかを考えて、梨田監督と与田(剛)コーチとも共有していきたい」

 会見後には改めて則本昂大投手とも会話を交わし、紅白戦で先発した若手左腕・森雄大投手の投球にもネット裏で目を光らせた小久保監督。2月8日には11球団最後の視察地である千葉ロッテマリーンズのキャンプ地、石垣島へと向かう予定だ。
 今回のキャンプ視察は、3月のチャイニーズ・タイペイ戦勝利、2017年の第4回WBCでの世界一奪回を視野に入れたチーム作りはもちろんのこと、2019年のWBSCプレミア12、さらにその先にある野球日本代表「侍ジャパン」の未来を見据えた選手視察となっている。

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