8月17日(日本時間18日)、「第6回 WBSC U-15 ワールドカップ」(コロンビア・バランキージャ)のオープニングラウンド2戦目が行われ、侍ジャパンU-15代表はイタリアと対戦。延長タイブレークに持ち込まれる接戦を8対3で制して連勝を決めた。
乱打戦となった初戦と打って変わり、この日は投手戦となった。井端弘和監督が「先発投手の小さく曲がる低めの変化球に対して、自分のスイングができずに7回まで進んでしまいました」と振り返ったように、イタリアの先発左腕Federico MAGALOTTIの前に4安打無失点に抑えられ、試合は無死一、二塁から再開される延長タイブレークに持ち込まれた。
だが8回表の攻撃では2番手の左腕Manfredi GAMBERAに対して、バント失敗や2つのフライアウトで無失点に終わった。そんな絶体絶命のピンチを救ったのが2番手として登板していた右腕の戸倉光揮(狭山西武ボーイズ)だ。5回の1死満塁のピンチで登板すると見逃し三振とレフトフライに抑えるなど好救援を見せていたが、8回裏も「これで抑えればヒーローになれると思いました」と振り返る強気の投球が冴える。
「次は気をつけたい」と振り返るボークで無死二、三塁のピンチを招くが、連続三振とファーストゴロで無失点に抑えると、その直後の9回表に打線がようやく応える。
バント失敗はあったものの小久保颯弥(愛知名港ボーイズ)が四球を選んで1死満塁とすると、4番・川上慧(明石ボーイズ)の強烈な当たりのゴロが相手二塁手のファンブルを誘い勝ち越し。さらに四死球による連続押し出しで得点差を3点に広げると、打席には主将の新井悠河(藤岡ボーイズ)。
「前の打席がサードゴロで悔しかったので思いきり振り切りました」とする打球は一塁線への強烈な当たりとなり二塁打。2者が生還した。この後も打線の勢いは止まらず、中嶋蒼空(佐倉リトルシニア)のライトオーバーの2点タイムリー二塁打と中島齊志(飯塚ボーイズ)のライト前タイムリーが生まれ、一挙8得点で試合を決めた。
その裏は大久保遼(東京ヴェルディボーイズ)が3点を失いながらも、最後は連続三振に抑えて試合終了。辛勝に井端監督は「2つ負けてもおかしくない試合を2つ勝てたということは底力があったと思いますが、このままではいけません。スーパーラウンドで戦うには個々の状態を上げていかないと。オープニングラウンドの残り3試合で何かきっかけを掴む試合をしたいです」と厳しい表情で語った。
オープニングラウンド第3戦は地元コロンビアと日本時間19日9時から対戦。勝ってスーパーラウンド進出に大きく近づくとともに、完全アウェイが予想される中できっかけを掴み、さらにチーム力を向上させたいところだ。
監督・選手コメント
井端弘和監督
「昨日今日と、子どもたちには良い勉強になったと思います。(無失策について)強みの1つかもしれませんが、四死球はこちらの方が多いので課題です。(戸倉の好救援)ピンチでマウンドに上がって、初球から本来の投球ができたことが素晴らしいですね。(地元コロンビア戦)多くのお客さんが来てアウェイ感が強くなると思いますが、それに飲まれず、良い試合をして、きっかけを掴めればと思います」
戸倉光揮(狭山西武ボーイズ)
「ここを抑えたら自分がヒーローだと思って投げました。ピンチの時はいつもそうした気持ちで投げるようにしています。点を取られなければ負けないという気持ちでしたし、タイブレークは直前合宿の中央学院高戦でも経験して負けていたので、2回はやられたくないと思って投げました。この2試合、長く厳しい戦いが続いたので、オープニングラウンドの残りの試合で日本の良さを見せたいです」
新井悠河(藤岡ボーイズ)
「昨日は打線が繋がっていたのでベンチのムードが良かったのですが、今日は打線の繋がりが悪く声が出ていなかったので、自分が主将として誰よりも声を出しました。(無失策)全員が集中して、バッテリー含めてみんなで戦うことができました。(地元コロンビア戦に向けて)一丸となって日本の丁寧な野球をしていきたいです」
第6回 WBSC U-15 ワールドカップ
大会期間
2024年8月16日~8月25日
オープニングラウンド(グループA)
8月17日(土)9:00 日本 12 - 9 ドミニカ共和国
8月18日(日)5:00 イタリア 3 - 8 日本
8月19日(月)9:00 コロンビア 3 - 14 日本
8月20日(火)5:00 日本 14 - 0 グアム
8月21日(水)0:30 日本 4 - 2 プエルトリコ
※開始時刻は日本時間(コロンビア:時差-14時間)
スーパーラウンド
8月23日(金)5:00 日本 5 - 6 チャイニーズ・タイペイ
8月24日(土)5:00 日本 6 - 1 メキシコ
8月25日(日)5:00 日本 7 - 2 ニカラグア
※開始時刻は日本時間(コロンビア:時差-14時間)
決勝
8月26日(月)9:00 日本 7 - 6 プエルトリコ
※開始時刻は日本時間(コロンビア:時差-14時間)
開催地
コロンビア(バランキージャ)
出場する国と地域
グループA
日本、ドミニカ共和国、プエルトリコ、コロンビア、イタリア、グアム
グループB
メキシコ、チャイニーズ・タイペイ、ベネズエラ、オランダ、ニカラグア、南アフリカ