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"世界の野球"ヒマラヤを北に臨む国ネパールの野球 第30回「北海道での挑戦始まる」

2017年8月21日

文・写真=NPO法人ネパール野球ラリグラスの会(小林 洋平)

 第27回のコラム「北海道での挑戦」でも紹介したが、7月から3ヶ月間に渡り、北海道の富良野で北海道ベースボールアカデミー(以下、HBA)による「ワールド・ベースボール・チャレンジ・プロジェクト」が行われており、世界9カ国から約15名の選手が来日し、練習や試合を行い、最終的に独立リーグのトライアウトに挑戦する。そして7月末、ネパールから参加するニスカル・ケーシー君(以下、ニスカル)も富良野入りした。以下、彼の富良野入りに同行したラリグラスの会のスタッフからの報告を基に、富良野でのニスカルの様子を紹介する。

 HBAでの練習は基本的に毎日行われ、火曜日と木曜日は全体練習、それ以外の日は自主練習となる。自主練習では、ジムや室内練習場なども使う。また、HBAの選手と今回のプロジェクトに参加している外国人選手は何ヶ所かに分かれて共同生活を送っていて、ニスカルの宿泊先には日本人2名のほか、ベルギーとセルビアの選手もいる。ニスカルはこのような環境の中で、10月半ばまで野球漬けの日々を送ることとなった。

 ニスカルの練習初日はちょうど全体練習の日で、午前9時から上富良野町の球場で練習が行われた。この日の練習では、主に守備練習と打撃練習が行われた。打撃練習では、ニスカルは数球のフリーバッティングをしたものの、まだバットの振りが鈍いということで、その後はティーバッティングに専念した。
 ネパールでは広いグラウンドが無いこともあって、十分な打撃練習ができにくい。先般の西アジア野球大会に出場したネパール代表選手たちにも同様の問題があった。また、ニスカルの地元であるバクタプルには指導者もおらず、ニスカルもこのような指導を受けることは初めてで、知らない事もまだまだ多い。今回のプロジェクトを機に、ニスカルはこれから多くの事を学んでいくことになる。

 この日のグラウンドでの練習は午前中で終わり、午後からは、栄養学やメンタル面に関するセミナーも行われた。初日の練習を終え、ニスカルに感想を聞いてみると「今回の事は、私にとって新しくて素晴らしい経験です。練習のやり方もとても良いし、選手やコーチの皆さんもとても親切で助けてくれます。このアカデミーでベストを尽くします。」と述べた。

 HBAの選手たちは、練習以外にも地元のイベントなどに参加する。ニスカルも早速、富良野の中学生との交流会に参加したり、北海道日本ハムファイターズ選手会から野球道具の寄付を受け取るため札幌ドームを訪れるなど、様々な活動をしている。

 英語が話せる選手ばかりではないが、ニスカルはチームにうまく溶け込んだようで、時にはネパールでも放送されているアニメの「ONE PIECE」の話で盛り上がる場面もあった。ニスカル自身も、野球だけではなく日本語も学ぼうという意欲を見せている。今までニスカルはネパールで選手として、チームのリーダーとして活躍してきた。今回は彼にとってまたとない勉強の機会である。そして、ここで学んだことをネパールに伝え、他の選手たちの成長に繋げていって欲しい。そのためにニスカルは今、北海道にいるのである。

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