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「社会人野球をもっと強く、面白く」侍ジャパン社会人代表が示した価値と見つけた課題

2026年9月28日

最後まで貫いた、社会人野球の“当たり前”

 9月27日まで愛知県岡崎市、豊橋市で行われた「第20回 アジア競技大会」の野球競技。韓国との決勝を終え、侍ジャパン社会人代表のアジア競技大会が幕を閉じた。結果は銀メダル。目指していた32年ぶりの金メダルには、あと一歩届かなかった。それでも、この大会で残したものは結果だけでは語り切れない。川口朋保監督率いる侍ジャパン社会人代表が始動時から掲げてきたのは、「社会人野球の価値と魅力を伝えること」。凡打でも一塁まで全力で走り抜く。次の塁を狙い、一つのアウトにこだわる。好プレーには全員で喜び、苦しい時ほど声を掛け合う。社会人野球で磨いてきた一つひとつを、国際舞台でも変わらず徹底した。決勝でも先制されながら粘り、7回に同点。再び勝ち越されても、最後のアウトまで次の1点を求めた。約2カ月積み重ねてきた野球を、最後まで貫いた。

「もっと良く」を求めて――変化を恐れない24人

 その一方で、新しいものを取り入れることにも貪欲だった。国際大会で待ち受ける150キロを超える速球にどう対応するか。直前合宿からスポーツビジョントレーナーが帯同し、目から入った情報を素早くプレーにつなげるためのトレーニングを導入。データアナリストも相手の特徴を分析し、準備を支えた。得た情報やアドバイスを聞くだけで終わらせず、すぐに試す。うまくいかなければ修正し、またチャレンジする。選手同士でも惜しみなく言葉を交わした。今までのやり方に固執せず、より良くなるためなら変化を恐れない。その柔軟性と貪欲さが、短期間での成長を支えていた。

アジアと戦ったからこそ見えた、次への課題

 そして、アジアと戦ったからこそ見えた課題もある。川口監督が大会後に挙げたのは、「強いボールを打つ力」。力のある投手と対峙する中で、その力がまだ足りなかったと振り返り、社会人野球全体で高めていきたい部分だと話した。今大会で得た手応えも、突きつけられた課題も、経験した選手たちがそれぞれのチームへ持ち帰っていく。「社会人野球をみんなに知ってもらいましょう」と伝え続けてきた川口監督は、「誰一人外れることなく、みんなで社会人野球の魅力を発信しようと体現してくれた」と選手たちを称えた。自分たちの野球をアジアに示す一方で、アジアから吸収する。今大会は、社会人野球の現在地と、その先を見つめる機会にもなった。

ライバルから仲間へ 試合ごとに深まったチーム力

 所属企業も年齢も違い、普段はライバルとして戦う選手たち。それでも、試合を重ねるごとにチームは一つになっていった。主将の逢澤崚介(トヨタ自動車)も「試合ごとに本当にチーム力が高まっていくのを感じていました」と振り返る。休養日にも多くの選手がグラウンドへ足を運び、自分の課題と向き合った。時には選手同士でアドバイスを送り合い、それぞれが持つ知識や経験を惜しみなく共有した。もっと良くなりたい。その思いを全員が持っていたからこそ、互いを認め、支え合う関係が生まれた。「24人で監督を胴上げしたかった」と逢澤。その願いは叶わなかった。それでも、「この24人で戦えたことは、全員にとって人生の財産になると思います」。金メダルに届かなかった悔しさも含め、このチームで過ごした時間はそれぞれの胸に刻まれた。

この経験を、社会人野球全体の力に

「4年後にもつながる大会になったと思います」。逢澤はそう振り返った。この24人が再び同じユニホームを着て戦うとは限らない。大会を終えれば所属チームへ戻り、今度はライバルとして向き合う。それでも、ここで得たものは社会人野球へと還元されていく。変わらず大切にするものがあり、世界と戦うために変えていくものもある。その両方を追い求めた約2カ月だった。銀メダルで幕を閉じたが、アジアを相手に挑み、学び、見つけた課題はここから先へと続いていく。この大会を経験した24人が、それぞれの場所でまた社会人野球を強く、面白くしていく。

監督・選手コメント

川口朋保監督

「本当に素晴らしい選手たちが集まってくれました。勝って終われたら最高でしたが、力が足りなかった。この24人が最後まで精いっぱいプレーしてくれたことに感謝しています」

逢澤崚介(トヨタ自動車)

「24人で金メダルを獲りたいという思いが強かったので、届かなかったことは悔しいです。ただ、この24人で戦えたことは全員にとって人生の財産になると思います。この経験を生かして、それぞれがさらに成長し、社会人野球を盛り上げていきたいです」

第20回 アジア競技大会

大会概要  出場選手

大会期間

2026年9月21日~9月27日

オープニングラウンド(グループA)
9月21日(月)18:30 中国 3 - 11 日本
9月22日(火)18:30 日本 15 - 0 パレスチナ
9月23日(水)12:00 日本 7 - 0 フィリピン

スーパーラウンド
9月25日(金)18:30 日本 5 - 0 韓国
9月26日(土)18:30 日本 7 - 3 チャイニーズ・タイペイ

決勝
9月27日(日)18:30 日本 1 - 3 韓国

開催地

日本(岡崎市・豊橋市)

出場する国と地域

グループA
日本、中国、フィリピン、パレスチナ
グループB
チャイニーズ・タイペイ、韓国、香港、タイ

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