第28回ユニバーシアード競技大会(韓国・光州)の野球競技は、降雨のために試合ができず、無情にも試合は中止、日本とチャイニーズ・タイペイの両チームが優勝となった。
主将の坂本誠志郎はしばらく言葉が出なかったが、「自分たちを支えてくれた人のために、試合で勝って金メダルを穫りたかったのですが、間違いなく1位にふさわしいチームでした」と涙ながらに言葉を絞り出した。
そして、「この仲間で戦えて嬉しかったです。2年後のユニバーシアード(台湾・台北で開催予定)では、この悔しさを晴らして欲しいです」と無念の想いを後輩に託した。
善波達也監督も目に涙を浮かべ、「選手・スタッフが一体となって、今日ここで勝つためにやってきたので悔しいです。決勝を戦わせてあげたかったです」と悔しさを隠しきれなかった。
だが、当初から目標としていた金メダル獲得という結果を達成したことに加え、「今日もいつ試合が始まるか分からない中でも、選手たちは一生懸命気持ちを切らさずに準備をしていました。その姿は金メダルにふさわしいチームでした」と選手を労うとともに、その姿勢に感銘を受けたと話した。
コメント
田中正義投手(創価大)
「たくさんの人のサポートを受けて、ここまで来たので、そういった人たちの気持ちに応えるためにも勝って金メダルを獲得したかったです。仲も良く、一緒に生活して楽しかったし、このメンバーと野球ができて良かったです。またすぐに秋のリーグ戦が始まるので、この仲間に負けないように頑張りたいです。」
茂木栄五郎内野手(早稲田大)
「試合ができなかったことはとても残念ですが、金メダルを獲得できたことには変わりありません。自分たちのやってきたことを準決勝まで出すことができました。レベルの高い選手たちと共に過ごすことで、練習に対する姿勢など多くのことを学ぶことができました。そうして学んだ多くのことを、今後に生かしていきたいです。」
北村祥治内野手(亜細亜大)
「金メダルを目指して、ここまでやってきたので最後に試合ができず悔しいです。ただ、コンディションが良くない中での試合をしたり、多くのことを経験できました。“日本代表”というチームとして良いチームになることができたと思います。協調性があって、仲間を思いやれるチームでした」
台湾代表・郭李建夫監督
「試合ができなかったのはとても残念ですが、みんな嬉しい気持ちでいっぱいです。選手たちはよく頑張ってくれました。(21U W杯に続く世界大会優勝だが)これからもっと努力し続けなければいけませんし、チームとして戦える力をもっともっとつけていきたいです」