「第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(カナダ・サンダーベイ)に出場している侍ジャパンU-18代表は9月3日、キューバとのオープニングラウンドを戦い7対2で勝利し、通算成績を2勝1敗とした。
日本は1回裏、相手のバッテリーミスと清宮幸太郎(早実)の犠飛で2点を先制。追うキューバは3回表一死一、二塁から四番の右越えの2点適時二塁打で同点とする。日本はその裏、先頭の一番・藤原恭大(大阪桐蔭)が四球を選び、暴投を挟んで、二番・小園海斗(報徳学園)が左前打で二、三塁。続く安田尚憲(履正社)は敬遠の四球で歩かされ、満塁から四番・清宮の右犠飛で勝ち越し。なおも、櫻井周斗(日大三)の中前適時打で加点した。
6、8回にも着実に得点を積み重ね、リードを広げた。九番から二番に昇格した小園が3安打と打撃好調で、一番・藤原との2年生コンビがうまく機能した。投げては先発・山下輝(木更津総合)が6回途中2失点の好投。2番手・田浦文丸(秀岳館)が一死一、二塁から救援し、2者連続三振でキューバ打線の流れを食い止めると、9回は今大会初登板の清水達也(花咲徳栄)が逃げ切った。
前夜はアメリカに0対4の完敗。スーパーラウンド、その先の決勝進出を見据えれば、負けられないキューバ戦で、小枝監督は動いた。先発マスクは、開幕から2試合連続スタメンの中村奨成(広陵)ではなく、古賀悠斗(福岡大大濠)が起用された。中村はアメリカ戦で捕球ミスが失点につながり、6回から古賀に途中交代。それがこの日にも影響したのではなく、古賀は2日前から先発を告げられていたという。10日間で最多9試合の過密日程。大会前から指揮官は「併用」を明言しており、予定とおりの起用だった。古賀と中村は同部屋だ。
「(中村は)落ち込んでいるというよりも、負けたことは仕方ない、と。切り替えて『次の試合!』と言っていました。どちらが座ってもチームを勝たせるキャッチャーになろう、と。リードには自信があります。自分が出て勝ったことよりも、チームジャパンとして勝てたことほうがうれしいです。自分がマスクをかぶっても、中村がかぶっても日の丸を背負っている以上は負けられない」
古賀は登板した3人の投手の良さを引き出し、強打・キューバ打線を2失点に抑えた。あくまでチーム優先。2人の捕手は限られた時間の中で、相手打者を徹底的に研究した。中村との"共同作業"で1勝を手にできたことを、古賀は心から喜んでいた。
監督・選手コメント
小枝守監督
「とにかく日本の野球をやろう!ということで一つになれたと思います。(小園を九番から二番に昇格させた)オーダーを変えたのが当たった。投手陣は田浦が自分のペースを崩さずに投げてくれた。崖っ縁なので、後ろを振り向くことなく、一つひとつを精一杯、常に明るくフレッシュにと思っています」
清宮幸太郎主将
「昨日は気持ちの面で、アメリカよりも下回っていた。一瞬の声かけ、声を出すことをしっかりやっていこう、と。初回の入りは皆、声が出ていましたし、その後も積極的に出してくれたので、今までにない雰囲気でした。個人の打撃?全然ダメです。調子の悪いときの自分がすべて出ている。体が開きまくって、訳が分からなくなって……。連戦が続くのでしっかり切り替えて、敗戦を忘れることなく、確実に勝利を取っていきたい」
小園海斗遊撃手
「今日は二番に上がって、良い結果が出て良かった。自分的には上位も打ちたいと思っていましたが、守備で活躍していこうとやってきました。レフト方向の打球が多い?外(の配球)が多いので、開かず、素直に(バットを)かえしていくことを心掛けた結果です」
第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ
大会期間
2017年9月1日~9月11日
オープニングラウンド
9月1日(金)22:30 メキシコ 1 - 10 日本
9月3日(日)5:00 日本 0 - 4 アメリカ
9月4日(月)6:00 日本 7 - 2 キューバ
9月5日(火)3:00 オランダ 1 - 3 日本
9月5日(火)22:30 日本 12 - 0 南アフリカ
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
スーパーラウンド
9月7日(木)22:30 日本 4 - 3 オーストラリア
9月9日(土)6:00 日本 4 - 6 カナダ
9月10日(日)2:00 韓国 6 - 4 日本
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
3位決定戦
9月11日(月)1:00 カナダ 1 - 8 日本
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
開催地
カナダ サンダー・ベイ
参加国
グループA
カナダ、韓国、チャイニーズ・タイペイ、オーストラリア、イタリア、ニカラグア
グループB
日本、アメリカ、キューバ、メキシコ、オランダ、南アフリカ