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試合レポート

U-18対戦国紹介/年齢に応じた育成システムで強化を図るオランダ

2017年9月4日

 他の追随を許さないヨーロッパ選手権における21回の優勝、オリンピック出場4回、4大会すべてに出場しているWBCでの2013年大会における準決勝進出など、ヨーロッパ大陸における覇権をイタリアと争っている。

この国で野球が始められたのは20世紀に入ってからのこととされる。1912年には、オランダ野球協会が創立され、1922年には現在まで続くトップリーグ、フーフトクラッセが始まっている。現在8チームで構成されているこのリーグは、42試合のレギュラーシーズンを争い、下位チームは下部リーグのチームと入れ替わるオープンシステムを採用している。

 オランダの強みは、バレンティン(ヤクルト)の出身地でも有名なキュラソーに代表される、カリブ海にある海外領土である。周囲を野球の盛んなキューバやドミニカに囲まれたこの地域では、ここ20年ほどの間に急速に野球人気が向上し、アンドリュー・ジョーンズ(元楽天)など幾多のメジャーリーグを生んだ。そして現在、人口比においては世界トップのメジャーリーガー輩出地域となっている。
 その結果、この地域で生まれ、アメリカでキャリアを積んだ者が、その選手生活の晩年をオランダ本国で送ることも珍しいことではなくなった。そういう選手が本国のプレーレベルを引き上げ、また、ヤンキースのショート、ディディ・グレゴリウスのように、彼らの子供世代である「カリブ二世」が、今度は、オランダ本国からカリブ経由でメジャーに登りつめるような現象も起こるようになってきている。

他の多くの国と同じように、オランダにも基本的に「部活」はない。人気スポーツのサッカーにしろ、野球にしろ、地域のクラブでプレーするのが基本だ。スポーツクラブの組織が発達したこの国では、選手は年齢別にカテゴリー分けされ、その年齢に応じた育成システムに組み入れられる。野球の場合も、ジュニア世代の育成は、トップチームのプロ契約を結んだ選手に委ねられることが多い。また、カリブの海外領土では野球熱の高まりとともに、私設のアカデミーが複数設立され、ここで、アメリカのプロを目指した育成システムのもとで、少年たちは野球エリート教育を叩きこまれている。

 この国の野球システムの特徴として挙げられるのは、プロ・アマの垣根の低さのため、高校生年代でもプロ契約を結んでトップリーグのフーフトクラッセでプレーできることだ。今シーズン、プレーオフにも進出したHCAWの正捕手ダリアン・コスターと遊撃デラノ・セラッサは、今大会にも出場する。実際のプレーを見ると、ともにトップレベルでプレーするには経験不足の感は否めないが、WBC代表とのプレー経験は、ジャパンにとって脅威になるに違いない。

第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ

大会概要 出場選手 放送予定

大会期間

2017年9月1日~9月11日

オープニングラウンド
9月1日(金)22:30 メキシコ 1 - 10 日本
9月3日(日)5:00 日本 0 - 4 アメリカ
9月4日(月)6:00 日本 7 - 2 キューバ
9月5日(火)3:00 オランダ 1 - 3 日本
9月5日(火)22:30 日本 12 - 0 南アフリカ
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)

スーパーラウンド
9月7日(木)22:30 日本 4 - 3 オーストラリア
9月9日(土)6:00 日本 4 - 6 カナダ
9月10日(日)2:00 韓国 6 - 4 日本
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)

3位決定戦
9月11日(月)1:00 カナダ 1 - 8 日本
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)

開催地

カナダ サンダー・ベイ

参加国

グループA
カナダ、韓国、チャイニーズ・タイペイ、オーストラリア、イタリア、ニカラグア

グループB
日本、アメリカ、キューバ、メキシコ、オランダ、南アフリカ

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