9月1日、埼玉県の本田技研笠幡球場で「第5回 WBSC U-23ワールドカップ」(中国・紹興市で9月6日から15日)に出場する侍ジャパンU-23代表の直前合宿が始まった。
台風10号と暖かく湿った空気による記録的大雨の影響でこの日、7名の選手が合流できず、残りの17名で都内のホテルに集結し午後からの練習に臨んだ。練習開始前には川口朋保監督からの「今日からワールドカップ終了までの15日間は長いようで短く、あっという間にすぎる。日程的に厳しいが、24人のメンバー、そしてスタッフの皆さんを含めてチーム一丸になってやっていきたい」という言葉があり、今大会のチームのキャプテンに野口泰司(NTT東日本)が就くことが発表された。
その後、JAPANの文字の入った練習着を身につけた選手たちはグラウンドへ移動し、練習を開始した。合宿初日ということもあって、野手陣はトスやティーバッティング、ロングティー、打撃練習で汗を流し、最後は内外野陣がノックを受けるなど、軽めのメニューをこなした。一方、投手陣の一部は室内練習場内のブルペンで投球練習を行い、力のこもった投球を見せていた。
上述の大雨等の不安定な天候で練習への影響も危惧される中、蒸し暑さはありながらも練習時間の大半で雨に振られることはなく、無事、練習をこなすことができた。川口監督はチーム内での連携や相互理解を密にすることが成果につながると述べているが、初日の選手たちの様子に「コミュニケーションをしっかりとることができていた」と満足げだった。
9月2日は午前から本田技研笠幡球場で練習を行い、午後からは今回のワールドカップに出場するU-23ニカラグア代表と練習試合を行い、同3日にも同様に練習の後にHondaとの練習試合が予定されており、翌4日には開催地・紹興へ向けて出立する。
23歳以下の若手選手の国際大会である「U-23ワールドカップ」は2016年から2年に1度のペースで開催され、今回で第5回となる。日本は過去3度の出場で優勝2回、準優勝1回の成績を収めている(第3回大会はコロナ禍の影響で不参加)。第1回、第2回大会はプロアマ混合チームで臨んだ日本だったが、前回の第4回大会は社会人野球でプレーする選手のみでのチーム構成で臨み、見事に第1回大会以来の優勝を成し遂げた。
今回選ばれた24名の選手は6月下旬から始まった選抜合宿を経て選抜されている。ディフェンディング王者として今大会に臨む日本は、大会史上初の連覇を狙う。
監督・選手コメント
川口朋保監督
「今日は7人が参加できなかったですが、残りの17人がしっかりと自分の体を動かすこと、それとコミュニケーションとることをしっかりできていたので、まず今日としては良かったのではないかなと思います。(選抜した24名の選手については)U-23の社会人のこのカテゴリーの中でのトップクラスというのを作っていかなければいけないと思っています。今回のメンバーも含めて将来的に社会人を背負っていく、社会人の中でのトップの代表になりうる人材を含めて選びました。チームの事情などが絡んだりいろんな複数の要素がありますが、24人のメンバーというのは今年最高のメンバーとして集まっていますから、しっかりと協調しながらやってもらおうかなと思っています」
野口泰司(NTT東日本)
「(キャプテンに指名され)ちょっと正直びっくりはしましたが、でもすぐにそれを飲み込んで、どうやったら侍ジャパンU-23代表を勝たせられるかとすぐ切り替えられました。(キャプテンとして)U-23というところでやはり若い選手が多い中で試合をするので、いいプレーをするとかではなく、まずはチャレンジ精神を持って、失敗を恐れずにやっていくというところが勝利に繋がると思うので、そういうところを突き詰めたいと思っています。(24名のメンバーを見て)チーム全体でコミュニケーションが取れているので、全員、積極的なプレーはできるかなと今日の練習でも感じましたし、自分が引っ張っていくという形でチームを盛り立てていきたいです」
第5回 WBSC U-23ワールドカップ
大会期間
2024年9月6日~9月15日
オープニングラウンド(グループA)
2024年9月6日(金)20:00 日本 1 - 6 プエルトリコ
2024年9月7日(土)15:30 日本 2 - 0 中国
2024年9月8日(日)20:00 オーストラリア 1 - 4 日本
2024年9月9日(月)20:00 日本 7 - 1 コロンビア
2024年9月10日(火)20:00 イギリス 1 - 4 日本
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
スーパーラウンド
9月12日(木)20:00 日本 5 - 1 ベネズエラ
9月13日(金)15:30 ニカラグア 1 - 9 日本
9月14日(土)20:00 日本 2 - 1 韓国
決勝
9月15日(日)10:00 プエルトリコ 0 - 5 日本
開催地
中国(紹興市)
出場する国と地域
グループA
日本、オーストラリア、プエルトリコ、コロンビア、イギリス、中国
グループB
韓国、チャイニーズ・タイペイ、ベネズエラ、オランダ、ニカラグア、南アフリカ