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"世界の野球"力戦奮闘ブラジル野球!~日系移民が紡いできた夢~「JICAボランティアによる野球教室及び親善試合」

2019年8月2日

文・写真=小島尚幸

 Boa tarde!!
 こんにちは!

 今回は先般行われた、ブラジルにおける日本の国際協力60周年記念の野球教室及び、国際親善試合の様子についてご紹介します。

 今年は、ブラジルにおける日本の国際協力60周年ということで、これを記念してJICA野球・ソフトボール隊員による野球教室・国際親善試合が行われました。
 現在ブラジルには、15人の野球・ソフトボール職種のJICA日系社会青年海外協力隊員が派遣されています。その15人が集まり、野球教室及び日本の野球の模範となるプレーを見せようということで親善試合をするに至りました。
 野球教室には、サンパウロ近郊の野球チームを招待し、200名以上の少年、少女が参加してくださいました。

 2日間に渡り行われ、初日は私の配属先であるアニャンゲーラ日系クラブ(サンパウロ州サンターナ・デ・パルナイーバ市)、2日目はインダイアツーバ日伯文化体育協会(サンパウロ州インダイアツーバ市)にて行われました。
 初日は、あいにくの雨となってしまい、当初、午後に予定していた野球教室を前倒しして、屋根付きのバッティングケージやスペースを利用し、限られた中でJICAボランティアによる野球教室が開催されました。グラウンドを使えなかったということもあり、満足に練習や指導ができない状況でしたが、各隊員の日頃の活動の経験を活かした指導、それに対して真剣に耳を傾け、そして練習に取り組む選手の姿勢や眼差しは、とても素晴らしいものだと感じました。

 午後には、雨が上がり、参加者全員でグラウンド整備をした結果、なんとか試合ができる状態になりました。グラウンドには、水溜りができ一時は無理だと思われましたが、参加者全員が試合をしたいという思いで、一生懸命グラウンド整備をして試合を実施できました。
 そしてJICAチーム対アニャンゲーラ日系クラブ成年チームとの試合が行われました。
 JICAチームは初回ヒットで繋ぎ得点を奪いましたが、その裏アニャンゲーラに二者連続ホームランが飛び出すなど、逆転を許す展開となりました。しかし、JICAチームもホームランやヒットが続き逆転。都合で4イニングまでしかできませんでしたが8-3でJICAチームの勝利となりました。
 ブラジルはパワーでは日本を上回り、圧倒されましたが、JICAチームも負けじと日本の堅実な野球を見せることができました。

 2日目は、天候にも恵まれ予定通り開催することができました。この日は、インダイアツーバ・アチバイアの混合チームとソフトボールの試合を行いました。JICAチームが投打で力を発揮し、この試合も勝利となりました。
 試合後には、初日同様、野球教室が開催され、少年、少女に対して各隊員が指導をし、野球の技術や楽しさを伝えました。

 野球教室や試合終了後に「とても楽しかった!」、「あの選手のあんなプレーが凄かった」、「日本の野球はブラジルとこんな所が違って素晴らしい!」など様々な感想を耳にしました。

 今回のこのイベントで、ブラジルで野球、ソフトボールをしている子供たちが更に野球、ソフトボールを好きになってもらえればと願っています。そして、ブラジルにとってこういったイベントが野球の普及に繋がっていけばと思っています。
 また、子供たちだけでなく、成人チームと試合をしたことでブラジル野球のトップでプレーしている選手たちに日本の野球を伝えられたことも非常に有意義であったと思います。以前の記事でも書いたように、ブラジルの野球は様々な国から影響を受けて、それぞれの良さが融合されたものがブラジル野球だと考えています。こういった機会でブラジル野球のレベルがどんどん上がっていくことを期待し、私自身も活動に取り組んでいきたいと思います。

 普段、子供たちに対して自分のプレーを見てもらったり、日本の野球を生で見てもらったりする機会はほとんどないことなので、今回のイベントで子供たちに日本の野球を見てもらえたのは非常に良い機会だったと思います。また、こういった指導やプレーを見せるというのは一人ではなかなかできないことなので、自分自身もとても新鮮で勉強になりました。

 今後のブラジル野球がますます楽しみになってきました!
 私自身も活動に取り組んで頑張っていきたいと思います!

力戦奮闘ブラジル野球!~日系移民が紡いできた夢~
著者プロフィール

小島 尚幸
1991年4月23日生
第91回全国高等学校野球選手権大会に埼玉県代表 聖望学園高等学校の三塁手として出場。2018年7月よりJICA日系社会青年ボランティアとしてブラジル・サンパウロ州のアニャンゲーラ日系クラブへ派遣され、少年少女への野球の指導や普及活動を行っている。日系移民が広めてきた野球文化の継承、野球を通しての人間形成を目指し活動している。

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