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"世界の野球"「リトルリーグ・バンコクサンダース(タイ代表)仙台強化合宿~後編~」

2016年9月5日

写真・文=色川冬馬

 リトルリーグ・バンコクサンダース(タイ代表)が仙台にて強化合宿を行った事を機に、前章では野球普及底辺の世代と言える12歳以下における世界の野球情勢について記述した。この章では、タイ代表が仙台で強化合宿を行った意義について述べていきたい。

 タイ野球の父と称される青山氏との御縁は世界の野球「タイ編」で記した通りあるが、今回仙台で合宿を行いたいと連絡を頂いたのは2016年4月の事だった。例年、バンコクサンダースは東京近郊にて合宿を行っていたそうだが、前述のように、タイ野球は現在財政難にあり、今年の東京合宿は難しいという事だった。そこで急遽、仙台にて受け入れる事が出来ないかと打診が入った。準備期間はたったの2ヶ月ということで、宿泊先、試合相手と試合会場を早急に押さえる必要があった。いずれにせよ、回答を急がなくては候補地・仙台がダメだった場合、次なる候補地を探す時間が限られてしまう為、スピード勝負の決断と実行力が試された。

 これまで東北の地方都市として数々の国際大会誘致に成功し、各種プロスポーツの本拠地として選ばれてきた仙台において、意外にもリトルリーグの国際親善試合が行われる事は初めてだった。仙台市スポーツ振興課が中心となり、仙台市スポーツ振興財団やスポーツコミッションせんだい(行政、大学、そして民間企業等が一体となりスポーツを通した街の活性化を進める団体)等の外郭団体へ協力を仰ぎ、強化試合においては宮城県リトルリーグ協会より全面的な協力を頂き、宮城の子ども達とタイの子ども達の交流が初めて仙台にて実現した。
 仙台の歴史や食文化にも触れていただこうと、宮城を代表する地域の建設業「深松組」様から御協賛を頂き、「うまい鮨勘」様より宮城が誇る本場のお寿司を提供して頂いた。移動はNPO法人TEAMi(バレー女子日本代表佐藤あり紗卒)という次世代のアスリート育成を行う地元バレーボールクラブのバスを滞在期間中お借りし、試合の合間の時間を縫っては宮城の高校生と仙台城址などを散策し、観光を通して国際交流も行った。また、宮城の地元紙及び番組で野球を通した子ども達の交流が取り上げられ、タイの野球少年達は大喜びだった。

 ご協力・御協賛頂いた各種企業・団体の皆様にご臨席を承り開催したウェルカムパーティでは、スポーツを通して競技団体や業種の垣根を超えた国際交流をはかっていく価値と意義がそれぞれの立場から述べられ、野球を通して一つになった瞬間を感じた。仙台国際空港が民営化になり、インバウンド推進施策を講じる仙台にて、子ども達がスポーツを通して交流を深めることは、将来の仙台とタイの架け橋に繋がるなど、改めて教育の重要さが強調された。
 これから野球を世界へ普及していく上で、野球というスポーツを介して生まれる教育的価値を高める事は、野球普及における武器になる。実際、私がイランにて野球を普及させているときも、野球の教育的価値を中心にイラン野球協会と声明を発表し、各都市を回っていた。
 野球の先進国と途上国ができる事を掛け合わせ、いずれは野球というフィールドを超え、スポーツが競技団体・業種を超え各種企業・団体の御縁を繋ぐ橋渡しとなり、イノベーションが生まれる可能性もあっていいのかもしれない。

タイ野球の歩み
著者プロフィール
色川冬馬(いろかわ とうま)
2015年2月にイスラマバード(パキスタン)で行われた西アジア野球選手権にイラン野球代表監督として、チームを2位へと導く。同大会後、パキスタン代表監督に就任。2015年9月に台湾で行われた「第27回 BFA アジア選手権」では、監督としてパキスタン代表を率いた。

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