9月8日、「第13回 BFA U18アジア選手権」(台湾)の決勝戦が台北市立天母棒球場で行われ、侍ジャパンU-18代表はチャイニーズ・タイペイと対戦。10安打を放ちながらも1対6で敗れ、2大会ぶり6回目の優勝を果たすことはできなかった。
前日に6回2死からの好救援を見せた今朝丸裕喜(報徳学園)と、2年前のU-18W杯のアメリカ戦で16歳ながらアメリカを2失点完投で抑えた陽念希の両右腕の先発で始まった試合は、初回から得点が動いた。
1回裏、今大会好調の2番・濱本遥大(広陵)がセンター前安打で出塁すると、二盗・三盗を決めてチャンスを拡大させ、4番・石塚裕惺(花咲徳栄)が痛烈な当たりでショートのグラブを弾く内野安打を放ち先制に成功した。
先発の今朝丸は1回、2回と走者を出すが、後続を冷静に抑えて無失点で切り抜けた。しかし3回表、先頭打者への死球と犠打でピンチを招くと、MLBのドジャースと契約を結んだ3番・柯敬賢に逆方向の左中間を深々と破る三塁打を打たれ同点に追いつかれる。さらに4番・曾偉喆にあわや本塁打かと思われたライト後方への犠牲フライを打たれ、勝ち越しを許した。
次打者にも四球を出してピンチはなおも続いたが、ここは2番手としてマウンドに上がった櫻井椿稀(鶴岡東)が巧みな牽制球で刺して追加点は防いだ。
追いつきたい打線は3回裏、2死から濱本と徳丸快晴(大阪桐蔭)の連打で一、三塁のチャンスを作るが、ここで2番手として登板した林鉑濬のチェンジアップに石塚のバットが空を切り三振。4回も四球で出塁するが林鉑濬の力強いストレートに押され無得点に終わった。
5回には、柯敬賢に犠牲フライを打たれ点差を広げられると、その裏の攻撃では境亮陽(大阪桐蔭)、濱本、徳丸の3連打で1死満塁のチャンスを作るも石塚が152キロのストレートに詰まらされて、痛恨のショートゴロ併殺で得点を奪えず。
直後の6回表には髙尾響(広陵)の押し出し四球で4点目を献上すると、6回裏は髙山裕次郎(健大高崎)と山畑真南斗(明徳義塾)の連打で無死一、三塁のチャンスを作るが、林鉑濬の変化球と150キロ前後のストレートの緩急を前に後続が続かず無得点。直後の7回表には田崎颯士(興南)が3連続四球でピンチを招くと、曾偉喆のセンター前安打、張趙紘の内野安打で2点をダメ押され万事休す。
7回裏は林鉑濬の前に安打が出ずに試合終了。チャイニーズ・タイペイが6大会ぶり3回目の栄冠に輝いた。
粘り強い戦いでスーパーラウンドを1位通過した侍ジャパンU-18代表だったが、決勝戦は打線が繋がらず、投手陣も踏ん張りきれず悔しい準優勝に終わった。
監督・選手コメント
小倉全由監督
「今日はよく打ったのですが思うようにいきませんでした。みんなが一生懸命やってくれました。昨日、一昨日は良い投手の前にヒットが打てませんでしたが、今日は打てたのでなんとかしたかったです。(今後も野球を続ける選手たちに)相手の喜びようを見たら、こういう悔しい思いをしたくないと思うので、頑張ってやってくれたらと思います」
濱本遥大(広陵)
「悔しいの一言です。昨日、0対1で韓国に負けたので、どういう形でも全員で勝とうと臨みました。(大会出場選手最多の12安打)たくさんの方にサポートしていただいた結果なので感謝したいです。負けた悔しさをこれからに生かしたいですし、サポートしていただいた方に結果で恩返しをしたいです」
間木歩(報徳学園)※主将
「決勝まで来られてチーム一丸となって良い試合ができました。(代表活動期間は)レベルの高い選手同士で刺激し合えた素晴らしい時間でした。選手一人ひとりがチームのことを考えて行動してくれた結果でこういうチームになれたと思います。この悔しさをバネに次のステージでも頑張りたいです。最後まで諦めない日本らしい野球をできたので、胸を張って帰りたいです」
第13回 BFA U18アジア選手権
大会期間
2024年9月2日~9月8日
オープニングラウンド(グループB)
2024年9月2日(月)14:30 日本 19 - 0 香港
2024年9月3日(火)14:30 スリランカ 1 - 20 日本
2024年9月4日(水)19:30 日本 13 - 0 フィリピン
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
2024年9月6日(金)19:30 日本 1 - 0 チャイニーズ・タイペイ
2024年9月7日(土)19:30 日本 0 - 1 韓国
3位決定戦・決勝
2024年9月8日(日)19:30 日本 1 - 6 チャイニーズ・タイペイ
開催地
台湾(台北、桃園)
出場する国と地域
グループA
韓国、チャイニーズ・タイペイ、パキスタン、タイ
グループB
日本、フィリピン、香港、スリランカ