文・写真=小島尚幸
Boa tarde!!
こんにちは!
ブラジルでの活動も一年が経ちました。
今回は、この一年の自分の活動を振り返りながら、私の配属先であるアニャンゲーラ日系クラブの現状や課題、今後の目標についてお伝えしていきます。
今期に入って当クラブで話し合いの場を設け、大きな目標を2つ立てました。
①「主要な大会で上位に入ること」
②「選手の増加を図っていくこと」
この2つを大きな目標として、これに基づいて活動にあたってきました。
目標を達成するために
1つ目の目標については、一年前の着任当初と比較すると良い結果が出始めてきていると感じています。個々の練習の成果が試合で出ているのはもちろん、協調性などの意識も少しずつ選手に身に付いてきたのではないかと感じています。これは日本式の指導方法を取り入れた結果、個々でバラバラだったチームが1つになって一体感が生まれてきたこと、それから選手の意識の変化によってチームとして強くなってきたのではないかと考えています。
ブラジルの野球は、日本と違いウォーミングアップなどの際、個人個人でやることがあります。日本では皆が一緒になって行い、同じ方向に向かっていくことでチームとして一体感を高めていくことが野球に限らず、団体競技において重要であるという考えがあります。
選手にも目標を達成するには“皆んなが同じ方向に向かっていくこと”が大事、ということを伝えて、チームとして皆が一緒になってやる時は、それぞれが心を合わせて自由の中にもケジメをつけてやることで良いチームになっていくと思っています。
そのため、今はウォーミングアップを始めノックなどでも一体感を生み出して団結力を高めていく練習に取り組んでいます。
しかし、目標を達成するにはまだまだ課題も多く、技術の向上やチームワークなどに対する選手ひとりひとりの意識がさらに必要であると考えています。今後も継続し、技術を向上させるための練習や協調性を高めるための教育的要素も取り入れた練習を行っていく必要性があると感じています。
2つ目の目標については、これまでの記事にも書いたように、現在、野球人口減少による選手不足が深刻的な問題です。そのため今年度より野球教室を開催、選手の募集活動をし、野球人口の増加を図っていくことになりました。現状、選手不足が大きな課題の一つとして挙げられていますが、まだまだ大きな成果は出ていません。この課題を解決するため、今後も野球教室を継続し、週に一回は学校への巡回活動などをしていく予定です。特に年齢の低い子どもたちを対象に行い、野球の楽しさなどを伝えていき、野球人口を増やしていきたいと考えています。
大きな成長も
先週、サンパウロ市内の大会がありました。
市内4チームのトーナメント方式での試合でした。
ブラジルでは基本的に土日の2日間に渡り試合が行われます。負けたとしても次の日にも試合が行われる仕組みになっています。
しかし、この日はいつもと違い、負ければ終わり。選手たちもいつも以上に気合いが入っていました。
1試合目、日頃のバッティング練習の成果を発揮して終わってみればコールド勝ち!
2試合目の相手は、普段からよく対戦する相手で一年前に対戦した時は、コールド負けした強豪チーム。
結果から言うと…負けてしまいましたが、非常に内容の良い試合でした。
打てない時にどうすれば点が入るかなど、選手ひとりひとり、考える力が付いてきたように見えました。
選手たちにとっても手ごたえがあった試合で、それと同時にかなりの悔しさもありました。
この試合を通して選手たちも自信が持てたと思います。
次の大きな大会まであと約2ヶ月!
この大会に向かって皆が一つになって練習し、試合に臨みたいと思います!
そして私自身も残りあと約一年、ブラジル野球の発展のために活動に取り組んでいきます!
今回も読んでいただきありがとうございました。
それではまた!
- 【第9回】2019年12月9日 「目標に向かって」
- 【第8回】2019年9月20日 「一年を振り返って」
- 【第7回】2019年8月2日 「JICAボランティアによる野球教室及び親善試合」
- 【第6回】2019年5月10日 「ブラジル野球の新たな試み(2)」
- 【第5回】2019年4月4日 「ブラジル野球の新たな試み(1)」
- 【第4回】2019年3月5日 「新チーム始動後に見えた新たな課題」
- 【第3回】2019年2月7日 「融合された野球」
- 【第2回】2018年12月27日 「ブラジル野球を取り巻く環境」
- 【第1回】2018年12月4日 「ブラジル野球の歴史」
著者プロフィール
小島 尚幸
1991年4月23日生
第91回全国高等学校野球選手権大会に埼玉県代表 聖望学園高等学校の三塁手として出場。2018年7月よりJICA日系社会青年ボランティアとしてブラジル・サンパウロ州のアニャンゲーラ日系クラブへ派遣され、少年少女への野球の指導や普及活動を行っている。日系移民が広めてきた野球文化の継承、野球を通しての人間形成を目指し活動している。
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