今年8月10日から19日まで、パナマで開催される「第4回 WBSC U-15 ワールドカップ」で大会初優勝を目指す侍ジャパンU-15代表。その第一歩となるメンバー選考トライアウト(関東会場)が5月12日、千葉県柏市のJR東日本野球部柏野球場で開催された。ボーイズ、シニア、ポニー、フレッシュの各リーグから推薦された選手のなかから、今回は東日本を中心に総勢52名が参加。選手は2班に分かれ、A班は午前9時から、B班は午後1時から憧れの侍ジャパンを目指して様々な審査に挑んだ。
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
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

トライアウトは昨年11月、愛媛県松山市で開催された「U-15アジアチャレンジマッチ2017」に続き、侍ジャパンU-15代表を率いることとなった清水隆行監督による「短い時間ですが、今の実力を思う存分発揮して精一杯プレーしてください。楽しみにしています」というトライアウト生たちへの激励からスタート。
まずは一塁までの到達タイムを計測した後、トライアウト生たちはボール回し・投内連携・バント処理・内外野の中継プレー・シートノックと守備面の審査に挑戦。さすが、各リーグから推薦された選手が集められただけに質の高いプレーが随所に見られ、清水監督も「自分の中学生時代より技術も体力も上で、予想以上にレベルが高かった」と振り返った。
続いては全選手によるフリーバッティングが行われ、投手陣は同時進行でブルペンに移動しピッチングを披露。高橋尚成コーチは、つぶさに投手陣の状況を見極めた後、「自分がMLBで投げた経験から考えると、海外の選手に対してはパワーで劣ってしまうことが多い。だから、スピードよりもコントロールが良い投手のほうが通用すると考えています。低めにしっかりと変化球を決められれば空振りも取れるので」と、トライアウトの選考方針を明かした。
最後は実戦形式でトライアウト生同士が投打で対決。清水監督は「ピッチャーを中心とした守りの野球を目指す」ということもあって、ブルペンだけでは分からない、実際に打者と対峙した時のピッチングの審査に主眼が置かれ、高橋コーチは投手陣に対し「抑えたか、打たれたかという結果じゃないので、とにかく自分のベストを尽くして投げなさい。そのためにはキャッチャーのサインに首を振っても構わない」と声を掛けた。
また、試合形式トライアウトはカウント1ボール1ストライクから、走者なしと走者一塁の2つの状況を設定。グラウンドに緊張した雰囲気が張りつめる中、トライアウト生たちは憧れの侍ジャパンユニフォームを目指すべく、必死にボールを投げ込み、必死にボールへ食らいついていた。
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この日のすべてのプログラムを終え、清水監督は「野手についてはバランス良く選びたい」と話すと同時に、国際大会に挑戦することを踏まえて「対応力のある選手」と共に「やはり連打やホームランで得点を取るのは難しい。ですから、日本らしく小技や機動力を使うためにスピードのある選手を求めていきたい」と侍ジャパンU-15代表の戦い方についても言及。
また、球数制限がある投手陣の選考については「まだ投手の枠を何人にするのかは決めていませんが、一発勝負の難しさもあるので、コーチ陣と相談しながら決めたい」とし、高橋コーチも「左投手に弱い海外のチームもあるので、サウスポーはものすごく重視していますが、やはりバッター抑えることが基本なので、能力が高い順に選んでいきたい」と15歳以下世界一への青写真を語っている。
「目標は勝つこと。優勝」と語る清水監督の下、トライアウトはこの日の関東会場に引き続き、5月19日(土)には関西会場、5月26日(土)には九州会場で開催される。3会場で参加選手は100名を超える中、実際にジャパンのユニフォームに袖を通すことができるのは、わずか20名。若き侍たちは今月下旬から6月中旬頃に発表される予定となっている。
第4回 WBSC U-15 ワールドカップ
大会期間
2018年8月10日~8月19日
オープニングラウンド
8月11日(土)0:00 日本 4 - 2 オーストラリア
8月12日(日)0:00 オランダ 1 - 11 日本
8月13日(月)8:00 日本 7 - 9 キューバ
8月14日(火)8:00 ドミニカ共和国 7 - 13 日本
8月15日(水)8:00 日本 20 - 0 南アフリカ
※開始時刻は日本時間(パナマ:時差-14時間)
スーパーラウンド
8月17日(金)0:00 日本 5 - 2 チャイニーズ・タイペイ
8月18日(土)8:00 パナマ 7 - 3 日本
8月19日(日)4:00 アメリカ 8 - 2 日本
※開始時刻は日本時間(パナマ:時差-14時間)
3位決定戦
2018年8月21日(月)3:00 日本 3 - 6 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(パナマ:時差-14時間)
開催地
パナマ
出場する国と地域
グループA
パナマ、アメリカ、チャイニーズ・タイペイ、ブラジル、ドイツ、中国
グループB
日本、キューバ、オーストラリア、オランダ、ドミニカ共和国、南アフリカ