11月2日、6つの国と地域がアジアナンバーワンをかけて争う第9回BFA U-15アジア選手権(志太スタジアム/静岡県伊豆市)の2日目が行われた。侍ジャパンU-15代表は、フィリピンと戦い10対0の5回コールド勝ちで大勝。大一番となる3日のチャイニーズタイペイ戦に向けて、弾みをつけた。
大一番に向けて課題も残る
前日の香港戦で26対0と幸先良く大勝した侍ジャパンU-15代表だったが、この日は序盤に苦戦を強いられた。
フィリピンの先発左腕・J.CRISOSTOMO投手の腕の振りや体格に似合わぬ、やや遅いストレートや変化球にタイミングが合わずに、3回まで濵田世投手(私立高知中)の内野安打と功刀史也外野手(南アルプス市立白根巨摩中)のセンター前安打の2安打に終わった。 この停滞した空気を払拭したのが、前日に4安打を放って8番から5番に昇格した加藤陸久外野手(開成町立文命中)だ。
4回に四球で無死一塁となった場面で、J.CRISOSTOMOの甘く入った球を振り抜くと打球は中堅手の右を抜けた。そして加藤がスライドの大きい俊足を飛ばして、一気にホームイン。2点を先制した。この後、集中力が切れ始めたフィリピンのミスを見逃さずに、一挙7点を奪った。
先発の右腕・濵田は3安打を浴びるなど、なかなかリズムに乗り切れなかったが、4回無失点にまとめた。すると、5回には功刀のセンター前への2点タイムリーと相手投手の暴投で、3点を追加。その裏を寺西成騎投手(能美市立根上中)が3人でしっかり締めて、10対0のコールド勝ちを飾った。
大勝ではあったものの、わずか5安打に終わり伊藤将啓監督(習志野市立第一中)は「ウチに左打者が多く、フィリピンに左腕が多いので、あまり対応できませんでした。また球審によってストライクゾーンが違うことに対応できていない選手が何人かいますね」と課題を挙げた。
3日は大会3連覇中のチャイニーズタイペイと13時半から対戦。大一番に向けて伊藤監督は「打撃がシュアで守備も上手な相手なので、スピード感を上げて戦えるようにしたいです」と気を引き締めた。
監督・選手コメント
加藤陸久外野手(開成町立文命中)
「2回に出塁した時に走塁ミスをしてしまったので、なんとかバットで取り返そうと思っていました。右方向に上手く打つことができました。チャイニーズタイペイ戦は1番重要な試合になるので、チーム一丸で戦いたいです」
功刀史也外野手(南アルプス市立白根巨摩中)
「今日はアウトコースに広いストライクゾーンの審判でしたが、それを意識しつつ、短打で繋ぐ役割なのでシンプルに打ち返すようにしています。チャイニーズタイペイ戦は一番強い相手と聞いているので、前回大会の借りを返したいです」