今年7月28日から「第7回 WBSC U-12 ワールドカップ」が台湾・台南市で開催される。侍ジャパンU-12代表は過去最高成績の準優勝を超える初優勝を目指す中で、動画応募による審査・選考「侍ジャパンU-12代表 全日本合同トライアウト~デジタルチャレンジ~」を5月8日まで実施している。
そこで昨年に続き指揮を執る井端弘和監督にインタビューを実施。前編・後編に分けて、昨年の大会で感じたことや求める選手像や理想の野球を聞いた。
理想の選手像と野球
――昨年の経験も踏まえて井端監督はどんな選手を欲していますか?
「優勝を目指していく上では、昨年優勝したアメリカを見て、あれくらいの投手や野手がいないと勝てないということを僕らは知っている。投手であれば120キロを超えてくる投手が欲しいですし、野手でもそれくらいの球を軽々打ち返す打者は欲しいです。子どもだからといって力勝負を避けるつもりはありません。アメリカなどの強豪と力勝負をしたいと思っています」
――前回大会でもバントはほとんどしませんでした。
「1回試みたくらいです。他国は結構やっていましたが。盗塁は仕掛けますが、バントは今年もやるつもりはありません。打ち勝っていきたいです」
――その理由としてはどのようなことになりますか?
「今の時点で体が小さくても、これから体が大きくなる可能性が大いにある子どもたちですから、今から決めつけることは良くありません。目指すならホームランバッターであったり、豪速球投手であったりして欲しいです」
――前回大会を終えて「チャイニーズ・タイペイの戦い方が理想」と仰ってましたが、このあたりはいかがですか?
「きっちりした野球をしていました。合宿も1ヶ月以上やって乗り込んできているようですからね。ただ去年のU-12代表のメンバーで戦うならあれが理想ですけど、今回目指す理想の野球は、自由に打ってこいと言っても勝てるような選手たちが集まってくれれば戦いやすいです」
――その野球をするために、最終選考会ではどのようなことを大切にされますか?
「去年の反省は最終選考会のフリー打撃で気持ちよく打たせてしまったことです。今年は球速120キロくらいのボールをどんどん投げて、打ち返せるかどうかを見るつもりです」
国際大会だからこそ得られるもの
――今年は合宿期間が3、4日もらえそうだというお話が前回ありましたが、どのようなことを伝えていきたいですか?
「フォーメーションですとか、チームによって異なる動きを統一していきたいですね。細かいところを確認していきたい。あとはやはり選手の能力の把握ですね」
――大会期間中のことで変えていこうと思うことはありますか?
「台湾は日本よりはるかに暑いので、試合終盤に野手からマウンドへ行かせたら、もうへばっていたことがあったので、その日に投げる投手は野手をさせずに専念させようと思います」
――井端監督は現役時代にもたくさんの国際大会に出場してきましたが、国際大会だからこそ得られるものはどのようなことだと思われますか?
「海外の選手と対戦することで、こんな球見たことないとか、こんなスイング見たことないとか、そうした刺激を受ける選手がたくさんいます。それを感じて、世界に目を向けるきっかけになることは、とても大事なことだと思います。日本国内だけで満足して欲しくありません。子どもの可能性は無限大ですから」
――最後にあらためてどんなメンバーでどんな結果を得たいですか?
「“この侍ジャパンのユニホームを着て世界と戦いたい!”という選手の集まりで、最後まで諦めずに戦い、世界一を目指す戦いをしたいです」