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侍ジャパンU-18代表が始動 主将に大阪桐蔭・中川卓也を指名

2018年8月25日

 9月3日に宮崎で開幕する「第12回 BFA U18アジア野球選手権」に出場する、野球日本代表「侍ジャパン」U-18代表の出場18選手が8月25日に東京都内に集合。午後には東京都内のグラウンドで初練習を行った。

 最高気温が35度近くまで上がる厳しい暑さの中ではあったが約3時間、みっちりと汗を流した。初日とは思えないハードなメニューで、ウォーミングアップの後はシートノック、投内連係、シート打撃、フリー打撃を行い、投手陣は合間にピッチング。その後は全員でけん制のチェックなど、国際大会へ向けたルールを全員で確認した。最後はバットスイングで締めるという、中身の濃さである。なお、今夏の甲子園で準優勝へ導いた金足農・吉田輝星投手のみは、蓄積した疲労を取り除くことが最優先され、別メニュー調整だった。

 目標は一つ「アジアNO.1」である。大会連覇へ向けて、侍ジャパンU-18代表を率いる永田裕治監督は、チームの合言葉を定めた。

「何があっても、驚かない」

 昨年のU-18W杯(カナダ)では現地到着の際に、チームの荷物が届かないハプニングが起きた。初日の練習ではバットもなく、ノックは「手投げ」で行うなど、不慣れな海外で厳しい現実に直面した。しかし、早実・清宮幸太郎主将(現日本ハム)以下、決して慌てることなく、冷静に対処していたのが印象的だった。このように国際大会では、予期せぬことが起こるのが日常茶飯事。今回は地元開催のため、そこまでの混乱はないと思われるが、試合においては日本人以外の審判員がジャッジする。「国際規格」に順応していく必要があり、永田監督はあえて、選手たちに危機感を植え付けたのだ。

 18人を束ねる主将には大阪桐蔭・中川卓也を指名した。永田監督はその意図をこう言う。

「大会、練習と今までずっと見ていた中で、適しているな、と。『チームを統括してくれ!!』と言った」

 中川は今夏の甲子園で大阪桐蔭を史上初、同一校で2度目の「春夏連覇」へけん引した主将である。侍ジャパンの主将を「いつかは、やってみたかった。うれしさはある」と笑顔で語ったのも束の間、すぐに表情を引き締めている。

「大阪桐蔭とはまた違った、緊迫感がある。国を背負って戦う責任感。短期決戦。個の力では限界があるので、チームとして戦っていく。必要以上にコミュニケーションを取って、まずは自分を知ってもらいたい」。中川は常葉大菊川・奈良間大己とルームメートだが、今夜からは他の部屋にも積極的に足を運んで、会話を重ねていくという。

 背中と行動で見せるキャプテンの姿勢が、すでに、吉田の心にもしっかりと浸透している。 「初ミーティングであいさつと抱負を述べたんですが、中川はこう言っていたんです。一人ひとりに役割がある、と。一人ひとりがまっとうできれば、大きな力になる、と。連覇という大きな目標を掲げているので、自分の力で少しでも貢献できたらいい」

 大阪桐蔭の副将として「主将・中川」を支えてきた根尾昂が「各チームの代表選手が集まったので、各自の良さを出し合って、混ぜ合わせていく。ふだんの生活からそういう会話をしていきたい」と言えば、昨年に続く代表入りとなった藤原恭大も、「横のつながりが大事。それが、野球にもつながってくる。18人でしっかり、コミュニケーションを取っていきたい」と、頼もしい発言が聞かれた。

 永田監督は初日の時点で「副将はこれからの練習の経過で見極めながら決めていきたい」と語っていたが、リーダーシップ抜群の主将の側近に、自覚のある2人が控えているのは心強い限り。「急造チーム」が一つに結束するのも、そう時間はかからないはずだ。

 主将・中川は改めて決意を口にする。
「遊びに来たわけではない。勝つために来た」。常に結果を追い求め、周囲からは結果が求められてきた環境でプレーしてきたリーダーの下、高校日本代表は前だけを見て進んでいく。

 なお、チームは28日の壮行試合(対大学日本代表、神宮球場)を含め、29日まで都内近郊で調整を続け、同日夜に宮崎へ出発する予定となっている。

第12回 BFA U18アジア選手権

大会概要 出場選手

侍ジャパン壮行試合 高校日本代表 対 大学日本代表

大会期間

2018年9月3日~9月10日

グループA

9月3日(月)18:00 日本 26 - 0 香港
9月4日(火)18:00 スリランカ 0 - 15 日本
9月5日(水)18:00 日本 1 - 3 韓国

スーパーラウンド

9月7日(金)18:00 チャイニーズ・タイペイ 3 - 1 日本
9月8日(土)18:00 日本 (中止) 中国

3位決定戦

9月10日(月)13:00 日本 14 - 1 中国

開催地

日本(宮崎)

出場する国と地域

グループA
日本、香港、韓国、スリランカ

グループB
中国、チャイニーズ・タイペイ、パキスタン、インドネシア

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