7月29日(日本時間30日)、「カーネクスト presents 第9回WBSC女子野球ワールドカップ ファイナルステージ」(カナダ・サンダーベイ)の2日目が行われ、侍ジャパン女子代表は開催国のカナダと対戦。延長タイブレークの末になんとか振り切り、7対6で下した。
前日まで積み上げてきたW杯36連勝が止まってもおかしくない試合展開だったが、瀬戸際で踏みとどまった。
初回に三浦伊織(阪神タイガースWomen)の四球と白石美優(大阪体育大)の安打でチャンスを作ると、3番の川端友紀(九州ハニーズ)がレフト安打を放ち、あっという間に先制する。
しかしその後は、盗塁死や走塁死、相手選手の好捕などで得点を思うように積み重ねられず。4回の中村柚葉(読売ジャイアンツ)のタイムリー、6回の岩見香枝(埼玉西武ライオンズ・レディース)のスクイズによる加点のみの3対0で試合は終盤戦へ。
すると6回裏、5回まで1安打のみの好投を続けていた清水美佑(読売ジャイアンツ)の制球が突如乱れ始め、押し出しや2点タイムリーを浴びて同点に追いつかれてしまう。さらにこの回2個目の死球を出し2死満塁となったところで、中島梨紗監督は投手交代を決断。昨年のW杯グループラウンドの追加招集から代表入りし、前日の第1戦も1イニングを無失点に抑えていた泰美勝(ZENKO BEAMS)をマウンドへ送った。
そんな絶体絶命の場面ながら泰は強心臓ぶりを発揮。「楽しめました。自分で抑えてやろうという気持ちでした」と振り返るように、鋭い腕の振りからストレートとカーブを投げ分け、セカンドゴロでピンチを脱出。さらに7回も「気楽に楽しんで、チーム流れを持ってこようと思って投げました」と、1安打こそ許すもののアウトすべてを三振で奪い、試合はタイブレーク制(継続打順で無死一、二塁から再開)の延長戦に持ち込まれた。
ここで先攻の侍ジャパン女子代表が相手失策により1点を勝ち越すと、只埜榛奈(東海NEXUS)の2点タイムリー、川端の併殺崩れの間に得点を重ね、4得点。この援護をもらった泰は、カナダ打線の粘りの前に1点差まで苦しめられながらも、遊撃手・岩見の好守にも助けられて2死とすると、最後は空振り三振に抑えて試合終了。「タイブレークでは、野球人生で初めて緊張しました」と笑う堂々たる投球を見せてチームの勝利に貢献した。
第3戦は、昨年のグループラウンドでサヨナラ勝ちと大苦戦を強いられたベネズエラと日本時間7月31日午前4時から対戦。予告先発は投手リーダーの田中露朝(ZENKO BEAMS)で、昨年はベネズエラに対し5回4失点と悔しい思いをしただけに、雪辱の思いも持ってマウンドへ上がる。
監督・選手コメント
中島梨紗監督
「この試合に負けたら監督の責任だと、中盤・終盤と思っていました。選手たちがよく頑張ってくれました。泰が凄かったですね。あの場面で登板して初球からストライクを取れたこと、ロングリリーフでも最後まで集中してくれました。全試合が今日のような展開になると思っているので、すべてを出し尽くせるように準備して、やれることをやっていきます」
只埜榛奈(東海NEXUS)
「(ダメ押し打の場面)ゾーンを高めで絞っていこうという中島監督からの指示があったので、多少ボールでも振っていこうと思っていました。(カナダについて)打球が速くて怖さがありましたね。6回の同点の場面のセカンドゴロは緊張しました。とにかく集中して守りました。(次戦以降に向けて)こういう試合が何回も続くことは覚悟しているので、スタメンで出た以上は責任を持って守備も打撃もしていきたいです」
カーネクスト presents 第9回WBSC女子野球ワールドカップ ファイナルステージ
大会期間
2024年7月28日~8月4日
7月29日(月)3:00 チャイニーズ・タイペイ 4 - 9 日本
7月30日(火)8:00 カナダ 6 - 7 日本
7月31日(水)4:00 日本 11 - 0 ベネズエラ
8月1日(木)0:00 日本 10 - 0 メキシコ
8月2日(金)0:00 日本 3 - 4 アメリカ
※開始時刻は日本時間(カナダ:時差-13時間)
決勝
8月4日(日)4:00 アメリカ 6 - 11 日本
※開始時刻は日本時間(カナダ:時差-13時間)
開催地
カナダ(サンダーベイ)
出場する国と地域
日本、チャイニーズ・タイペイ、ベネズエラ、アメリカ、メキシコ、カナダ