韓国・釜山で開催中の「第7回WBSC女子野球ワールドカップ」6日目。侍ジャパン女子代表は、オープニングラウンドBグループ全勝での1位突破に続き、スーパーラウンドも2連勝。オープニングラウンド・カナダ戦での1勝もカウントし、同ラウンド成績3勝で決勝進出へ王手の状況。本日のスーパーラウンド第3戦は、19時よりドリームパークメインスタジアムで、オープニングラウンドCグループ2位通過のオーストラリア代表と対戦した。
侍ジャパン女子代表は今日も初回から主導権を握り、オーストラリア代表の出鼻をくじく。先発の清水美佑(埼玉栄高3年)は先頭打者からいきなり三球三振を奪い、2番に二塁打を許すも動揺の色を見せず、「いいテンポで投げられた」と本人も振り返ったように後続を三振、一塁ファウルフライに打ち取り無失点で初回を切り抜ける。その裏、すかさず今度は打線が清水を援護。
1番・六角彩子(侍)が内野安打で出塁すると、2番・厚ケ瀬美姫(兵庫ディオーネ)が四球で続きチャンスメイク。3番・三浦伊織(京都フローラ)はランエンドヒットの動きにきっちり二塁ゴロ進塁打を放ち、一死二・三塁で4番・川端友紀(埼玉アストライア)におぜん立てをする。すると、ここまで14打数8安打7打点と絶好調の川端は1ボール1ストライク後の甘いボールを迷いなく引っ張りライトの上を超える先制2点三塁打。その強烈な当たりでチームに勢いを与える。
さらに侍ジャパン女子代表は攻撃の手を緩めない。先発T.CALLANDERの暴投で1点を追加し、さらに一死満塁から8番・船越千紘(平成国際大2年)が三遊間を破る2点タイムリーで5対0。この場面では迷わず二塁走者への本塁突入を指示した三塁コーチャー・清水稔コーチの判断も素晴らしく、チームが一体となって決勝進出を目指す。
そして仕上げは打者一巡で一死満塁から再び打席に入った六角。投手交代直後にコンパクトなスイングでレフトへ犠牲フライを打ち上げ6点目。その後、オーストラリア2番手・L.NEADSは2回から4回まで0を並べただけに、オーストラリア代表にとっては、初回の6失点が勝敗に大きく響く結果に。「初回の攻撃に尽きる」と大倉孝一監督も初回の攻撃に試合後高い評価を与えた。
もう1つ指揮官が褒めたのは「(試合の)リズムができた」と清水の2回表3回表の6人で仕留めたピッチング。これはライト側照明故障による中断が起きた中でも「ブルペンに行ってキャッチボールをしていた」準備のたまもの。加えてこの2イニングは「1本・2本打たれてもいい」と首脳陣に肩を押された船越の大胆かつ細心な配球も清水をアシストした。
さらに、5回表の守備は侍ジャパン女子代表の今大会の強さが凝縮されたプレーであった。
5回表から2番手マウンドに立った左腕・吉井萌美(アサヒトラスト)が一死後に安打、さらに左中間を深々と破られる二塁打を打たれるも、この回からレフトにまわった小島也弥(環太平洋大2年)からショートの厚ケ瀬、そしてキャッチャーの船越とつなぐ完璧な中継プレーで得点を阻止。強化合宿の中で何度も繰り返してきた1点を防ぐプレーが出た形となった。
ここから5回裏に小島、船越、六角、最後は三浦のタイムリーで4点を追加した侍ジャパン女子代表は、前夜のチャイニーズ・タイペイ戦に続く10対0。2試合連続の5回コールド勝ち。これでスーパーラウンド3連勝となり、同ラウンド1位通過と決勝戦進出を1試合を残し確定させた。
試合後のインタビューで大倉監督は、「決勝のために1試合1試合やってきた。その最後の試合を集中して取りたい」と語り、チーム最年少の清水が、決勝前のスーパーラウンド・韓国戦に向けて、「韓国戦もステップアップするための試合にしたい」と力強く語った。
明日10日は、オープニングラウンドAグループ2位突破の開催国・韓国戦との対戦。侍ジャパン女子代表は大会5連覇へ向け、全勝優勝を目指し決勝前の韓国戦も全力で戦う。
第7回 WBSC 女子野球ワールドカップ
大会概要
第7回 WBSC 女子野球ワールドカップ 出場選手(2016年7月10日発表)
大会期間
2016年9月3日~11日
オープニングラウンド
9月3日(土)19:00 カナダ 2 - 8 日本
9月4日(日)14:00 日本 12 - 0 オランダ
9月5日(月)14:00 日本 18 - 0 インド
スーパーラウンド
9月7日(水) 14:00 ベネズエラ 2 - 7 日本
9月8日(木) 19:00 日本 10 - 0 チャイニーズ・タイペイ
9月9日(金) 19:00 日本 10 - 0 オーストラリア
9月10日(土)14:00 日本 6 - 0 韓国
決勝
9月11日(日)18:00 日本 10 - 0 カナダ
会場
韓国釜山広域市キジャン郡
侍ジャパン女子代表候補 マドンナジャパン座談会
【第1回】マドンナジャパンの注目3選手の素顔
【第2回】3選手がそれぞれに感じる女子野球界の変化を語る>
【第3回】マドンナを目指す全国の野球女子たちに伝えたいこと