「第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(カナダ・サンダーベイ)に出場する侍ジャパンU-18代表が8月26日、千葉県内の日大グラウンドで日大と練習試合を行った。
日大が在籍する東都大学リーグは9月5日に開幕(対東洋大)する。調整も最終段階ということで日大・仲村恒一監督は「昨日が駒大、明日は明大。本番の3連戦を想定した」と、ベストオーダーを組み、投手陣も神宮で主力となる布陣を惜しみなくつぎ込んできた。
「昨日の(千葉工大との)スコア(17対4で高校代表が勝利)を見てビックリ。(日大グラウンドで行われた22日の)練習も見ましたが、大学生であの打線が抑えられるか、と……。ウチにとっても良い練習となりました。恥をかかないでよかったです」(仲村監督)
試合は6対4で日大が勝利を収めたが、U-18代表は昨日に続き、五番・安田尚憲(履正社)と四番・清宮幸太郎(早実)がそれぞれ、ソロ本塁打を放って貫録を見せている。
8回の清宮の右越えアーチは高校通算109号。試合後、「手応えはあった」と振り返る打球は、本人も見失ってしまうほどの鋭い弾道だった。スライダーを被弾した日大の右腕・上原進(3年・山梨学院大付)は「構えからオーラがあって、打たれそうな気がした。大学生でも、見たことのない打球でした」と目を丸くさせた。一方、安田は6回に高校通算65号。同じ大阪のPL学園・清原和博の数字を上回り「試合数も違うと思いますが、超えられたのはうれしい。木製になって2日で3本。自信になります」と笑顔を見せた。
小枝守監督が「軸の2人」と語る清宮、安田に加えて、頼もしい右のスラッガーがこの日から合流した。準優勝を遂げた今夏の甲子園でPL学園・清原の持つ個人本塁打記録(5)を6本に更新した中村奨成(広陵)だ。六番・DHで出場し第1打席、2回無死二塁から初球をたたき中前打。侍ジャパンでのファーストスイングが適時打となり、小枝監督は「甲子園からの勢いがそのまま来ている。金属から木製への対応がどうなのか?と思ったが、影響がないようなのでホッとしている」と話した。第3打席では左二塁打を放ち、打率.679(28打数19安打)、6本塁打、17打点の好調をキープしている。指揮官は勝負強い櫻井周斗(日大三)を含めた4人を、ポイントゲッターと考えている。昨日の段階では、4人の打順をばらけさせるプランもあったが「打つ確率のある選手を詰めたほうが、相手は嫌がる」と、三番から六番に配置することを示唆。一方で「バントをどこで使うか?大味な野球になってしまう可能性もある。でも、やっていないことをやれ!とも言えない。そこは私が考えるところ」と、複数の大砲が名を連ねることによる悩みも明かした。
そこで学んだのが日大の攻撃スタイル。「意地でもゴロを打つとか、泥臭さを見せればもっと、怖いチームになる。もう少し動きたい」と、小枝監督はより高いレベルを追い求める。
投手陣は2番手の徳山壮磨(大阪桐蔭)が4回無失点と持ち味を発揮。中村とともにこの日から練習に合流した清水達也(花咲徳栄)は、国内最終戦となる明日の練習試合で登板予定。救援として初の全国制覇へ導いた甲子園優勝投手の投球が注目されるところだ。
第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ
大会期間
2017年9月1日~9月11日
オープニングラウンド
9月1日(金)22:30 メキシコ 1 - 10 日本
9月3日(日)5:00 日本 0 - 4 アメリカ
9月4日(月)6:00 日本 7 - 2 キューバ
9月5日(火)3:00 オランダ 1 - 3 日本
9月5日(火)22:30 日本 12 - 0 南アフリカ
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
スーパーラウンド
9月7日(木)22:30 日本 4 - 3 オーストラリア
9月9日(土)6:00 日本 4 - 6 カナダ
9月10日(日)2:00 韓国 6 - 4 日本
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
3位決定戦
9月11日(月)1:00 カナダ 1 - 8 日本
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
開催地
カナダ サンダー・ベイ
参加国
グループA
カナダ、韓国、チャイニーズ・タイペイ、オーストラリア、イタリア、ニカラグア
グループB
日本、アメリカ、キューバ、メキシコ、オランダ、南アフリカ