6月8日から開催されていた「第64回全日本大学野球選手権」は、決勝戦で早稲田大が8-5の逆転勝ちで流通経済大を下し、3年ぶり5度目の優勝を果たした。
中でも活躍が目立ったのが、侍ジャパン大学日本代表でも活躍が期待される茂木栄五郎内野手(早稲田大4年)。リーグ戦でも打率.390、5本塁打を記録した実力そのままに、今大会通じて13打数8安打2本塁打8打点の大活躍で、最高殊勲選手賞と首位打者賞の個人2冠に輝いた。
茂木は「逆方向への打撃を意識することで、変化球も見極めることができましたし、打ち損じてもファウルにすることができました」と打撃躍進の要因を語った。19日から始まる代表合宿に向けては、「レベルの高い選手たちが多い中で、なんとか食らいついて試合に出られるよう頑張りたいです」と殊勝に語った。
投手では、濵口遥大投手(神奈川大3年)が期待に違わぬ活躍を見せた。3試合21回を投げ自責点ゼロの好投を見せ、リーグ戦に続き最優秀投手賞に選出された。150キロのストレートとブレーキの利いたチェンジアップを生かした緩急自在の投球を国際舞台でも期待したい。
井口和朋投手(東農大北海道オホーツク3年)も自身の登板がなかった2回戦でチームは敗退したが、1回戦で9回7安打3失点完投の好投を見せた。全国4強に導いた昨秋に比べ、さらに投球術が広がり、そのマウンドさばきは堂々としたものだった。
また専修大・高橋礼投手(専修大2年)もアンダーハンドから力強い投球を見せ、リリーフとして2試合6回を投げ、わずか2安打と好投。代表では唯一の変則投手ということもあり、ユニバーシアードでもリリーフとして金メダル獲得に貢献したい。
チーム史上初の全国大会出場となった宇佐見真吾捕手(城西国際大4年)は、骨折から復帰し初めての公式戦ということもあり、打撃は2試合で2安打と奮わなかったが、投手陣を懸命にリードし、1回戦で全国大会初勝利。大学の歴史をまた1つ刻んだ。
初戦敗退となった山足達也内野手(立命館大4年)、東海大の吉田侑樹投手(4年)と下石涼太内野手(2年)の3人は、この悔しさを国際舞台で晴らしたいところだ。
これで全大学が春季の全日程を終え、19日からはいよいよ韓国・光州で開催されるユニバーシアード競技大会(野球競技は7月6日〜11日)に向けた強化合宿が神奈川県平塚市でスタート。
日本大学球界初となる金メダル獲得に向け、精鋭たちの熱い夏はもう間もなくだ。