「国際大会では何が起きてもおかしくない」とは世代を問わず、国際大会でよく用いられるセンテンスであるが、U-23代表チームの練習初日は、球場への移動時にトラブルが発生、まさに「何が起きてもおかしくない」ことを実感することから始まった。
ホテルから練習会場(大会会場でもあるEdgar Renteria Stadium)の移動用に、大型バスが用意されており、選手・監督・コーチの全員が乗り込み、ホテルを出発。10分ほどが経過した時点で、エンジンから白煙が上がりバスが停止してしまう。急遽スタッフが手配したマイクロバスが到着するまで、全員が道端の木陰で待つことになった。
2台のマイクロバスに分乗したチームは予定から大幅に遅れて球場に到着した。選手は自分の荷物とチームの荷物を手分けして球場に運び込み練習の準備を進める。
練習は移動トラブルの影響も見せず、ウォーミングアップに続いて、キャッチボール、投内連系、シートノック、ポジション別のノックと順調にメニューを消化。特にノックではサードのポジションに入った内田(楽天)と安田(ロッテ)が積極的に声を出し、チームを盛り上げていたのが印象的であった。
ノック終了後、野手陣は球場内にある打撃ケージで打撃練習を行った。稲葉監督がケージ後方で練習を見つめ、国内合宿と同様に、時に身振り手振りを加えた指導を行っていた。一日を総括して、高山(巨人)は「暑かったけれども、今日はしっかりとした練習ができた」と振り返った。
練習後には、キャプテンの内田と稲葉監督が地元メディアのインタビューにそれぞれ応じた。予選ラウンドで同グループとなった地元コロンビアとの対戦について聞かれた内田は「優勝するために来たので。必ず勝ちます」と力強くコメントした。稲葉監督は「コロンビアと言えばサッカーの強い国という印象がありますが、野球のワールドカップが行われることで、コロンビアの皆さまに野球を知ってもらうチャンスだと思っています。そういう意味では野球の普及という点でも何とか頑張りたいと思います。コロンビアと対戦できることを楽しみにしています。」と回答し、大会の盛り上げに一役買っていた。
明日は大会公式会見および公式練習が行われる。
監督・選手コメント
稲葉篤紀監督
「長距離フライトがあったため、この2日間で体調を整えて、しっかりと試合に臨んでほしいと選手に伝えた。グラウンドは思っていたよりは良かったかなと感じた。どんな環境にでも対応できる能力は非常に大切。どんな状況でもしっかりパフォーマンスをしていこうと、今後選手には伝えていきたい」
内田靖人主将
「ひとりひとりが意識を高く持っているし、意気込みも強く持っていると思うので、チームは良い状態かなと思う。(練習を盛り上げていたが?)キャプテンに指名いただいたし、声を出して盛り上げて、試合でもしっかり声を出してチームを引っ張りたい。打撃では4番を打たせてもらっていることから、チャンスで回ってくると思うので打点を意識してやっていきたい」
第2回 WBSC U-23ワールドカップ
大会期間
2018年10月19日~10月28日
オープニングラウンド
10月20日(土)5:00 日本 13 - 0 南アフリカ
10月21日(日)0:00 チャイニーズ・タイペイ 1 - 3 日本
10月22日(月)0:00 日本 7 - 2 メキシコ
10月23日(火)0:00 日本 5 - 0 オランダ
10月24日(水)10:00 コロンビア 2 - 7 日本
※開始時刻は日本時間(コロンビア:時差-14時間)
スーパーラウンド
10月26日(金)0:00 日本 3 - 2 韓国
10月27日(土)5:00 日本 6 - 3 ベネズエラ
10月28日(日)0:00 日本 4 - 0 ドミニカ共和国
※開始時刻は日本時間(コロンビア:時差-14時間)
決勝
10月29日(月)9:00 日本 1 - 2 メキシコ
※開始時刻は日本時間(コロンビア:時差-14時間)
開催地
コロンビア(バランキージャ)
出場する国と地域
グループA
日本、メキシコ、チャイニーズ・タイペイ、オランダ、コロンビア、南アフリカ
グループB
韓国、オーストラリア、プエルトリコ、ベネズエラ、ドミニカ共和国、チェコ