7月22日、「カーネクスト presents 第9回WBSC女子野球ワールドカップ ファイナルステージ」(7月28日からカナダ・サンダーベイ)に出場する侍ジャパン女子代表の直前合宿が神奈川県の中栄信金スタジアム秦野で始まった。
練習前に高橋昌和秦野市長から激励の言葉を受けた選手たちは午前中から練習を行い、午後は全国的強豪の中学硬式クラブである湘南ボーイズと7イニング制の練習試合に臨んだ。
相手は今夏の全国大会にも出場する強豪チームとあって、1回表に先発の森若菜(阪神タイガース Women)は3安打を浴びる。それでも遊撃手の岩見香枝(埼玉西武ライオンズ・レディース)がダイビングキャッチで好捕するなどして、失点を3点にとどめるとその裏に打線が反撃。
力強いストレートにも力負けせず川端友紀(九州ハニーズ)、長田朱也香(読売ジャイアンツ)、白石美優(大阪体育大学)が安打を放って2点を返した。さらに英菜々子(埼玉西武ライオンズ・レディース)も安打を放つが後続は続かず。2回表にも森が2安打で1点を失うが、森が牽制で走者を刺して最少失点に抑えた。
3回からはコンディション不良になった小野寺佳奈(読売ジャイアンツ)に代わり、新たに招集された清水美佑(読売ジャイアンツ)が好投。4回もタイブレーク制の練習で無死一、二塁から再開されたが、バント処理で一塁の川端が素早い動きで三塁を刺すなどして無失点で切り抜けた。
同僚でもあるだけに小野寺の無念を「怪我してからここに合流するために頑張っていたのを近くで見ていたので、残念な気持ちがすごくあります」と誰よりも感じている。一方で「小野寺の思いを背負ってというほどの力は私にはありませんが、自分が頑張ることが彼女のためになると思って全力で投げます」とW杯での活躍を誓った。
清水の好投で良い流れが生まれると、その裏に1死二、三塁から三浦伊織(阪神タイガースWomen)がバントを決めると、二塁走者の岩見までもが生還する2ランスクイズが成功。同点に追いついた。
投手陣は、清水の後を投げた泰美勝(ZENKO BEAMS)、久保夏葵(平成国際大)、土屋愉菜(環太平洋大)も好投。本職が外野手ではない長田がレフト後方への打球をダイビングキャッチで好捕を見せるなど堅守も目立ち、4対4の引き分けに持ち込んだ。
各選手が上々の仕上がりを見せた。23日も10時半頃から練習を行い、中学硬式野球チーム(平塚ボーイズ)と14時半から練習試合を行う予定となっている。
監督・選手コメント
中島梨紗監督
「疲れが見えた部分もあったので、明日は大会前最後の練習試合で集中力を切らさずやっていきたいです。3点を取られた後にすぐに2点を返せたことは良かったですね。シーズン真っ只中なのでバットが振れていますね。バント処理も足の速い男子選手相手にしっかりできたので自信になると思います。確認したいことは確認できましたが、サインミスなどもあったので徹底すべきことを共有していきたいです」
清水美佑(読売ジャイアンツ)
「(追加招集なので)捕手とのコミュニケーションを密に取りながら、自分の力を2イニングに集約して投げました。ストレートで押せていたので手応えがあります。あとは変化球の精度と腕の長い海外の打者にいかにインコースを投げられるかだと思います」
長田朱也香(読売ジャイアンツ)
「こっち来るかなという準備をしていた分、思いきり良くスタートできました。普段レフトはやっていないので、次のプレーへの意識をより考えながら備えています。打撃もチャンスで一本打つことができて良かったです。状態良いので、このままW杯に向けて頑張っていきたいです」
岩見香枝(埼玉西武ライオンズ・レディース)
「(1回表の好守について)打球の予測はしていたので、上手く反応してスタートを切ることができました。チームとしての仕上がりはまだこれからで、互いに窺っているところがあるので、もっと高めていきたいです。W杯は最終章の舞台なので、泥くさくどんな時でも執念を見せてプレーしていきたいです」
カーネクスト presents 第9回WBSC女子野球ワールドカップ ファイナルステージ
大会期間
2024年7月28日~8月4日
7月29日(月)3:00 チャイニーズ・タイペイ 4 - 9 日本
7月30日(火)8:00 カナダ 6 - 7 日本
7月31日(水)4:00 日本 11 - 0 ベネズエラ
8月1日(木)0:00 日本 10 - 0 メキシコ
8月2日(金)0:00 日本 3 - 4 アメリカ
※開始時刻は日本時間(カナダ:時差-13時間)
決勝
8月4日(日)4:00 アメリカ 6 - 11 日本
※開始時刻は日本時間(カナダ:時差-13時間)
開催地
カナダ(サンダーベイ)
出場する国と地域
日本、チャイニーズ・タイペイ、ベネズエラ、アメリカ、メキシコ、カナダ