9月17日、「第31回 BFA アジア選手権」(中国・平潭で9月22日から28日)に出場する侍ジャパン社会人代表の直前合宿が東京都の東京ガス大森グラウンドで始まった。





初日となったこの日の練習は、午後から約2時間と短時間で行われ、野手はフリー打撃を中心に、投手陣はブルペンでの投球練習や投内連係に取り組んだ。
川口朋保監督が練習の冒頭で強調したのはコンディション面について。「体調のちょっとした変化やけがをしたら隠さずに正直に伝えてほしい」と選手に呼びかけた。ほとんどの選手が出場した第96回都市対抗野球大会が終わって間もないタイミングでの代表活動であり、コンディション面に不安もある。ウォーミングアップ中にはトレーナーが一人一人と念入りに現在の状態を確認した。
また主将には逢澤崚介(トヨタ自動車)を任命。自チームでは主将を務めるも、侍ジャパンでは初めての経験。「約2週間という時間の中で、チームを仕上げていかないといけない。良い関係性を築くために選手間だけでなく、スタッフとも良いコミュニケーションを取って、活気のあるチームにしましょう」とあいさつし練習が始まった。
9月中旬だが、気温30度を超える蒸し暑い環境でも集中力を切らさなかった。野手はフリー打撃を中心に取り組み、川口監督ら首脳陣はラプソードで測定した弾道データなども活用しながら選手の状態を把握した。また、シートノックは行われなかったが外野手は捕球練習、内野手は投手とともに二塁けん制の練習も行い、明日の実戦に向けて連係プレーを確認。投手も数人がブルペンに入り投球練習をし、3名の捕手とも長くコミュニケーションを取る姿も見せた。






今回の代表選手24人のうち、社会人代表初選出は投手6人、野手11人の計17人と過半数を占める(昨年のU-23代表3人を含む)。選考について川口監督は「大きな差がないので選ぶのは相当苦労しました。普段から見ているが、選考合宿という場でしっかり結果を出した選手を中心に選びました」と話した。日本選手権予選の期間と重なっている影響もあるとしながらも「このメンバーは今年の社会人代表のベストメンバーだと思っています。この24人と戦えることは嬉しい気持ちでいっぱいです」と笑顔を見せた。
直前合宿2日目は同じく東京都の東京ガス大森グラウンドで練習を行い、13時から(予定)は東京ガスとの代表結成後初実戦を迎える。「22日のアジア選手権初戦にどう調子を上げていけるかに全力で集中して欲しい」との川口監督の要望に、グランドで選手たちがどのように応えるか注目したい。
監督・選手コメント
川口朋保監督
「(選手には)社会人のカテゴリーは日本の文化、その魅力を世界に発揮できるチャンスが来ているので、誇りを胸に戦っていきましょうと話しました。(選手のコンディションについては)普段ずっと見ているわけではないのですが、都市対抗を経ているので体が少し重そうな選手もいるように感じました。選手たちのコミュニケーションについては、私が就任してから口酸っぱくその話をしているので、理解してしっかりやってくれていると思います。(明日の実戦では)都市対抗が終わってから試合をしておらず、実戦が久々の選手もいるので、対ピッチャー、対バッターの感覚をベストにしてもらいたいと思います」
逢澤崚介(トヨタ自動車)
「初招集の選手も多いので、代表に向けてのコミュニケーションはしっかり今日から意識しました。全員が都市対抗で悔しい思いをして臨んでいると思います。(この3日間は)アジアでチャンピオンを取るという最大の目標があるので、その思いを1つにしてやっていく期間にしたいと思います。(主将選出を知ったのは)川口監督に先週の金曜日に自チームのグランドに来ていただいて、直接任せるということを言っていただきました。『見ている人にワクワクしてもらえる試合にしてもらいたい』と言われたので、そのために自分たちが楽しくワクワクするような試合をしないと、お客さんに伝わらないだろうと解釈しました。そういったチーム作りは意識して、あいさつでは活気あるチームにしていきましょうと話しました」