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侍ジャパンインタビュー

「熱い男」となり「一戦必勝」で悲願の世界一を目指す/永田裕治監督インタビュー

2019年8月28日

 侍ジャパンU-18代表が、8月30日から韓国・機張(キジャン)で開催される「第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」に出場し、同大会での悲願の初優勝を目指す。決戦を前に、チームを指揮する永田裕治監督に「世界一」への意気込みを聞いた。

対話を重視した6日間の国内合宿

――大会前の国内合宿(8月22日〜27日)を終え、現段階のチームの仕上がりはいかがでしょうか?
「選手たちには『コミュニケーションを取るように』と伝えてきましたし、まだ短い期間ですが、その中でも取れてきたかなと感じています。自分たちがこういう野球をするんだ、ということも浸透してきたかなと思います」

――“こういう野球をする”という部分では、具体的にどのような戦いを目指しているのでしょうか?
「昨年のアジア大会で監督を務めさせていただいた中でも感じましたが、世界の舞台ではそうそう打てない。結構、強力な打線だったのですが、ほとんど打てなくて、1試合を通じて3安打、4安打という戦いになってくる。国際ルールの中で、足を使いたくても使えなかった。そういう中でどうしていくのか。バントを使っていかないといけないですし、単独盗塁が難しければ、エンドラン、ランエンドヒット、スクイズ、セーフティースクイズという形で使っていかないと、なかなか点を取るのは難しいかなと思います。昨年のチャイニーズ・タイペイ戦もスクイズ(記録はタイムリー内野安打)を決められた。ミーティングの中でもそういう話をして、この国内合宿でもそういう練習をした。大学代表との壮行試合の中でも、少しは出せたかなと思います」

――大学代表との壮行試合は5対5の引き分け。その前に大学生との練習試合も2試合(ダブルヘッダー)行いました。実戦の中で見えて来たものは?
「選手の力も含めて、やはり実戦をしないと分からないことが多いですね。それと、サインですね。まだ分かっていない。それも実戦をして初めて分かること。その意味では、もっと実戦をしたいのですが、日程的なものがあるので、短い期間中に実戦をしすぎると今度は疲れが出てくる。ですので、今回、壮行試合を入れて3試合。去年はもうちょっとやったと思いますが、これが限度かなと思います。新しい環境の中でやっているので、その疲れもある。時間をかけて確認するところと、短時間で切り上げるところの両方で、うまく調整して行ければと思います」

――改めて今年のチーム作りの中で重点を置いている部分は?
「記者会見でも言いましたが、4つのC(Chance:世界一になるチャンスをつかもう、Challenge:そのチャンスに挑んでいこう、Change:仮にうまくいかない場合は変革、方法を変えてみよう、Champion:世界一を目指す)に加えて、最後の一つのC、コミュニケーションを大事にしようと。僕自身も監督として選手たちと近い距離で戦いたいなと思います。“熱い男になろう”という話をしています」

日本を代表して「プレッシャーを感じてもらわないといけない」

――合宿を終えて28日に韓国入り。合宿最終日にはトップチームの稲葉篤紀監督が激励に訪れ、「初戦が大事」と仰っていましたが?
「そうですね。“1”が大事だと。それは僕も同じですね。特に初戦が大事だというのはずっと言い続けていることです。ただ、(初戦のスペインは)まだ見ぬチームなので、警戒が必要ですね。2戦目の南アフリカ以降は、大会での戦いぶりを見ることができますけど、スペインに関しては情報が全くないですからね」

――その初戦を含めたオープニングラウンドでは、第3戦(9月1日)でアメリカと対戦します。
「毎年ですが、力強いというイメージがありますね。選手をどういう風に起用していくかでこちらの戦い方も変わってくる。3戦目なので、選手の体調、調子など、状況を見ながら起用して行きたいと思っています。球数制限があるので、その辺りも含めて考えていかないといけない。大会の中で故障も出てくるでしょうから、今回は理学療法士さん2人を含めて整形外科の先生がついて来てくれるので、よく相談した上で起用法を決めたいと思います」

――決勝まで戦うと10日間で9試合という過密日程となりますが、その中で球数制限もあり、選手のやり繰りが大きなカギになるかと思いますが?
「そうですね。20人全員が戦力だと思っています。その中で、ピッチャーで言えば、1イニング限定やワンポイントでの起用もある。そういう話はチーム全体にしています。ただ、起用法に関しては、相手国を見てみないと分からない部分もあるので、大会の中でまた変わってくるかも知れません」

――スーパーラウンドに勝ち進めば地元・韓国との対戦が予想されます。完全アウェーの戦いになりそうですが?
「とにかく頑張るしかないので、目の前の試合に集中すること。1日1試合、もしかしたら雨が降って1日2試合になるかも知れない。そういう話も選手たちには話をしていますが、とにかく一戦必勝で行きたいと思います。大事な20人の選手たちですから、怪我のないようにして、その中で全力を尽くしてもらいたい」

――ファンの注目度も高く、その中で日本を代表して戦う責任、プレッシャーもあると思いますが?
「そうですね。でも選手たちにはプレッシャーを感じてもらわないといけない。日本を代表としてこのチームに参加しているんだという声が、(主将の)坂下を始め選手たちの中から出ているので、プレッシャーを感じた中でも頑張ってくれると思います」

――日本国内から応援するファンも多いと思います。最後にメッセージをお願いします。
「日本の野球というもの、マナーを重視した中で、選手たちが全力でプレーしてくれたらと思っていますので、応援よろしくお願いします」

第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ

大会概要 出場選手 放送予定

大会期間

2019年8月30日~9月8日

オープニングラウンド
2019年8月30日(金)12:00 日本 4 - 2 スペイン
2019年8月31日(土)12:00 南アフリカ 0 - 19 日本
2019年9月1日(日)18:00 日本 16 - 7 アメリカ
2019年9月2日(月)18:00 チャイニーズ・タイペイ 3 - 1 日本
2019年9月3日(火)19:30 日本 5 - 1 パナマ

スーパーラウンド
2019年9月5日(木)18:00 日本 5 - 1 カナダ
2019年9月6日(金)18:00 韓国 5 - 4 日本
2019年9月7日(土)12:30 日本 1 - 4 オーストラリア

決勝・3位決定戦
2019年9月8日

開催地

韓国(機張郡)

出場する国と地域

グループA
韓国、オーストラリア、オランダ、カナダ、ニカラグア、中国

グループB
日本、アメリカ、チャイニーズ・タイペイ、パナマ、南アフリカ、スペイン

侍ジャパン壮行試合 高校日本代表 対 大学日本代表

特設サイト チケット 出場選手 放送予定

試合日程

2019年8月26日(月)18:00
大学日本代表 5 - 5 高校日本代表

開催球場

明治神宮野球場

出場チーム

高校日本代表、大学日本代表

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