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"世界の野球"ヒマラヤを北に望む国 ネパールの野球「ネパール野球25周年日本ネパールスポーツ交流プログラム2024-2025」

2024年9月2日

文・写真=NPO法人日本アジア球友団ラリグラス(小林 洋平)

 先日、パリ・オリンピックが開催された。パリ・オリンピックでは野球が正式種目から外れたものの、2028年のロサンゼルス・オリンピックでの復活が決まっている。ネパールもいつかオリンピックやワールド・ベースボール・クラシックに出場することを夢見ている。そんな中、現在、ネパールでは11月に開催される国際大会に向けて代表チームの強化合宿が行われている。ネパール代表チームで長らく主将を務めてきたイッソー・タパも現在日本に住んでおり、代表チームも世代交代が進んでいる。

 ネパール野球の活動は1999年9月8日に始まり、本年で25周年を迎える。そして、活動25周年を迎えるにあたり、ネパール野球ソフトボール協会(NBSA)との協議した上で、本年9月から来年9月にわたり「ネパール野球25周年日本ネパールスポーツ交流プログラム2024-2025」と銘打った活動を展開することとした。この交流プログラム期間中は、野球を中心にその他のスポーツも含めて日本とネパールの相互交流を図っていく。人々がいろいろなスポーツを体験することでスポーツへの関心が高まり、結果的に野球を好きな人たちが増えれば嬉しい限りである。また、活動に参加したネパールの人々が喜びを感じるとともに活動に関心を持つ日本人にも大いに参加して欲しい。

 そして、そのひとつがマラソンへの取り組みである。来たる9月28日に首都カトマンズでネパール最大級のスポーツイベントであるカトマンズ・マラソンが開催される。そして、ネパール野球25周年を記念して、ネパールと日本の友好をより一層深めるため、現地の野球関係者と共に私自身も外国人ランナーのひとりとしてご招待を賜り大会に挑ませていただくこととなった。

 また、カトマンズ・マラソンの時期に合わせ、ネパール代表チームが中心となってネパールで野球の要素を取り入れたスポーツ体験会の開催することとなった。これまでのコラムでも述べてきたとおりネパールでは体育の授業が少ないなど、一般市民がスポーツをする習慣に乏しい。そこで、このスポーツ体験会は誰でも参加でき、地元市民の皆さんが「投げる」、「捕る」、「打つ」、「走る」といった野球の基本動作を実際に体験することでスポーツに親しむきっかけを作り、健康増進に繋げることを目指している。

 今回の交流プログラムについて、NBSAのディパック・ネウパネ会長は「ネパール野球が25周年を迎えたことを大変嬉しく思います。NBSAはネパールでの野球普及のため、各地での野球の紹介や野球チーム作りを進めています。カトマンズ・マラソンもその一環でネパールでの野球をはじめとしたスポーツの発展およびネパールと日本の友好促進に繋がることに期待しています。また、スポーツ体験会への参加者が増えればと思っています」と期待を膨らませている。

 マラソンの距離は42.195kmである。ネパールで野球が始まったのは1999年で、まだ歴史は浅い。マラソンに例えるなら、まだ前半かも知れない。42.195kmというゴールを目指して、ネパールの人々と共に学び合い協働し、持続可能な社会を共創していきたい。

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