9月21日、「第20回 アジア競技大会」の野球競技(9月21日から27日まで愛知県岡崎市、豊橋市)が開幕。オープニングラウンドでグループAの侍ジャパン社会人代表は、豊橋市民球場で中国との初戦に臨んだ。序盤は相手先発左腕に苦しんだものの、中盤以降に打線がつながり11対3で勝利。大会初戦を白星で飾った。

先発を託されたのは樋口新(王子)。捕手には、直前合宿の実戦でもバッテリーを組んだ辻本勇樹(NTT西日本)が入った。強風が吹く難しいコンディションの中、樋口は2回に2本の二塁打で1点を先制される。
打線も、前回のアジア競技大会の日本戦で5回無失点と好投した中国の先発左腕ワン・シャンを前に3回まで無安打。低めの変化球に苦しんでいたことから、4回の攻撃前の円陣では、低めを見極めて狙うゾーンを上げることを共有した。
すると先頭の向山基生(NTT東日本)が二塁打で出塁し、4番の逢澤崚介(トヨタ自動車)が高めの直球をセンター前へ弾き返して同点。熊田任洋(トヨタ自動車)の二塁打で好機を広げると、山田健太(日本生命)がライト前へ2点タイムリーを放ち、3対1と勝ち越した。
直前合宿では鋭い打球を放ちながら、なかなか安打に繋がらなかった山田。川口朋保監督は「状態は悪くなかった。あとはインパクトの強さだけだろうと話をしていました」と振り返った。この日、山田は6回にもタイムリー、9回にも安打を放ち、3安打を記録した。
打線の援護に樋口も応える。逆転直後の4回裏、先頭に二塁打を許したものの、そこから3者連続空振り三振。「ここを抑えたら流れが来ると思ってギアを上げて、辻本さんのミットめがけて投げました」と気迫の投球で流れを渡さなかった。

5回に相手の連続失策と向山のセカンドゴロの間に1点を加えると、6回には向山、逢澤、水谷祥平(JR東海)のタイムリーなどで一挙6得点。序盤に苦しんだ打線が試合の中で修正し、10対1と大きくリードを広げた。
樋口は6回6安打1失点、10奪三振。辻本も「直前合宿の時と同じように、どの球種でもカウントを取れて、決め球にもできていました」と手応えを口にした。
7回に嘉陽宗一郎(トヨタ自動車)がルアン・チェンチェンに2ラン本塁打を浴びたものの、9回には和田佳大(トヨタ自動車)の内野ゴロの間に1点を追加。最後の守備では和田、添田真海(日本通運)に好プレーが飛び出して会場を沸かせると、8回から登板していた渕上佳輝(トヨタ自動車)が見逃し三振を奪い試合を締めた。
そして、初戦を後押ししたのが、東海地区の企業チームの応援団が集まった「東海ドリーム応援団」だ。試合前にはエール交換が行われ、スタンドには各チームで親しまれている応援歌が響いた。馴染みのある曲も、所属地区が違えば初めて耳にする曲もある。チームの垣根を越えた声援に、選手たちも力をもらった。
川口監督も「『社会人野球ってこんなことをするんだ』と思ってもらって、興味を持ってもらえたら」と笑顔を見せた。
序盤の劣勢にも慌てず、試合の中で修正して流れを引き寄せた侍ジャパン社会人代表。グラウンドとスタンドが一体となり、勝利とともに社会人野球の魅力も届ける初戦となった。
次戦は22日の18時半から岡崎中央総合公園野球場でパレスチナと対戦する。スタンドからの力強い後押しも受けながら、次戦も一戦必勝で勝利を目指す。
選手コメント
逢澤崚介(トヨタ自動車)
「監督もおっしゃっていたように、試合の入りをしっかりしようという中で、先制はされましたが、1点を取った後にしっかり畳みかけられたことが、勝ちにつながったポイントだと思います。自分の打席では、相手のミスもあってできたチャンスだったので、ゾーンを上げて高めのボールを狙っていました。その中で、高めのストレートを一振りで仕留められたのは良かったです」
向山基生(NTT東日本)
「難しい試合の入りにはなりましたが、ベンチの雰囲気はすごく良かったですし、結果的に勝つことができて良かったです。応援も、音楽を聴きながら新鮮味を感じていました。東海地区の皆さんが結集して応援してくださるのは本当にありがたいことですし、明日以降もその期待に応えたいです」
山田健太(日本生命)
「初めての国際大会で独特の緊張感はありましたが、『楽しんでいこう』と選手同士で話して、それを実行できたのは良かったです。結果はコントロールできないと学んできた中で、今は自分にできることに集中するようにしています。初めての経験、独特の雰囲気の中での試合でしたが、たくさんの声援を受けながらプレーできたことが本当にうれしかったですし、楽しむことができました」
第20回 アジア競技大会
大会期間
2026年9月21日~9月27日
オープニングラウンド(グループA)
9月21日(月)18:30 中国 3 - 11 日本
9月22日(火)18:30 日本 - パレスチナ
9月23日(水)12:00 日本 - フィリピン
スーパーラウンド
9月25日~9月26日
決勝・3位決定戦
9月27日
開催地
日本(岡崎市・豊橋市)
出場する国と地域
グループA
日本、中国、フィリピン、パレスチナ
グループB
チャイニーズ・タイペイ、韓国、香港、タイ






















