9月3日(土)に韓国で開幕する「第7回WBSC女子野球ワールドカップ 2016 」。沖縄強化合宿の1日目は浦添ボーイズとの練習試合2試合と、侍ジャパン女子日本代表候補による野球教室が行われた。会場はNPB・阪神タイガースのキャンプ地としてもよく知られる宜野座野球場。台風1号の影響による降雨が心配されたが、朝から沖縄らしい太陽が照りつけ、予定時刻に第1試合のプレイボールがかかった。
先発を任されたのは清水美佑(埼玉栄)。スライダーが武器の清水は毎回走者を背負いながらも3回を無失点に。すると4回から登板の荒木未来(アサヒトラスト)も2回を被安打1でピシャリ。3番手の田中露朝(尚美学園大学)も2イニングを投げて得点を許さなかった。大倉孝一監督は、「ピークに持っていくのはまだ先なので」としながらも「よく投げてくれた」と3投手をねぎらっていた。
この試合で3つのダブルプレーを完成させたバックも堅守を見せた。大倉監督は「このあたりは想定しているところです」とディフェンス力に自信をのぞかせる。決して守りからは崩れない。それがマドンナジャパンだ。
一方攻撃は、「あくまでも10対0で勝つ野球が目標ですが、海外のいい投手からはそうは打てない。そんな時にどう点を取るかが課題」であることから、これまでに、一死満塁の場面でスクイズを行うなど、ワールドカップを見据えた練習を行っていたが、大倉監督の目指すところが反映されたのが、2点リードで迎えた最終回の7回だった。
この回、送りバントとスチールをきっちり決めて、ノーヒットで2得点。2点目は三塁走者・金 由起子(ホーネッツ・レディース)が判断よくスタートを切り、「ゴロGO」で挙げたもの。これで勢いづいたマドンナジャパンはその後、大量7得点。第1試合は11対0で勝利を収めた。ただ、大倉監督は「後の7点はおまけみたいなものなので」と、最終回にノーヒットで奪った2点を高く評価した。
大倉監督の考えは、しっかりと選手たちに浸透している。この試合でトップを打った六角彩子(侍)は、
「打てない時にどうするか。ただ打っているだけでは世界の好投手は攻略できないと、私だけでなく選手全員が理解していると思います」と話す。
さらに、その姿勢は第2試合でも見えた。 3回に四球と送りバントに盗塁を絡めて1ヒットで1点を奪う。5回にはダブルスクイズを敢行し、相手エラーを誘った。
終わってみれば、第2試合も7対2と、ともに8年前の全国大会で3位になった実績もある浦添ボーイズに得点差をつけての連勝となったが、勝敗よりもあくまで中身。とことん、ゲーム内容にこだわった練習試合となった。
練習試合の後に行われた野球教室には、金武町、恩納村、宜野座村の少年野球チームが計7チーム参加。マドンナジャパンの選手たちが、正しいキャッチボール、そしてゴロ捕球や打撃の基本を丁寧に教えた。子供たちとの交流は選手にとってもいいひと時になったようで、会場からは子供たちと選手たちの笑顔が絶えなかった。
今合宿で選手の絞り込みをおこない、「第7回WBSC女子野球ワールドカップ 2016 」で「侍ジャパン」のユニフォームに袖を通す選手を決める予定だ。
第7回 WBSC 女子野球ワールドカップ
大会概要
第7回 WBSC 女子野球ワールドカップ 出場選手(2016年7月10日発表)
大会期間
2016年9月3日~11日
オープニングラウンド
9月3日(土)19:00 カナダ 2 - 8 日本
9月4日(日)14:00 日本 12 - 0 オランダ
9月5日(月)14:00 日本 18 - 0 インド
スーパーラウンド
9月7日(水) 14:00 ベネズエラ 2 - 7 日本
9月8日(木) 19:00 日本 10 - 0 チャイニーズ・タイペイ
9月9日(金) 19:00 日本 10 - 0 オーストラリア
9月10日(土)14:00 日本 6 - 0 韓国
決勝
9月11日(日)18:00 日本 10 - 0 カナダ
会場
韓国釜山広域市キジャン郡
侍ジャパン女子代表候補 マドンナジャパン座談会
【第1回】マドンナジャパンの注目3選手の素顔
【第2回】3選手がそれぞれに感じる女子野球界の変化を語る>
【第3回】マドンナを目指す全国の野球女子たちに伝えたいこと