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"世界の野球"ヒマラヤを北に臨む国ネパールの野球 第15回「東北楽天イーグルスのネパール支援」

2016年8月22日

文・写真=NPO法人ネパール野球ラリグラスの会(小林 洋平)

 去る6月10日、私とネパール野球代表主将のイッソー・タパ氏は、楽天イーグルスの球団事務所を訪れた。楽天イーグルスには昨年のネパールの震災に対し多くのご支援をいただいており、今回の訪問の目的は、その支援活動に対する御礼と報告を行うことであった。
 ラリグラスの会は数年前から、楽天イーグルスとの関わりを持っており、2014年にネパールの少年野球チームが日本を訪れた際には、ネパールの少年たちもコボスタ宮城を訪れ、野球教室で元選手から指導を受けたり試合観戦を行っている。また、楽天イーグルスの本拠地である仙台は、2011年の東日本大震災で大きな被害を受けた。同球団の関係者や地元のファンは、震災被災地の苦難を身をもって経験している。そんな背景が、楽天イーグルスのネパール震災復興支援活動につながっている。

 昨年、ネパールで地震が発生した後の楽天イーグルスの対応は早かった。地震が発生した4月25日の直後、4月29日と30日には二軍、5月1日と2日には一軍の主催試合でネパール震災復興支援のための募金活動を行ない、監督・コーチ・選手・スタッフの他、ネパール人留学生も参加してファンの皆様に支援を呼びかけた。また、試合前には黙祷も行われた。球団の呼びかけには、多くのファンの方々が応えていただき、集まった募金の総額は約150万円にも達した。集められた募金は、ラリグラスの会がお預かりし、支援物資の購入やネパール復興支援野球大会の開催経費に充てられた。
 楽天イーグルスの相田健太郎氏は言う。「東北で震災を経験した球団として、微力ながらネパールの皆さまに協力したいと考え、募金活動を実施しました。私たちの力は小さいものかもしれませんが、小さな力でも、みんなの力を合わせて、大きな力にしていきたいです。」

 東日本大震災では楽天イーグルスを始め、プロ野球は野球を通して被災者を支援し、勇気づけてきた。それは、今回のネパールの震災でラリグラスの会が野球を通した復興支援活動を行ってきたことにも通じているし、野球を通じて多くの方々から支援を受けることができた。楽天イーグルスの球団関係者ならびにファンの皆様には、重ねて感謝申し上げたい。

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