5月26日、第3回 BFA 女子野球アジアカップ ファイナルラウンドが香港の晒草湾遊楽場で開幕。侍ジャパン女子代表は開幕戦で韓国と戦い、10対0の5回コールド勝ちで初戦を飾った。
代表を長年支えている里綾実(埼玉西武ライオンズ・レディース)と川端友紀(九州ハニーズ)がチームに勢いをもたらした。
先発のマウンドに上がった里は女子野球ワールドカップ3大会連続MVP獲得中という世界の女子野球を代表する投手。試合前後には多くの選手やスタッフから声をかけられる。この日の試合前のブルペンでは、ネット越しにインドネシア代表の選手たちが投球練習を食い入るように見つめていた。
そんな尊敬と注目を一身に集める里が期待通りの投球で流れを作る。初回の先頭打者こそ良い当たりのレフトフライだったが、以降の打者からは詰まった当たりと三振の山を築き、終わってみれば3回を投げて1人の走者も許さず、5三振を奪って格の違いを見せつけた。
打線も1回の攻撃から里を援護する。1死二、三塁のチャンスで打席には、主力選手として4大会連続でワールドカップに出場している4番の川端。ここで川端は一塁線を鋭い当たりで抜くタイムリー二塁打を放ち、2点の先制に成功した。さらに只埜榛奈(東海NEXUS)にもタイムリーが飛び出して初回から3点を奪った。
続く2回には、岩見香枝(埼玉西武ライオンズ・レディース)の二塁打から作ったチャンスで楢岡美和(九州ハニーズ)と川端がタイムリーを放ち2点を追加。投打が噛み合い、序盤で主導権を握った。
3回こそ無得点に終わったが、4回からは水流麻夏(阪神タイガースWomen)が登板。高卒1年目で前回のワールドカップ(2018年)に出場した左腕は、三者連続三振を奪って流れを再び引き寄せた。
その裏、代打の村松珠希(はつかいちサンブレイズ)、途中出場の星川あかり(淡路BRAVE OCEANS)、2打席で安打の無かった英菜々子(埼玉西武ライオンズ・レディース)にタイムリーが飛び出す。さらに押し出し四球もあり打者一巡の攻撃で一挙5点を挙げて10点にリードを広げた。
5回は水流が内野安打こそ打たれたものの、後続を冷静に抑えてコールド勝ちを決めた。
今年初の公式戦で大勝を収めて好発進した侍ジャパン女子代表の次戦は、日本時間27日13時からフィリピンと戦う。
監督・選手コメント
中島梨紗監督
「里と水流がストライク先行の投球の良いリズムで投げてくれました。川端も先制打をしっかり打ってくれましたし初見の相手でも自分のスイングができていました。2人ともさすがです。(課題を挙げるならば)初戦ということもあってか、もったいないボールもあったので、ストレートで押せるところは押すなど全球種を見せなくても大丈夫だということを伝えました」
里綾実(埼玉西武ライオンズ・レディース)
「審判のストライクゾーンが広いことを想定するなど試しながら、いっぱいいっぱいにならずに投げることができました。変化球ではスライダーが真ん中から外にしっかりと決まり、空振りを取れたことが大きかったです。明日や明後日は投げないかもしれませんが、少しでも投手が投げやすいように声かけなどをしていきます」
川端友紀(九州ハニーズ)
「ファーストストライクから思いきり良く打とうと思って打席に立ち、甘い球に上手く反応することができました。良い流れで大会に入ることができたと思います。明日からも日本らしく明るく元気に野球をしていきます。(課題を挙げるならば)試合後に中島監督から選手に走塁の指摘があったので、しっかり準備していきたいです」
第3回 BFA 女子野球アジアカップ
大会期間
2023年5月21日~6月1日
グループB
5月26日(金)12:00 日本 10 - 0 韓国
5月27日(土)13:00 日本 7 - 1 フィリピン
5月28日(日)16:00 インドネシア 0 - 27 日本
※開始時刻は日本時間(香港:時差-1時間)
スーパーラウンド
5月30日(火)19:00 チャイニーズ・タイペイ 1 - 12 日本
5月31日(水)16:00 日本 15 - 0 香港
※開始時刻は日本時間(香港:時差-1時間)
決勝
6月1日(木)15:00 日本 8 - 3 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(香港:時差-1時間)
開催地
香港
出場国
一次ラウンド
グループA:インド、マレーシア、タイ
グループB:香港、パキスタン、インドネシア、スリランカ
ファイナルラウンド
グループA:チャイニーズ・タイペイ、中国、香港
グループB:日本、韓国、フィリピン