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第1回 IBAF 21Uワールドカップ 合宿総括

2014年11月6日

 第1回IBAF 21Uワールドカップに出場する侍ジャパン21U代表。21歳以下のプロとアマチュア(大学・社会人)で混成された24人の選手は、11月7日からの大会を前に、東京で5日間の合宿を行った。その内容は非常に目的意識が高く、中でも3、4日に行われた巨人のファームと強化試合では数多くの成果が見られた。

 投手陣では平田勝男監督が先発の柱として名前を挙げた、中村勝※(日本ハム)が3日の試合に先発。1軍経験者が並ぶ巨人打線に対し、2回を投げ被安打1、無失点。緩急を生かした投球で今季8勝の実績通りの姿を見せた。2番手には同じく今季8勝を挙げ、先発として期待される上沢直之(日本ハム)が2回被安打2、無失点。3つの三振を奪い好投した。
投手のキャプテン役を担う中村は試合後、「このメンバーの中で、今シーズンの成績という点では僕ら2人が投手陣を引っ張ることになる」と責任感を口にした。

 3日に登板した6人の投手の中で、唯一のアマチュア選手だった山岡泰輔(東京ガス)は、2-2で迎えた9回裏、1死2塁という、本番さながらの緊迫した場面でマウンドに上がった。ここで山岡は2者連続の四球を与え、1死満塁。迎えた代打の河野元貴にサヨナラ犠牲フライを許した。しかし平田監督はこの結果について前向きにとらえている。「山岡は厳しいところで練習ができた。いい経験になった試合だったと思う。9回はスライダーが曲がりすぎたようだ」。
山岡は特例で行われた10回にも登板。バッテリーは前の回とは異なりチェンジアップを増やし、短期決戦で必要な切り替えの早さを見せた。これに平田監督は「全く心配していない」と山岡の大会での活躍を期待した。

 また4日の試合では、阪神のドラフト1位、横山雄哉(新日鐵住金鹿島)が先発。2番手で登板の田口麗斗(巨人)は2回を投げ、打者6人から3三振を奪う好投を見せた。この試合では5人の投手がマウンドに上がり、2度の強化試合で投手11人すべてが最後の実戦投球を行った。
3日の試合を視察した、侍ジャパンアンバサダーの赤星憲広氏は強化試合でのバッテリーについて、「キャッチャーの高城(俊人=DeNA)くんが投げさせたい球と、ピッチャーが投げたい球をお互いが探りながら、試合を通じて理解し、レベルアップさせるいい機会だった」と評価した。

 一方の打線は、3日の試合で巨人の先発、宮國椋丞に6回4安打、2得点に抑えられた。そんな中、2回表には4番近藤健介(日本ハム)、5番鈴木誠也(広島)が連打で出塁。続く三好匠(楽天)が2ストライクからきっちり送って、1死2・3塁とした。ここで、7番辻東倫(巨人)はカウント0-2と追い込まれた3球目、キャッチャーが構えた内角よりも甘く入ったボールを逃さず、ライトへのタイムリーヒット。「代表チームは刺激がある」と話す辻のタイムリーは貴重な一打となった。

 平田監督は3日の試合後、打線について、「各選手、実戦から遠ざかっている。しかし、1番の牧原大成※(ソフトバンク)、4番の近藤健介(日本ハム)の調子が上がってくれば心配はない」と話した。また赤星氏も、この試合の打者について「タイミングが合っていなかった」とし、「実戦で1日でも早くズレを修正できれば」と話した。また打線のポイントとして、「1、2、3番が出塁率を挙げて、4番の近藤くんの前にランナーを置くこと」を挙げた。

 大会前の最後の実戦練習となった翌4日。この日は打順を入れ替え、前日と違って上位打線が機能した。1-0で1点リードの6回裏、9番、代打の柴田竜拓(國學院大学)が四球で出塁すると、1番牧原が送り、2番武田健吾(オリックス)、3番鈴木、4番近藤が3連打。打線がつながった日本代表はこの回は3点を挙げ、大会前、最後の実戦で前日の不安を払拭した。
また、大会対策として3日の試合では、延長戦に導入されるタイブレークの練習を9、10回に実施。平田監督は「タイブレークは難しさがあるがしっかりとイメージできた。いい練習になった」と充実した表情を見せた。

 国内合宿を終え、大会に向けての準備が整った侍ジャパン21U代表。5日に開催地の台湾入りするメンバーは、7日からの1次ラウンドでグループBのオーストラリア、ベネズエラ、オランダ、ニカラグアと対戦する。世界の頂点を目指す若き侍たちは、国際舞台でどんな姿を見せてくれるだろうか。

第1回 IBAF 21Uワールドカップ

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