6月23日、「第45回 日米大学野球選手権大会」(7月8日から13日まで北海道、新潟、東京で5試合開催)に向けた侍ジャパン大学代表の選考合宿最終日が神奈川県平塚市のバッティングパレス相石スタジアムひらつかで行われた。そして、終了後すぐに選考会議が行われ代表26選手が発表された。







3日目となったこの日も紅白戦を実施。5イニング制で行われ、全日本大学野球選手権での疲労を考慮され2日間登板していなかった櫻井頼之介(東北福祉大)、米田天翼(東海大)、鈴木泰成(青山学院大)、藤川泰斗(福井工業大)、中西聖輝(青山学院大)が登板。アンダースローの渡辺向輝(東京大)が3日続けて登板し、齊藤汰直(亜細亜大)と山城京平(亜細亜大)が中1日で登板した。
また野手陣は、三塁手や二塁手の松下歩叶(法政大)が遊撃手、二塁手の繁永晟(中央大)が三塁手、三塁手や二塁手の立石正広(創価大)が左翼手、捕手の小島大河(明治大)が一塁手、一塁手の小田康一郎(青山学院大)が三塁手で起用された。どの選手も不慣れなポジションであったはずだが、4度の打球を難なく処理した松下らどの選手も無失策で終え、高い対応力を見せた。







天候にも恵まれ充実の合宿を打ち上げた後はすぐに、監督・コーチ、選考委員で選考会議を実施。午後の記者会見で代表26選手が発表された。
堀井哲也監督は3日間の合宿を総括し「リーグ戦や大学選手権が終わった後にもかかわらず、多くの選手がベストパフォーマンスを出してくれました」と感謝し、「白熱した活発な議論がなされ、苦渋の決断もありました」と、レベルの高い選考だったと振り返った。
アメリカ大学代表と戦うにあたり、投手については「縦の変化球が使えることや、2・3巡目から対応してくるイメージがあるのでタイプの異なる投手を揃えました」、野手については「余計な失点を与えないこと。速いボールへの対応」が選考のポイントとなったことを明かした。また、俊足が光った杉山諒(愛知学院大)のように「一芸に秀でた選手も選びました」と語った。
主将には松下、副将には繁永晟(中央大)を任命。「声かけやチームを動かすタイミングが来ると思うので、そこで適していると思いました」と理由を挙げた。





選ばれた26選手は6月30日に、バッティングパレス相石スタジアムひらつかに再び集結。実戦は7月2日に三菱重工East(13時開始予定)、3日に横浜DeNAベイスターズ二軍(14時開始予定)、4日に東京ヤクルトスワローズ二軍(12時半開始※この試合のみ明治神宮野球場で開催)と3試合を行い、5日から第1戦、第2戦の開催地である北海道へ向かう。また、昨年に引き続き、堀井監督と同じ慶應義塾大OBで2004年アテネオリンピックで銅メダル獲得にも貢献した高橋由伸氏が、1日と2日に臨時コーチとして指導を行う予定となっている。
直前合宿のテーマについて堀井監督は「打者の速球対策」「投手のコンディショニング」「無駄な失点を与えない守備力」の3つを挙げた。
熾烈な代表争いを制した26選手が、いかに団結してMLB予備軍ともいえる選手たちに立ち向かうのか。重要な準備期間となりそうだ。
選手コメント
渡辺向輝(東京大)
「(代表選出はならなかったが3日連続で登板し無失点)いつも通りの結果を出すことができて良かったです。普段は先発ばかりで、連投が久々で上手くいくところ・いかなかったところありましたが、ランナーを背負ってから上手く打たせて失点しないという持ち味を出せました。(3日間を終えて)プロを目指す選手のレベルの高さを思い知らされたのが正直な感想です。キャッチボールで捕ったことがないような球が当然のようにきますし、フォームについて話していても、ついていけないような高度な話があって、違う世界の人たちなんだと感じました。(経験を活かしたいところ)東大野球部は頭で勝とうと言っているのですが、ここにいる選手の方が頭を使えるし、野球に関して頭が良くて、勝てないことばかりだと感じたので、チームに持ち帰って共有していきたいです」
松下歩叶(法政大)
「ショートは大学2年までやっていてずっとやりたいポジションだったので、できて良かったです。久々でしたが、やっぱり楽しいなと思いました。周りを見ながら動かすポジションですし、難しさもまた楽しいのでチャレンジしたいなと思います。去年は緊張があったのですが、今年は少し余裕がある中でできて様々なことを吸収できました。1日目に主将役も経験して思いましたが、自分が引っ張るというよりも去年の国際大会の経験を共有していきたいです。勝負強さが売りなのでチームを救えるような、引っ張れるようなプレーを攻守でしたいです」
毛利海大(明治大)
「(前日までの紅白戦2試合で1人の走者も許さず)明治もレベルが高いのですが、また違ったレベルの高さを間近で感じることができ、刺激的な3日間でした。立命館の有馬くんをはじめ、いろんなことを考えていました。変化球で苦手な球種があるので、そのリリースや体の使い方を聞きました。与えられたポジションで最大限の力を使って抑えていきたいです。持ち味はすべてのボールがカウント球にも勝負球にもできること。ストレートのキレにも自信があるので、アメリカにどこまで通用するのか試してみたいです」
第45回 日米大学野球選手権大会
大会期間
2025年7月8日~7月13日
試合日程
7月8日(火)18:00 日本 - アメリカ
7月9日(水)18:00 アメリカ - 日本
7月11日(金)17:00 日本 - アメリカ
7月12日(土)12:00 アメリカ - 日本
7月13日(日)17:00 日本 - アメリカ
開催球場
エスコンフィールドHOKKAIDO
HARD OFF ECO スタジアム新潟
明治神宮野球場