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"世界の野球"力戦奮闘ブラジル野球!~日系移民が紡いできた夢~「ブラジル野球の歴史」

2018年12月4日

文・写真=小島尚幸

「センセイ!センセイ コジマ!」グランドの中で子供たちのそんな声がいつも響き渡っています。ブラジルの子どもたちは野球のコーチ、監督のことを「先生」と呼んでいます。また練習や試合が始まる際と終わる際には「オネガイシマス!」「アリガトウゴザイマシタ!」と日本語で挨拶をするなど、日本の真裏の国ブラジルでは、日本式の野球が浸透しています。
 野球以外でも日本とブラジルの結びつきは非常に強いものがあります。

 初めまして、こんにちは。
 JICA日系社会青年ボランティアの小島尚幸と申します。私は今、ブラジルのサンパウロ州にあるアニャンゲーラ日系クラブというところで野球の指導や普及活動などを行っています。

 突然ですが、ブラジルで人気のスポーツといえば何を思い浮かべますか?
 やはりサッカーを思い浮かべるのではないでしょうか?
 そうなんです!!
 ブラジルはサッカー大国であり、至る所でサッカーをしている人たちを見かけ、会話の中でもサッカーの話題を耳にすることがしばしばあります。
しかし、そんなサッカー大国ブラジルでも野球をしている人たちは、たくさんいます。

 今回は、ブラジル野球の歴史についてお伝えします。

ブラジル野球には100年以上の歴史がある

 先程、日本とブラジルは非常に強い結びつきがあると書きましたが、ブラジルで野球という文化を広めたのは日本から来た移民の方々だと言われています。今から110年前、日本人移住者を乗せた船「笠戸丸」がブラジルに来た頃から移民の歴史は始まりました。実は元々アメリカ人によってすでに野球が持ち込まれていましたが、日系移民の方々が娯楽として野球を広めていったという経緯があります。その後も、日本人学校の授業で野球が採用されるなどして広がりを見せ、1930年以降には日系移民による全伯野球大会が開催される程の規模になっていきました。

 このように長い歴史の中で、ブラジル野球は大きな発展を遂げてきました。近年では、日本の高校や社会人チーム、更にはプロ野球やメジャーリーグなどで活躍する選手も増えてきています。

 2013年のWBC(ワールド?ベースボール?クラシック)でブラジルが日本と試合をしたのは記憶に新しいのではないでしょうか?日本相手にあと一歩というところまで追い詰め、死闘を演じました。ブラジルの野球のレベルが決して低くないということを証明しました。
 この時のブラジル代表の中には、日本の名前の選手が多くいます。それほど日系人がブラジル野球の中心であり、今でも欠かすことのできない存在となっているのです。しかし、ブラジル野球を支えてきたのは日系人だけではありません。かつてブラジルでは、野球は日系人のスポーツとされていましたが、今では非日系の選手も増えてきており、ブラジル野球の発展を担っていく存在であると言えます。

力戦奮闘ブラジル野球!~日系移民が紡いできた夢~
著者プロフィール

小島 尚幸
1991年4月23日生
第91回全国高等学校野球選手権大会に埼玉県代表 聖望学園高等学校の三塁手として出場。2018年7月よりJICA日系社会青年ボランティアとしてブラジル・サンパウロ州のアニャンゲーラ日系クラブへ派遣され、少年少女への野球の指導や普及活動を行っている。日系移民が広めてきた野球文化の継承、野球を通しての人間形成を目指し活動している。

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