「第1回 WBSC U-23ベースボールワールドカップ」(メキシコ・モンテレイ)の決勝戦が6日(日本時間7日)に行われ、侍ジャパンU-23代表が10対3でオーストラリアを一蹴。見事な戦いぶりで初代王者に輝いた。
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決勝の相手はオープニングラウンドで11対2と大勝したオーストラリア。重圧のかかる試合に、前回対戦で7回途中9奪三振2失点と好投した笠原大芽(福岡ソフトバンク)が先発マウンドに上がった。その笠原は、初回、2回と無失点に抑えたが、3回に7番・S.ケネリー、8番・B.レスリーに連打を浴びて無死2、3塁とされると、1死後に1番・A.ホワイトフィールドに一、二塁間を破られて2失点。さらに続く4回には、3番・Z.シェパードにフルカウントからのストレートを捉えられ、左中間にソロアーチを被弾。3回0/3を6安打3失点で降板することになった。
「笠原が先に点を取られるのを想像していなかった」と斎藤雅樹監督。しかし、4回裏に1死から植田海(阪神)が相手エラーで出塁し、1死満塁のチャンスを掴むと、5番・山下幸輝(横浜DeNA)の内野ゴロを相手一塁手のグラブを弾き、一気に2者生還。さらに1死1、3塁から6番・三好匠(東北楽天)がレフトへ同点の犠牲フライを放つと、2死1、2塁から8番・柿沼友哉(千葉ロッテ)が勝ち越しのレフト前タイムリー。相手の守備の乱れに乗じて一気に逆転に成功した。
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さらに試合の流れを決定づけたのが日本のリリーフ陣。4回途中から2番手の大野亨輔(MHPS横浜)が2回を2安打無失点に抑えると、6回からは本田圭佑(西武)が2イニングを計5奪三振でパーフェクトに抑える快投劇。その投球に打線も応え、6回に4番・真砂勇介(福岡ソフトバンク)が今大会自身4本目の本塁打をレフトスタンドに放り込むと、9番・廣岡大志(東京ヤクルト)も左中間へ特大3ランを放ち、一挙5得点を奪って試合を決めた。
その後、8回に岸本淳希(中日)が2死満塁のピンチをしのぐと、直後に武田健吾(オリックス)のタイムリーでダメ押しの10点目を奪った日本。最終回のマウンドには歳内宏明(阪神)が上り、先頭に四球を与えたものの、そこから3者連続三振でゲームセット。マウンド上で両手を突き上げた歳内の下に、ナインが駆け寄り、歓喜の輪が作られた。
試合後に計7度、宙に舞った斎藤監督は「しっかりと守って、少ないチャンスをものにする野球ができた」とご満悦。大会MVPには真砂が輝き、「自分にとってもいい経験になった」と安堵の表情を見せた。その他、盗塁王に今大会6盗塁の植田、大会ベストナインには外野部門で真砂と武田が選出。笑顔が弾けた若き侍ジャパン。スーパーラウンド3試合では僅差のゲームをものにし、最後はチーム全員の力で初代王者の栄冠に輝いた。
第1回 WBSC U-23ベースボールワールドカップ
大会期間
2016年10月28日~11月6日
オープニングラウンド
10月29日(土)2:00 ニカラグア 1 - 6 日本
10月30日(日)2:00 日本 15 - 3 チャイニーズ・タイペイ
10月31日(月)9:00 アルゼンチン 2 - 10 日本
11月1日(火)9:00 日本 16 - 0 オーストリア
11月2日(水)3:00 日本 11 - 2 オーストラリア
スーパーラウンド
11月4日(金)9:00 日本 2 - 1 韓国
11月5日(土)9:00 パナマ 3 - 2 日本
11月6日(日)9:00 日本 3 - 2 メキシコ
※日時は日本時間
決勝戦
11月7日(月)9:00 日本 10 - 3 オーストラリア
開催地
メキシコ モンテレイ市
参加国
グループA
韓国、ベネズエラ、メキシコ、チェコ、パナマ、南アフリカ
グループB
日本、チャイニーズ・タイペイ、オーストラリア、ニカラグア、アルゼンチン、オーストリア