侍ジャパン・トップチームの稲葉篤紀監督が10月25日、宮崎県日南市の天福球場であった「第14回みやざきフェニックス・リーグ」の広島東洋カープ対北海道日本ハムファイターズ戦で、侍ジャパンのユニホームを着用し北海道日本ハムの指揮を執った。
新生・侍ジャパンの指揮官として采配デビューを飾ったのは、稲葉監督が3年前まで10年間、現役選手として活躍した古巣。現役時代に一緒にプレーしたことのない若手選手も多かったが、稲葉監督は試合前の練習で円陣を組み「勝ちにこだわってやって欲しい」と檄を飛ばし、試合をスタートさせた。
試合では2番・松本剛、3番・近藤健介と「ENEOS アジア プロ野球チャンピオンシップ2017」の侍ジャパントップチームメンバーも起用。稲葉監督はベンチで金子誠ヘッドコーチ、建山義紀投手コーチらと積極的にコミュニケーションをとりつつ「チーム全体のバランスを考えて試合を進めることを意識した」意図通りの采配を随所に見せた。
最も象徴的だったのは7回表二死から左中間二塁打を放った8番・姫野優也に代走・中島卓也を送った場面。「先発の井口(和朋)がテンポの良い投球をしていたのでなかなか選手を動かす機会がなかったけど、あの場面は1点勝負と読んで、足のある中島を出してプレッシャーをかけた」と指揮官はその意図を試合後に明かした。
投手起用では先発・井口和朋の能力を見極めた上で、7回二死からは松本、近藤と同じく「ENEOS アジア プロ野球チャンピオンシップ2017」の侍ジャパントップチームメンバーの左腕・堀瑞輝を2番手マウンドへ送り込んだ稲葉監督。8回裏に3連打で2点を失って降板した堀に対しては「点は取られたが、悪い状態ではない。まだ10代なので自分の特徴をしっかり出して欲しい」と期待を寄せている。
静かだった中盤までとは一転、8・9回は継投、守備交代、代打と積極的に選手を動かした稲葉監督。「ある程度展開と選手の特徴を考えながら、準備はさせていた。その時だけでなく後の展開まで考えながら起用していく難しさがあった」と感想を漏らしつつも体現した勝利への執念に北海道日本ハムの選手たちも呼応する。
2対5の3点ビハインド迎えた9回表には下位打線から粘って2番・松本が三塁強襲の内野安打を放ち、近藤は内野ゴロで1点差に詰め寄る打点を上げた後、4番・横尾俊建のレフト前タイムリー。ここでは二走・松本が積極的な走塁で逆転のホームを踏むなど、侍ジャパントップチームメンバーの躍動も光った。
結局試合は広島が9回裏に同点に追いつき6対6の引き分け。采配初白星とはいかなかったものの、稲葉監督は「選手たちが最後まであきらめず、勝ちにこだわって野球をしてくれた」確かな収穫を手に、10月26日(木)12時30分から宮崎県宮崎市のアイビースタジアムで行われる四国アイランドリーグplus選抜戦で、再び北海道日本ハムの指揮を執る。
ENEOS アジア プロ野球チャンピオンシップ2017
大会期間
2017年11月16日~11月19日
予選
11月16日(木)19:00 日本 8 - 7 韓国
11月17日(金)19:00 韓国 1 - 0 チャイニーズ・タイペイ
11月18日(土)18:30 チャイニーズ・タイペイ 2 - 8 日本
決勝
11月19日(日)18:00 日本 7 - 0 韓国
開催球場
東京ドーム
出場チーム
チャイニーズ・タイペイ代表、韓国代表、日本代表
侍ジャパン選手紹介
2017年11月6日 先発投手編
2017年11月7日 中継ぎ・抑え投手編
2017年11月8日 捕手編
2017年11月9日 内野手編
2017年11月10日 外野手編