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"世界の野球"ヒマラヤを北に望む国ネパールの野球「野球を通じた国際理解」

2019年1月9日

文・写真=NPO法人ネパール野球ラリグラスの会(小林 洋平)

 去る12月15日と16日に東京都板橋区で「ネパール交流野球教室2018」を開催した。この野球教室はネパール国家代表チームの主将であるイッソー・タパ氏らを講師とした野球教室で、都内で不定期に開催している。また、本コラムの第14回「日本に住むネパール人への野球普及」では、2年前に開催した野球教室について述べている。

 そのコラムには日本在住のネパール人の数が5万5千人と記してあるが、その後の2年間でその数は約3万人増えている。そして、新たな在留資格の創設を骨子として先般改正された入管法が来年4月に施行されるのに伴い、今後もその数は増えていくものと予想される。

 ところで、私たちが板橋区で野球教室を行っていたのと同じ日、明治神宮外苑の室内球技場では「ソフトバンクグループ野球教室 in 東京 2018」が開催されていた。この野球教室はソフトバンクグループがCSR活動として開催しているもので、小学生を対象に福岡ソフトバンクホークスの現役選手が講師となって指導を行っている。そこで、私たちは今後の参考にしたいと考え、板橋区での野球教室終了後、この野球教室を見学させていただいた。私たちが見学させていただいた際には、高谷裕亮選手と九鬼隆平選手が講師となり、50名の子どもたちに指導を行っていた。

 今回、現役プロ選手の指導による野球教室を間近で見ることができ、練習メニューや運営方法など、参考になる点が多々あり、いろいろと学ぶことができた。私たちは、今後も各地で野球教室を開催する予定なので、今回学んだ事を今後に活かしていきたい。

 さて、前述したように、日本に住むネパール人が増える中で、日本に来て野球の人気に驚いている者も多い。また、その中には自分も野球をやってみたいと考える子どもも年々増えている。私たちの野球教室は、オリンピックを控えた東京で、外国人が講師となることで子どもたちが野球を通して国際感覚を養うことに繋がればとの思いで行っている。実際のところ、これまでに参加したネパール人学校の生徒は「またやりたい」と言っていたし、日本人の参加者からも「外国の人たちと野球ができて楽しかった」などの声が寄せられており、その思いは達せられていると考えている。

 私たちは野球を通じて国際理解に少しでも貢献できればと考えて活動しているし、実際に、日本在住のネパール人からの問い合わせも年々増えている。今後、野球に限らず、さまざまなスポーツでこのような場が広がっていき、国際理解が深まっていけば嬉しい限りである。

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